2013年10月
2013年10月28日(月)
今年の秋景色は…
今年はどうも今一歩さえなかった利根沼田の紅葉です。
皆の話では、あの台風がいけなかった… ああ葉っぱを揺すぶられちまってはねえ との理由らしいのですが…。
そんな紅葉ですが、それでも職員が幾つか秋景色を届けてくれました。各地の今年の秋模様を駆け足で巡ってみます。


秋色は まず草本から 玉原湿原 巻機山(中越署)
やがて高山帯の峰々に色が付き始め…(奥只見 荒沢岳) 
鮮やかな色合いが一気に山腹を駆け下りていきます (奥利根)

里もめっきり秋らしい空になると
夕暮れもどんどん早く…
(昭和村付近から子持山)


山々の紅葉は
最盛期を迎え …
赤谷林道から小出俣山
赤城山の紅葉
黄色く染まったブナの葉が落ち出すと、冷え込みもきつくなって、現地へ向かうのも防寒対策がかかせなくなってきます (玉原ブナ林)

カンバの木々が枝をさらすように山々は冬枯れ模様に(赤城山)

いよいよ山は雪の季節ですね(谷川連峰)
(署内各担当)
topへ戻る
2013年10月19日(土)
 初雪
台風26号の去った週末。台風一過の秋晴れを期待したのですが、どうやら山々に強い寒気が入った模様…。今週末は 思いもよらず 今シーズンの初雪を踏む山となりました。
晴れを想定しての登山計画だったので、これは予想外。 …とはいえ、雪は山頂付近にうっすらと積もる程度でしたので、ホンの一瞬ザクザクという感触を楽しむ程度でしたが…。

山頂からは稜線を白く、また深い沢筋には未だに昨年からの雪渓を残す新雪・旧雪の中の岳が大きく見えました。
いよいよ高山帯は冬近し。戻ったら冬の装備を押し入れから出して見なければ… ですね。
(中澤署長)
topへ戻る
2013年10月6日(日曜日)
武尊 秋色(GSSレポート 第8~10回)
先日本州を直撃した台風18号は夏も運び去っていったのでしょうか。ついこの間までが嘘のように、すっかり涼しくなりました。一週ごとに秋が深まっています。
各地に被害をもたらした、例の台風18号。ここ武尊周辺にも、ありがたくない置きみやげをたくさん残してくれました。
3馬力?いや3人力で道脇へよけられる、小さな落枝などはまだよい方。倒れて道を塞ぐもの、中断から折れ伏したもの、根返りしたもの…。大きな倒木は、我々GSSの手作業ではとても手に負えません。危険表示となるようテープを巻いておきました。通行時には「触れず!」「くぐらず!」「すみやかに!」をくれぐれもお願いいたします。 風にへし折られたカンバ

うんとこしょ ドッコイショ…… これはもうお手上げですワイ… 頭上にはくれぐれも御注意を!


22日に出かけた武尊山の尾根筋(写真右上)は、いつの間にか明るい色が混ざり始めていました。
そして翌週は玉原高原へ。澄んだ秋空を映す玉原湖がいい色をさせていますね(写真左)。これで周囲が鮮やかに染まったら、さぞや美しい景色となることでしょう。青空と日の光の役割は重要です。玉原湿原は一足早く、草もみじ(写真右下)。黄色くなった湿原を見渡すと、いよいよ今年も秋がやってきたと感じます。
もみじと言えば、もみじという漢字の書き方には「紅葉」と「黄葉」があるとご存じでしたか?「紅葉」ばかりが使われるような気がしますが、確かにこれが公平というもの。急激な冷え込み、地中水分の減少、直射日光(紫外線)の強さなどの自然条件により、葉緑素の緑色が抜けた葉に赤はアントシアン、黄色はカロチノイドという色素が生成されて葉の色が変わるのだとか。訪れる度に色合いが変わるこの時期は、毎週の巡視が楽しみです。
さて、歩いていると真っ赤に色づいたほうのきを発見。
あら、ずいぶんきれいな紅葉ね~。
…えっ?
真っ赤?ほうのきが??
近づいてみると…ほうのきの葉に見えたのは、実はツタウルシ。
堂々とまるで1本の木の葉であるかのように上手に絡んでいました。
危なく誤魔化されるところでした。
紅葉しているのはツタウルシ
上ばかりを眺めていずに、秋は足元にも注意を向けましょう。今年は特に数々の秋の恵み出会えますよ。
夏の終わりにまとまった雨が降った利根沼田。今年豊作なのは、どうやらブナの実だけではないようです。道脇にも、 枯れ木にも、木の根にも、とにかくあちこちにキノコがた~くさん!!
待っていました!食欲の秋。さぁキノコ狩り!!といきたいところですが、仕事中なので観察に専念します。
まずさっそく現れたのは、ベニテング。赤地に白の水玉模様…ん?マリオがパワーアップするあのキノコにそっくり。有毒菌で、重い中毒症状では幻覚が見えるとか。毒抜きをして安全に食べている地域もあるそうですが、何とも毒々しい雰囲気。勇気ある人たちだと思います。

