(活動内容) 11月に入り寒い日も多くなってきましたが、この日は暖かく、厚着をして動くと汗をかくような陽気となりました。朝晩の冷え込みが強くなったことで、平地でも紅葉が進み、いきもの村周辺も見事な紅葉に包まれました。朝のミーティングを行う「たくみ小屋」の周りには、ケヤキ、トチノキ、イタヤカエデなどの落ち葉が敷き詰められ、サポーターの皆さんは、歩いてその感触を味わいながら、周囲の紅葉を楽しんでいました。さて、今回はメンバーが9人と少なかったこともあり、活動は、南ヶ谷湿地の保全活動とシカ罠の見回りの2つを行いました。
1 南ヶ谷湿地環境保全活動(センター:中園 サポーター:和田、前田、富岡)
南ヶ谷湿地では、複数ある水位計測箇所で、水位の計測を行いました。その結果、以前は水が完全に干上がっていた箇所でも、土の中に多くの水が存在しており、全体的に湿地の水量がこれまでより多くなっていることが分かりました。これは、継続的に行っている堰の整備や、落ち葉や土砂の浚渫が効果を発揮しているものと思われます。また、サポーターの和田さんが、以前、南ヶ谷湿地を調査した際に、マツタケジャゴケという、松茸の香りがするコケを発見されており、この日も採集されていました。実際に香りを嗅がせてもらったところ、確かに、お吸い物のような強い独特の香りがしました。
帰りには、バイカモ湖にも立ち寄り、ここでもコケの調査などを行いました。和田さんいわく、種類が特定できないコケが見つかり、今後、専門家に依頼して同定を行ってもらうようです。
2 ニホンジカ誘引捕獲試験(センター:佐藤、伊藤 自然保護協会:萩原 サポーター:永田、富岡)
センターでは自然保護協会と連携して、10月14日から、くくり罠によるシカ誘引捕獲を実施しています。期間は11月13日までの約1ヶ月間で、5箇所の地点(南ヶ谷に3箇所、富士新田に1箇所、仏岩に1箇所)に、それぞれ罠を3基づつ計15基を設置しています。設置場所は、鉱塩(塩のかたまり)による誘引状況をモニタリングし、シカが多く確認された箇所を選定しています。また、各箇所には、データ転送が可能なセンサーカメラを設置し、シカが罠にかかった場合などは、写真が送られてきて、職員が現地に向かうようにしています。一方、罠にシカがかかった場合、直ぐに対応する必要があるため、センター職員が休みである土日は稼働しないように、前日に罠を施錠しています。7日(土曜日)は赤谷の日であったことから、金曜には施錠せず、この日に見回りを兼ねた罠の施錠を行いました。残念ながら、これまでシカは1頭も捕獲できていません。シカは、誘引されているものの、罠を踏まなかったり、罠が上手く作動しなかったりしたことが原因です。この日もシカは捕れませんでしたが、残るあと1週間に向けて、罠の上に被せている土の量を調整したりしました。
また、センターでは、シカ罠を設置している箇所以外にも、動物のモニタリング調査として、複数地点にセンサーカメラを設置しています。毎月、データ回収を行っていて、11月は赤谷の日を利用して、南ヶ谷湿地や小出俣にあるセンサーカメラのデータ回収を行いました。みなかみ町では、9月9日に大雨が降り、各地で被害が出ましたが、小出俣林道もその時の雨の影響で、沢の中に土砂が堆積し、以前とは、景色がすっかり変わってしまっていました。
3 ニホンジカライトセンサス(センター:佐藤、中園、伊藤)
センターでは、ニホンジカの個体数調査として、毎年ライトセンサスを実施しています。ライトセンサスとは、夜間にライトを照射し、それにシカの目が反射して光ることを利用して、シカの数を計測する調査方法のことです。赤谷の日の活動後に、赤沢スキー場とうだっぱらにて実施しました。8月、10月と行っていますが、今年は0頭にとどまっています。
今回、久々に参加された富岡さんからは、シカ捕獲試験の他、南ヶ谷湿地や小出俣なども見ることができ、満足していただいたようで良かったです。今年はシカがまだ捕れていないのが気がかりですが、残り5日間万全の体制で臨みたいと思います。
報告者:いとうちゃん
これからもどんどん、赤谷プロジェクトの様々な取組を紹介していきます。
また、赤谷プロジェクトでは、サポーターを随時募集しています。http://www.nacsj.or.jp/akaya/sup_index.html
AKAYA(赤谷)プロジェクトホームページより