こんにちは森林官です!(古丹別森林事務所)
川上から川下まで様々な表情を見せる苫前(とままえ)町の森林
私が勤務している古丹別森林事務所は、留萌地方中部に位置し、風力発電のとても盛んな苫前町にあります。
当森林事務所は三渓森林事務所、奥古丹森林事務所との合同森林事務所になっており、この3つの森林事務所で苫前町内の国有林、約31,000ヘクタールを守り育てています。管内の国有林は、日本海に面した田畑にある防風保安林から幌加内町との境となる霧立峠(きりたちとうげ)まで及んでおり、実に様々な表情を見せてくれています。

上小川(かみこがわ)ダムから古丹別の国有林を眺める
国有林の大部分は水源かん養保安林で、地域の暮らしを支え、田畑を潤す水源の森として大切に守られています。山に降った雨水や雪解け水は、ゆっくりと河川を通じて下流へ流れ出すことで洪水や渇水を防いでいます。
一方、古丹別上流域の国有林では、アンモナイトなどの良好な化石が産出されることから、各大学をはじめ多くの研究機関により、地質や化石の調査が行われています。私たちは、安全に調査を進めていただくため、これらの方々に林道やヒグマの情報などを必ず伝えるよう心掛けています。
なお、化石の調査や採取には許可が必要となっていますので、その際は必ず苫前町教育委員会に問い合わせていただくと共に、留萌南部森林管理署への入林申請をお願いします。

化石標本いろいろ
また、森林事務所は毎年春と秋に苫前小学校、古丹別小学校の2校と連携し、森林とふれあう中から、その大切さなどを子どもたちに学んでもらうために「森林教室」を行っています。
留萌南部森林管理署が提供している「遊々の森」をフィールドに、昨年は樹木当てクイズ、ブドウつるとクルミの苗木の手入れ、落ち葉などを使った万華鏡づくりなどを行いました。次回はどのような題材を提供しようかと、今からいろいろ頭を巡らせています。
オニグルミの苗木の手入れと樹木当てクイズをしています
今、私の事務所では、ゾンメルスキーという斜面を登るためのスキーを履いて、植林地が現在どのような状態になっているのかを調査・確認する作業をしています。このスキーは裏にアザラシなどの毛皮が貼られた特殊なものですが、北海道内の森林管理署では広く用いられているものです。
そろそろ、山の雪解けが始まり、小川が顔を出したり、雪崩が発生している所も現れ始めましたが、職員一同災害を起こさぬよう注意を払いながら毎日の調査にあたっています。
まだまだ朝晩は冷え込みますが、これから一層雪解けが進み、そして山菜シーズンが到来します。同時に山火事危険期に入ることから森林パトロールなどによる啓発をしていかなければなりません。
職員一同、そして地域の皆さんと手を取り合って緑豊かな苫前町の森林を守り、育てていきたいと考えています。

ゾンメルスキーを履いての森林調査がんばっています
これがゾンメルスキーです
(2010年3月 掲載)
留萌南部森林管理署
古丹別森林事務所
苫前郡苫前町字古丹別1011番地
電話0164-65-4349
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畠中 首席森林官(向かって右側)
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