ムラサキシメジ かたや美味そうですが…
色合いはどう見ても毒キノコ? 本物の毒キノコ ツキヨタケ
ひだも断面も紫一色。怪しい気配を醸し出しているのは、ムラサキシメジ。 こちらは加熱して食べるなら大丈夫なよう。お!うまそうなヒラタケ?おっと危ない、これはツキヨタケ。肉厚でおいしそうに見えますが、色が地味だからと騙されてはいけませんよ。日本での毒キノコ中毒の半数以上が、このツキヨタケによるという説も。名前の通り、薄暗くなると青白から蛍光緑色にぼーっと光ります。
  
左からサクラシメジ?、ハナイグチ、ナメコ、ブナハリダケ いずれも食用となっています
そのほかサクラシメジ(?)、ハナイグチ、ブナハリダケ、ナメコを発見。(このあたりは食用にできるキノコです。)ナメコは比較的わかりやすい方なのですが…、それでも全般に素人には見分けができず、手が出しづらいキノコ。自信のない方は、むやみに採りまくってはいけませんよ。
いや それにしてもわずかの間に何種類ものキノコを見つけることができました。今年は豊作!のうわさはほんものですね。(今度は…個人で来るかな?)
さあ GSS業務も紅葉・黄葉の移り変わりとともに今年も終了です。 また花の季節にでもお目にかかりましょう。
(武尊GSS)
topへ戻る
2013年10月1日(火曜日)
奥利根虫害ミニ調査隊?
「矢木沢ダムサイトから見る奥山が真っ赤に見えます。どうやらブナらしい。」との報告が地元森林官から寄せられたのが7月のことでした。また虫害発生だ…。
どうもこの2~3年、夏場になるとどこかで何かの樹木が被害をうけるようになってきています。昨年がミズナラ、ケヤキ、ブナ、カラマツ。今年はミズナラ、ハンノキに続いて奥利根のブナへ来たようです。実は当地では昨年も少し被害が出ていたようなのですが、とにかく矢木沢ダムの奥では駆けつける道路がなく、結局原因をつきとめることができなかったのです。今年は奈良俣ダムの奥山、宝川温泉の上流部でも類似の被害が広がっている様子。道路も歩道もなくともこれは何とか原因をはっきりさせておかねばならぬ!と林業試験場とも協力して現地調査に向かいました。
目的地は矢木沢ダムの奥、西山(1,594m)周辺。ダム湖の脇を歩いていては何日かかるかわかりませんので、今回はダムを管理する水資源機構所有のボートに乗せていただき、西山の麓まで運んでいただきました。
  
いざ西山!! 3~4mの滝をいくつも越え… だが…目的地は遙か遠い
さすがにボートは速い!わずか10分ほどで西山から入る幽の沢へ。ここからは歩いて上部を目指しますが、もちろん山道などあるわけもなく沢筋に登路を求めます。ほとんど探検隊の気分?
ここ奥利根は、明治の頃から水源探索、貴重な自然環境調査などを目的とした「奥利根水源探検隊」「奥利根学術調査隊」が何次にも渡って入ったところです。きっと調査隊の皆さん方も新しい発見や未知の知見を求めて勇躍して奥利根の山谷に分け入ったことでしょう。ちょっとだけそんな興奮を味わいながら、さらに支流であるカワゴ沢を登ること約2時間半…ようやく目的地に到着!!ふーっっ。

ようやく現地到着… ブナの枝には葉っぱがありません
標高約1,150m地点から調査開始です。見上げるブナの樹は、枝に葉が全く付いていない様子ですが、どうやら木ごと枯れている訳ではなさそうです。探検?…いやいや調査の季節が遅かったせいもあり、ブナの葉の大量捕食者を直接目にすることはできませんでしたが、幼虫1匹、さなぎの抜け殻2個、糞を採取することができました。 
後日、林業試験場の鑑定結果から「ブナアオシャチホコ」という蛾の幼虫による食害だと判明。被害が目立つのは8月上~中旬頃までで、ブナが枯死することはないとわかったので、こちらもまずは一安心です。
ブナアオシャチホコが大発生すると、「クロカタビロオサムシ」や「サナギタケ」という天敵も発生し、被害は2~3年で終息するようなので、引き続き経過を観察することとなりました。
そしてこの被害は、標高の低いブナ林ではあまり発生しない模様。
…どおりで今回はだいぶ登ったわけだ。
今年は例年よりも雨が少なく、夏が暑かったせいなのか、病害虫による被害のスケールが大きいように感じています。自然界における虫大発生のサイクルが、たまたま重なっただけなのでしょうか?
水源虫害調査隊(!?)、今年はもう出動要請がないことを願います。
(署 森林整備官(森林育成担当))
上写真 ブナアオシャチホコのさなぎ
下写真 同じく糞です
+先月の記事へ+
|