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黒松内森林事務所

2008年3月掲載 地域の支援と連携に感謝 黒松内森林事務所 首席森林官 松本 誠

ブナ北限域黒松内町

黒松内森林事務所は、ブナの分布北限域(黒松内低地帯)の真ん中に位置する黒松内町にあります。当町には国の天然記念物に指定され北海道遺産にもなっている歌才ブナ林や山腹を見事なブナ林が覆い多くの登山愛好家が訪れる黒松内岳、さらに鮎釣りの名所である清流、朱太川などがあります。
また、風力発電による売電益を活かし、森林保全・環境維持活動を民・官・学との協働による「風と森と海のまちづくり」をしている寿都町にある国有林も管轄しています。

  

ブナの森が取り持つ活動

北限のブナ林は、現象観察だけでは説明できない謎がたくさんあります。
これらを解明するため国、道、町の天然林、2次林、造林地などタイプの異なるブナ林について、生育状況を観察し、議論を深めるため平成17年から毎年「北限域ブナ林現地観察会」を開催しています。
今年度は、黒松内町丸山で数100年にわたって地域を見守ってきたブナ巨木「精二郎ブナ」とイタヤ大径木「イタヤの亀ちゃん」の直径・樹高測定、生育状況の観察やその周辺に分布するブナ天然林などの状況などを把握するため、地元住民や研究機関などと合同調査を行いました。
地域に埋もれた「森の情報」を掘り起こすため、寿都町、大学、研究調査機関と連携した森林探索や古老からの聞き取り調査を行い、寿都町国有林で(故)舘脇操北大教授が発見した北海道最北部に分布する「大和の沢ブナ林」の存在を約50年ぶりに確認しました。また、全道一太い「寿都ミズナラ巨木」や「樽岸夫婦オンコ」の発見など明るい話題を地元へ提供することが出来ました。

 

ブナの子育てのお手伝い

生態系の健全性と生物多様性に関心が高まるなか、黒松内岳周辺の無立木地などで地表処理を行い、ブナの生育環境を整え、その発育を手助けする官民協働の「黒松内岳ブナ林再生プロジェクト」が一昨年立ち上がりました。
また、昨年、社会的ニーズに応えて北海道森林管理局は「北限のブナ復元プロジェクト」を立ち上げ、厄介者である笹を処理しブナ林を増やす2つの活動が当地域で始まりました。

みんなの手でブナ林復元を

地球温暖化を危惧する中で、ブナ林のような森林資源を守り、次世代の子どもたちへ豊かな森林資源を引き継ぐため、北限域ブナ林に住む我々が取り組むこの活動は大変意義深いものがあると思います。
また、地域の方々、企業、周辺の各自治体や隣接する道有林、そして実験舞台となる国有林関係者、ならびに森林生態などの研究解明に取り組む大学、研究機関などが連携、協力をしてブナ林についての研究や保全・育成の取り組みが更に加速し、地球温暖化防止に僅かでも貢献できればと願っています。

 


地域を見守る巨木「精二郎ブナ」

ブナ林の復元作業地

子どもたちによるブナ林再生活動
こども版マイ・ブナ林づくり

ブナの大木と首席森林官

 

 

お問い合わせ先

後志森林管理署
黒松内森林事務所
寿都郡黒松内町黒松内407-21
電話0136-72-3115

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