こんにちは森林官です!(佐久森林事務所)
上川北部森林管理署 佐久森林事務所 森林官 小林 和史

町の中心をとうとうと流れる天塩川
道北の森林と天塩川が育む中川町
上川北部森林管理署佐久森林事務所は、北海道北部の上川地方で最北部に位置する中川町にあり、共和・大和・奥板谷との合同森林事務所です。
中川町は人口約1,800人とやや少ないですが、町の中心には北海道で第2位の長さを誇る雄大な天塩川が南から北へと縦断し、その支流である安平志内(あべしない)川の流域には豊かな森林が広がっています。
町の東側にはパンケ山、ペンケ山が座しており、パンケ山山頂からはオホーツク海と日本海が望めます。
町の面積の約85%が森林で、酪農と林業が盛んな町です。

パンケ山
間伐材利用の治山ダム
2010年にあった集中豪雨の際に、中川町内誉地区において、道路を塞いでしまうほどの大量の土砂が沢から流出してきました。
土砂から人の生活空間を守るため、昨年、宗谷・留萌・上川北部流域で初となるトドマツの間伐材を利用した「校倉式治山ダム」を施工しました。
造林を行ってから長い期間が経ち、利用できる時期に入った人工林を維持するためには間伐が必要です。
このように木材を継続して利用していくことで間伐が進み、森林が健全に保たれます。

間伐材をたくさん使った校倉式治山ダム
豊かな生態系を育む森林】
天塩川・安平志内川流域には国の天然記念物で絶滅危惧種に指定されている国内最大の猛禽類オオワシ・オジロワシが、毎年十月頃越冬のためサハリンなどから飛来してきます。
特にオジロワシの一部の個体は夏の間繁殖も行うので中川町ではたまに見ることができます。オジロワシが繁殖するためには巣を作るための大木がある森と餌となる魚が多く生息する川が必要です。
人工林・天然林に関わらず、より良い森づくりをしていくことで、人間生活はもとより、いろいろな生き物たちの営みも守られます。
これからも微力ながら、豊かな生態系を育む森をつくる国有林管理をしていきたいと思います。

大空を舞うオオワシ
(2012年1月掲載)
佐久森林事務所
〒098-2626
中川郡中川町安川3
電話:01656-8-5321
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佐久合同森林事務所のメンバー
左から清田所員、小林首席森林官、窪田共和森林官、丸山さん
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