こんにちは森林官です!(濁川森林事務所)
檜山森林管理署 濁川森林事務所 森林官 中田亘

メークインの町、あっさぶ町
檜山森林管理署濁川森林事務所は、道南の檜山地方に位置する厚沢部町にあり、約7,400ヘクタールの国有林野を管理しています。
厚沢部町はメークイン発祥の地として有名で、毎年夏になるとお祭りがあり、厚沢部町産メークインをふんだんに使った巨大コロッケを作るのが恒例となっています。ちなみにこの巨大コロッケは世界一大きなコロッケと認定されました。
地林況調査
現在行っている主な作業は、現地の立地条件や森林の蓄積等を調べる地林況調査と呼ばれるものです。
森林には土砂災害防止や二酸化炭素吸収等の様々な機能が備わっていますが、どの機能を発揮させるにも長期的な視点が必要となります。
こうした森林のもつ多面的機能を発揮させ、それを将来にわたって持続していくために国有林野施業実施計画を策定するのですが、その計画の礎となるのが地林況調査です。地林況調査を数年後ごとに繰り返し、適切な森林の維持管理を行っていきます。
ヒグマの爪痕
これはトドマツにつけられたヒグマの爪痕です。この木の上を見上げても食べ物となりそうなツルがからまっている様子はなかったので、ただ遊んでいただけか、木登りの練習か、隣の木に上の方から飛び移るために登っていたのだと思われます。
左上の大きな爪痕は1年以上前につけられた成グマの爪痕であり、右下の小さなものは最近つけられた子グマのものと思われます。親グマが昔木登りをしていた木を覚えていて、自分の子どもにも同じ木で木登りの練習をさせたのかもしれません。
北海道全域に生息するヒグマですが、一説によると道南と道北と道東のヒグマではDNAが異なり、サイズ的にも道南のヒグマは若干小さいそうです。(それでも十分大きいですが…)
また、道南は知床に次いでヒグマの生息数が多く、山に入る前には爆竹を鳴らして人間の存在を知らせたり、クマ鈴を常に携行するなどクマに出会わない様に十分注意して作業しています。
これからの山づくり
近年ますます生物多様性の保全が求められていますが、山にもクマをはじめたくさんの動植物が暮らしています。
私たちが森林官として生物多様性を守るためにできることはたくさんあります。
生物多様性の観点から山づくりを考えるとき、資源豊かな天然林にばかり目を向けてしまいがちですが、人工林を利用する動物も多くいることを忘れずに、山全体を見つめて、様々な生き物にとって住みよい山づくりをしていきたいと思います。
(2012年1月掲載)
檜山森林管理署 濁川森林事務所
〒043-1351
檜山郡厚沢部町館町87-1
0139-66-2053
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鶉町・濁川・南館合同森林事務所の職員
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