(活動内容) 新型コロナの感染拡大が抑えられているため、11月に引き続き12月も赤谷の日を開催することとなりました。サポーターは新規1人を含む10名の方に参加していただきました。
この日の活動は、いきもの村の環境整備(道上の広場の落葉かき、苗畑の整備、桐の獣害対策ネットの設置、薪割)とイヌワシの狩
場創出試験地の見学をメインに行いました。毎回実施している南ヶ谷湿地の環境保全活動ですが、12月は観察対象の動植物が少なくなり、積雪もあることから、この日は行いませんでした。また、今回は複数のチームに分かれず、参加者全員がいきもの村の環境整備を行ってからイヌワシの試験地に向かうという、ちょっと珍しいパターンとなりました。活動後にはセンターと日本自然保護協会にて、ニホンジカのライトセンサス調査も実施しました。
1 いきもの村の環境整備(センター:佐藤、玉井、中園、伊藤 自然保護協会:出島、萩原 武田 地域協議会:長浜、石坂 サポーター:竹村、飯島夫妻、ベネット親子、前田、和田、水野、永田、李)
(ア)道上の広場の落葉かき
環境学習などで使っている広場とその散策路の落葉かきを行いまいた。いきもの村も道上の方は、夏場にヤマビルが多く出現します。ヤマビルは冬の間、落葉の下で冬眠しますが、落葉かきをすることでと冬眠できる場所がなくなり、翌年のヤマビルの数を抑制する効果が期待できます。人数が少ないと大変な作業ですが、大勢で行ったため、あっという間に終わらせることができました。
(イ)苗畑の整備
いきも村には、ブナ、ミズナラ、コナラなどを育てている苗畑があります。苗は、新治小学校の児童が赤谷の森で採取したドングリから育てたもので、将来、イヌワシの狩場創出試験地などの更新の補植として活用されます。苗畑も放っておくと、雑草等で被圧されてしまうので、この日は雑草の除去やマルチング用シートの整備を行いました。
(ウ)桐の獣害対策ネットの設置
いきもの村の道上にある植栽後3年ほどが経過した桐の植栽地。これから春にかけて、ウサギやシカによる樹皮剥ぎやシカの角研ぎから桐を守るため、一本一本にネットを巻き付ける作業を行いました。
(エ)薪割
いきもの村のたくみ小屋では、冬になると薪ストーブを使用するため、多くの薪が必要となります。以前、赤谷林道の道路工事で出た支障木をもらい受け、センター職員である程度の大きさにまで割っていたものがそのままになっているため、サポーターのお力を借りて薪として使えるサイズに割ってもらいました。
2 イヌワシの狩場創出試験地の見学(センター:佐藤、玉井、中園、伊藤 自然保護協会:出島、萩原 武田 地域協議会:長浜、石坂 サポーター:竹村、飯島夫妻、ベネット親子、前田、和田、水野、永田、李)
午前中にいきもの村の環境整備を済ませ、お昼を食べた後、参加者全員でイヌワシの狩場創出試験地の見学に向かいました。試験地に行く途中、各観察ポイントで出島さんの説明を受けながらイヌワシの観察を試みました。この日は、運のいいことに、つがいで止まり木に止まっている様子や、別の場所から侵入した若いイヌワシをテリトリーから追い払う行動(追い出し行動)を見ることができました。観察ポイントからイヌワシまでは、かなりの距離があるため、止まっている場合は、双眼鏡では点のようにしか見えず、フィールドスコープという単眼鏡でやっと確認できます。初めてイヌワシを観察される参加者も多く、最初のうちはその姿を認識するのに時間がかかっていましたが、分かった途端、皆さん声をあげて喜んでおられました。と同時に、これほど遠くに止まっているイヌワシを発見する赤谷プロジェクトが培ってきたノウハウに感心しておられました。この日は、調査員の上田さんもイヌワシの調査を行っており、無線機で出島さんが連絡を取り合うことで、少ないチャンスを逃すことなくイヌワシを観察することができたことも幸いでした。狩場創出試験地についても、現地で出島さんが詳しく説明され、皆さん関心をもって聞かれていました。
3 ニホンジカのライトセンサス調査(センター:佐藤、玉井、中園、伊藤 日本自然保護協会:出島、武田)
センターでは、ニホンジカの個体数調査として、毎年ライトセンサスを実施しています。ライトセンサスとは、夜間にライトを照射し、それにシカの目が反射して光ることを利用して、シカの数を計測する調査方法のことです。赤谷の日の活動後に、赤沢スキー場とうだっぱらにて実施しましたが、シカを確認することはできませんでした。
これまであまり例の無かった参加者全員でのイヌワシの狩場創出試験地の見学ですが、実際にイヌワシを見ることができて、皆さんとても喜ばれていました。初めて参加された方も含め、皆さん大変満足されたようで、実施して本当に良かったと思いました。今回、イヌワシを見れたことは偶然ではなく、長年の赤谷プロジェクトの賜物と言えます。今後も様々なノウハウを蓄積しつつ、こういった場で、多くの方に赤谷の森の魅力を知っていただきたいと、あらためて思いました。
報告者:いとうちゃん
これからもどんどん、赤谷プロジェクトの様々な取組を紹介していきます。
また、赤谷プロジェクトでは、サポーターを随時募集しています。http://www.nacsj.or.jp/akaya/sup_index.html
AKAYA(赤谷)プロジェクトホームページより