枝幸森林事務所

2006年11月掲載 北緯45度の森林事務所から 枝幸森林事務所 首席森林官 渡邊 博司

北緯四十五度、オホーツク海に面し夏は「美味しい毛がに」と冬は「壮大な流氷のパノラマ」で知られる枝幸町。人口約九、八〇〇人のこの町に所在する、海の見える「枝幸・音標（おとしべ）合同森林事務所」に来て早七カ月が過ぎました。

枝幸森林事務所の部内概要は、宗谷支庁全域を管轄する宗谷森林管理署の南部に位置し、管理面積は約四、七〇〇ヘクタールと少ないですが、その多くが水源かん養保安林・保健保安林・土砂流出防備保安林に指定されており、各々の目的を
担っているところです。

現在、平成十六年九月八日の台風十八号による被害で、多くの単層林造林地が風倒被害にあっており、昨年から被害跡地の森林整備を実施しています。
台風被害の教訓から、宗谷署として独自に一樹種の単層林から針広混交林をめざした植栽を実施しており、今年は二十八ヘクタールを実施しました。

今年九月五日（火曜日）には、枝幸漁業協同組合と宗谷森林管理署との間で、「漁業協同組合の清流を守り豊かな海を育むための森林づくり活動の推進に関する協定」を結びました。
また、植樹に長い歴史をもつ枝幸漁業協同組合女性部による植樹祭「お魚を殖やす森づくり」も今年で十九回目を数え、十月十三日（金曜日）にヤチダモ（五〇〇本）を植栽し、目的の一翼を担ったところです。

今後も、かつて枝幸営林署があった場所の森林事務所として、地域から信頼される森林事務所をモットーに、多目的に即応できるように地域に根ざした「国民の森林（やま）」づくりに専念していきたいと考えています。

三笠山展望台から 枝幸町市街とオホーツク海	台風倒木被害跡地の森林整備
右側が渡邊首席森林官