21年3月に改修を終えたいきもの村の炭焼き窯。本来は今年2月の炭焼き体験会で初めて活用する予定でしたが、新型コロナの影響で体験会は中止に。窯には皮むき間伐で伐倒したスギを既に詰めていたこともあり、せっかくなので火入れをしてスギ炭を焼くことにしました。私は炭焼きの経験はありませんが、高尾センターで経験のある玉井さん指導のもとセンター職員全員で行いました。
まず、耐火レンガを積んで窯の入り口をある程度狭めます(写真1,2)。レンガと窯の隙間には石を積め、その上から粘土を塗って空気が漏れないようにします。狭めた入り口に薪を入れて火を付けます(写真3,4)。窯の中の材に直接火を付けるのではなく、入り口で焚いた火の熱を窯に送り、その熱で窯の材が燃焼するようにすることがポイントです。窯の中に空気が通るよう、初めの数時間は仰いで風を送り続けました(写真5)。中の燃焼が強くなると煙突からは絶えず白い煙がもくもくと上がり始めます(写真6)。そうしたら、耐火レンガでさらに入り口を狭くして、ゆっくり時間をかけて燃えるように空気の量を調節します(写真7)。最終的には窯を閉めて空気を完全に遮断するのですが、それを見極めるのが煙突から出ている煙です。初めは白色をしていた煙ですが、材から発生するガスが燃焼することで次第に青色となり(写真8)、さらに進むと無色になり刺激臭や水分もなくなります(写真9)。この時は炭化が完全に進行した状態で窯の温度も最も高くなっています。ここでようやく入り口と煙突口を完全に塞ぎ、窯の中を密封します。少しでも空気が入ると、炭ではなく”灰”が出来上がってしまうので、粘土でしっかり隙間を埋めました(写真10)。以前のものより一回り小さくしたとはいえ、ある程度の大きさがある炭焼き窯。炭化が進むにはかなりの時間を要します。この日は午前10時に火を付けてから、安定して白い煙が出るまで3時間ほど、そこから青くなるまでさらに約8時間、最終的に窯を閉めたのはそこから7時間後の午前4時頃でした。後は数日間そのままの状態にし、窯が冷えたら炭を取り出せば完了です。改修前は空気が入ったことで、灰になったこともあったようですが、今回は無事上手くいっているでしょうか。取り出し作業は4月2日の赤谷の日を予定しています。それまで今しばらく楽しみに待ちたいと思います。
報告者:いとうちゃん
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AKAYA(赤谷)プロジェクトホームページより