(活動内容) みなかみ町では9月9日の夜にかけて大雨が降り、国道17号線が一時通行止めになるなどの被害が出ました。いきもの村も、この豪雨により、道上から駐車スペースや防火水槽に土砂が流れ込み、倉庫の浸水や、道の洗掘などの被害を受けました。改修途中の炭窯の中にまで、泥水が入り込みましたが、幸いにも、たくみ小屋や村の家などは、被害を受けずにすみました。被害当初は、赤谷プロジェクト関係者を集めての復旧作業も考えましたが、利根沼田森林管理署の協力もあって、センター職員のみでなんとか使える状態にまで復旧させることが出来ました。当日は、集まった皆さんが、豪雨の爪痕が残る以前とは違った光景に驚いていましたが、こうして赤谷の日を開催することができて良かったと思います。
1 南ヶ谷湿地環境保全活動(センター:伊藤 サポーター:和田、竹村、前田、小林)
先月の豪雨の影響が心配された南ヶ谷湿地ですが、ほとんどその影響は見られませんでした。また、今年は雨が多かったせいか、例年に比べて水位が高い傾向にあり、開放水面が多くみられました。以前から行っている湿地の水位低下防止を目的とした堰の確認は、今回も引き続き行い、以前造った堰の修理等を併せて行いました。湿地内では、先月に続きアカバナが咲いていた他、ウメバチソウがたくさん咲いているのを見ることができました。サポーターの皆さんいわく、これほど群生しているのは初めてということでした。一方で、湿地内に向かってシカがあるいたであろう足跡や、アキノキリンソウの葉が食べられていたりと、シカが増えていることも実感させられました。また、この時期はキノコが至る所で生えており、様々な種類のキノコを観察することができました。湿地からの帰りには、大峰林道脇のバイカモ湖を調査しましたが、バイカモの花は咲いておらず、今年は花をほとんど咲かせなかったようです。
2 ニホンジカ誘引捕獲試験(センター:佐藤、玉井、中園 サポーター:永田)
10月12日から実施予定のニホンジカ誘引捕獲。捕獲はくくり罠と呼ばれる、踏み込み式の罠を使って行いますが、罠を設置直後はシカに警戒される可能性があるため、8月の赤谷の日を利用して罠を作動しない状態で仮設置していました。この日は、12日の本稼働に向けて、罠の最終点検をかねた本設置を行いました(罠はまだ作動しない状態です)。実際に現地に行ってみると、南ヶ谷では、仮設置の状態であるものの、実際に罠が踏まれた形跡があり、周囲にもたくさの足跡が見られることから、今後の捕獲が期待できるものと思われました。罠の金属部分が見えていても、最近になって来ているようなので、罠への警戒心は薄れているように感じました。一方で、南ヶ谷以外の富士新田等では、これまでの誘引試験の結果、多くのシカが来ていることが確認されていましたが、罠の仮設置からここ1、2ヶ月程はシカがあまり出現せず、罠を踏んだような形跡も見ることができませんでした。罠を設置したことによる、現地状況の変化に警戒しているのか、行動域が変わったのか、原因はよく分かっていません。
3 いきもの村環境整備他(自然保護協会:出島 地域協議会:長浜、松井)
先述の通り、いきもの村は9月9日の豪雨による被害を受けました。大部分はすでに復旧を終えましたが、一部残っている箇所の復旧作業を行いました。特に被害後、防火水槽脇の手洗い場からの排水が上手くいっておらず、駐車スペースの一部が水浸し状態だったため、排水の調節や石の敷き詰め作業などを行いました。また、以前から自然林復元を目的として、ドングリから育てているミズナラ実生の畑の手入れも併せて実施しました。
豪雨による被害が見られなかった道上については、草刈りと桐の手入れを行いました。昨年から植栽している桐ですが、当時1年生の実生だった10株が今年の春から生育不良を起こしていました。そこで、「桐匠根津」の根津さんに指導をいただき、根株を残して一度切り、萌芽更新を行わせることにしました。10株中5株は既に枯れているような状態でしたが、残りの株については生きているようなので、来年の萌芽を期待したいところです。また、この時期は、タマゴタケとソバナが多く見られました。
豪雨によってどうなるかと思われた赤谷の日ですが、こうして無事開催できて良かったです。今回も皆さんお疲れ様でした。
報告者:いとうちゃん
これからもどんどん、赤谷プロジェクトの様々な取組を紹介していきます。
また、赤谷プロジェクトでは、サポーターを随時募集しています。http://www.nacsj.or.jp/akaya/sup_index.html
AKAYA(赤谷)プロジェクトホームページより