ぬかびら源泉郷スキー場から糠平湖を望む

糠平森林事務所は、上士幌町ぬかびら源泉郷の約6800ヘクタールの国有林を管理しています。

管内にはダム湖である糠平湖やスキー場、国設野営場があり、周辺には旧国鉄士幌線のコンクリートアーチ橋梁群があることから多くの観光客で賑わいます。

管理面積の8割はぬかびら温泉風景林に指定されており、6月頃には糠平湖岸沿いの遊歩道で鮮やかな新緑と花々を楽しめます。

また、管内全域が大雪山国立公園に指定されており、エゾシカ、ヒグマ、クマゲラ等の様々な野生生物の生息地でもあります。

現在森林事務所では、森林の成長状況や周辺環境の様子を調べる調査を行っています。

人工林や天然林などの森林の区分ごとに木の太さと高さを測り、森林の成長状況を調べます。

この調査を基に、木が太って混み合っていたら間伐という間引き作業を行い、木が枯れて少なくなってしまったら新しく植え直したりします。

国有林内でもエゾシカ被害が深刻であることから、地林況調査と併せて、エゾシカ影響調査も行っています。

エゾシカに樹皮が食べられていないか、幹に角をこすりつけられた跡がないかなどを調べています。

糠平湖畔の森林でも、エゾシカの食痕や角こすりの跡が見つかりました。エゾシカはとても可愛いですが、木をいじめないでほしいものです。

国有林内のパトロールも常時行っています。

林道が崩れていないか、山火事や崖崩れなどが発生してないか、樹木が倒れていないかなどに気を配りながらパトロールしています。

野営場や遊歩道、ウペペサンケ山（1848m）の登山口につながる林道などは、観光客や地元の方に安心して利用していただけるよう、特に注意して枯木や倒木などの除去を行っています。

これからも湖と温泉街を美しく彩る森林づくりに励みますので、ぬかびら源泉郷にお越しの際には森の木々にも是非目を向けてくださいね。

ウペペサンケ山

（2011年6月掲載）