こんにちは森林官です!(浜頓別森林事務所)
コハクチョウが飛来する町-浜頓別町
浜頓別森林事務所は、日本最北の地・稚内市からオホ-ツク海側を約90km南下した浜頓別町にあります。
同町は、「白鳥の町」として有名で、渡り鳥の重要な中継地である「クッチャロ湖」とその周辺は、水鳥の生息地を保全するラムサ-ル条約湿地として日本で3番目に登録されています。
日本で3番目にラムサ-ル条約湿地に登録されたクッチャロ湖
日本最北のラムサ-ル条約湿地・道北最大の湖であるクッチャロ湖は、周囲27kmの海跡湖(かいせきこ)で、大沼と小沼の2つの沼が細い水路によってつながっています。
平均水深1.5mと浅く標高も低いため、約3km離れたオホ-ツク海の海水が満潮になると入り込みます。
日本とロシアを渡る水鳥たちの重要な中継地で、春と秋の渡りの季節には、数千羽のコハクチョウと数万羽のカモ類が観察できます。
このクッチャロ湖の上流は、私たちが管理する国有林で、特定動物生息地保護林に指定されています。
この保護林は、クッチャロ湖・ポン沼にまたがるもので、コハクチョウをはじめとするシベリア方面から渡り鳥の中継地として、また、湿地を含む周りの森林は水鳥・野鳥などの生息・繁殖地となっていることから、生息地を保護するために設定したものです。
森林事務所ではこの大切な生息環境が守られるようパトロールを行うとともに、この森のにかつて植林された木々の成長を見守っています。
なお、「ポン沼」の周りには遊歩道を整備しており、木道等を歩きながらゆっくり森林を散策できるコ-スとなっています。
平成20年度には、この森林で「人と地球のつきあい方~自然保護と利用~」をテーマに東京や名古屋周辺の19大学から約100名が参加し「クッチャロ湖学生環境サミット」開催されました。
浜頓別町の南側・枝幸町との境、神威(かむい)岬(国有林)は、アイヌ語地名では「カムイ・エトゥ」(神の岬・突端)と呼ばれ、アイヌの人々にとってカムイ(神)の宿る神聖な場所であり、今年2月に文部科学大臣からアイヌ文化に関連する国指定名勝ピリカノカ(アイヌ語で「美しい・形」を意味)の指定を受けました。
今後、アイヌ文化に関連する景勝地としても脚光を浴びることになりそうです。

今年2月に国指定名勝ピリカノカに指定された「神威岬」
海岸沿いの国有林には「ベニヤ原生花園」があり、5月中旬から9月中旬にかけて100種以上の花々が咲き乱れる自然公園となっています。
木道なども整備されていることから、これからの花咲く季節には、ぜひ立ち寄っていただき、オホーツクの青い海と可憐な花々の織りなす風景を体感してもらえればと思っています。
現在、私たちは、残雪の上をスノーモビルで走り、さらにスキー、かんじきで奥地の山へ入り、その森林にどのような木々がどれだけ育っているかなどを調べる「林況調査」を行っています。
この調査結果はその森林を今後どのように育てて行くかなどを計画、判断するためのデータとして活用するものです。そのため、森林の状況を正確、詳細に把握し、より良い森林づくりへつなげていけるよう、雪融けと競争しながら調査を進めています。
今後も浜頓別の国有林をより大きく育てていけるよう森林事務所の職員一同頑張っていきますので、みなさんのご理解とご協力をよろしくお願いします。
(2010年4月 掲載)
宗谷森林管理署
浜頓別森林事務所
枝幸郡浜頓別町北3条4丁目
電話01634-2-3564
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森浜頓別森林事務所の精鋭スタッフ
(後列中央が石原首席森林官)
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