こんにちは森林官です!(京極森林事務所)
後志森林管理署 京極森林事務所 森林官 安田 麻美
名水の町にひっそりと佇む京極国有林

国有林から羊蹄山を望む
後志森林管理署京極森林事務所は、札幌から南西約80kmに位置し、約8400ヘクタールの国有林を管理しています。
事務所の目の前にある羊蹄山は国有林ではありませんが、道の駅「ふきだし公園」は羊蹄山からの湧水が1日に約8万トン(約30万人の生活用水)湧き出ていて、多くの人で賑わっています。
国有林の中に水力発電所を建設中

ほくでん工事現場
現在、国有林の中に電力会社が水力発電所を建設中で、平成27年の稼働開始を目指して24時間工事を進めています。この発電所は、余剰電力で夜間に水をくみ上げて上部調整池から下部調整池までの落差を利用して、昼に水を流して発電する仕組みです。
自然エネルギー発電の需要が高まっている今、大規模な施設は山の中に作らざるを得ない状況があると思います。山を切り開くのは抵抗がないわけではありませんが、必要な手続きを取ってもらい公共の利益になる場所を提供する必要もあると考えています。
また、この工事の為、一般の人は京極の山に入ることができないことになっています。
樹木の生育が難しい豪雪地帯、そして湿原!
担当区内は、ほとんどが天然林で人工林は320ヘクタールほどしかありません。
トドマツ・カラマツなどの造林木は30年生~60年生で、間伐の時期を迎えているのですが、人工林として成林している箇所は少なく、ダケカンバなどの広葉樹が増えています。
国有林では、森林の持っている国土の保全や水資源のかん養、環境の保全などさまざまな機能を大きく3つに分けて、森林がその機能を充分に発揮できるように管理していますが、京極森林事務所の森林は、約6割が「森林と人との共生林」です。

京極の林木遺伝資源保存林
その中には、植物群落保護林に指定されている京極湿原があります。
この湿原は、イワイチョウ群落によって特徴づけられるもので、起源約1万3000年前、北海道では最古の高地湿原(雨水のみで維持されている貧栄養な湿原)と言われています。
また大規模なイワイチョウ群落としては道内でも大変貴重な湿原です。京極部内でも一番の見所ではないかと思っています。将来京極の山が開放されることになれば、ぜひ多くの人に見に来てもらいたいです。

イワイチョウ群落6月開花前
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イワイチョウ7月開花
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ゼンテイカ7月
(2011年9月掲載)
後志森林管理署 京極森林事務所
〒044-0101
虻田郡京極町京極456
電話 0136-42-2104
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