こんにちは森林官です!(標茶・真竜森林事務所)
西別岳と釧路湿原のあるSL走る街
根釧西部森林管理署 標茶森林事務所 首席森林官 今野智之

西別岳からカムイヌプリ(摩周岳)と摩周湖を望む
はじめに
標茶森林事務所は標茶市街に位置し、北は西別岳(約800m)から南は釧路湿原の北側上流域までの弟子屈町、標茶町、厚岸町にまたがる国有林約16,700ヘクタールを管轄しています。
また、浜中町などにある国有林を管轄している真竜森林事務所は、当事務所と同じ建物内にあり、植栽後50年有余を経たカラマツ造林地のある約10,000ヘクタールの「パイロットフォレスト」( ※ )を擁しています。
※開拓のための火入れによる失火などから、原野化した広大な土地に昭和31年から約10年間カラマツを主体に植林した大規模造林地。

望楼から見た一大カラマツ人工林(厚岸町:真竜森林事務所部内)
森と水と湿原と
標茶町は良質の水に恵まれています。この水は、虹別(にじべつ)国有林を源流とする西別川最上流部の湧水を取水したもので、沈殿や濾過をせず消毒だけの処理しかしていないため、とてもおいしく感じられます。
また、厚岸湖に注ぐ別寒辺牛(べかんべうし)川流域にあるパイロットフォレストは、土砂流出を抑えて水質を整えるとともに、森からの養分を供給することにより、厚岸湖名産のカキ貝の生息環境の保全に寄与していると言われています。
また町内には温泉が多く湧出し、市街地に3ヵ所、町内全体で8ヵ所もあり、多くのみなさんが湯治・休養に訪れています。
また釧路湿原を囲むように設置された4ヶ所の展望台では、タンチョウが羽ばたく姿が見られ、湿原の中を走るJR釧網線でSLが運転される2月には特に多くのカメラマンが訪れます。

標茶駅にて。
同駅にはSLの転車台がないため、復路の釧路行きはSLがバック走行になります・・・
木材の持続的供給に向けて
標茶森林事務所部内の別寒辺台、雷別、虹別の各国有林において、今年度、50年生カラマツ人工林の間伐を集中的に行い、間伐材を約12,000立方メートル生産しました。
また、真竜森林事務所部内のパイロットフォレストでは、カラマツ資源の持続的・安定的な供給を目指し、昨年度、上木カラマツ・下木カラマツのいわゆる「カラ-カラ複層林」試験地を設定しました。今後、継続的な調査を行いながら下木カラマツの成長の推移を検証することとしています。

カラ-カラ複層林試験地でカラマツ人工林の成長量調査をする職員
地域との連携を深めるために
雷別国有林では、釧路湿原森林環境保全ふれあいセンターによる釧路湿原自然再生事業や市民参加型の森林ふれあいイベント、学校林活動支援などが行われており、当森林事務所でもふれあいセンターと一体となった活動を通じて、国有林管理がさらに地域に根ざしたものとなるよう努力しています。

標茶町立中茶安別(なかちゃんべつ)小中学校での学校林活動支援活動
(花炭を上手に作るため、炭焼き釜火力アップに奮闘中)
(2010年1月 掲載)

標茶森林事務所は真竜森林事務所と協力し、森林官2名、係員、基幹作業職員各1名の計4名で頑張っています。
(左から2番目が今野首席森林官、右端が重藤真竜森林官)
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根釧西部森林管理署
標茶・森林事務所
川上郡標茶町川上10丁目36
電話015-485-2077
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