当センターが本年度に知床で設置した囲いワナでは、3月19日現在において計77頭のエゾシカを捕獲しています。下の写真は捕獲されたエゾシカの様子です。

捕獲されたエゾシカは、養鹿施設に搬出するまでの間、人の手によって一時的に仕切り部屋に移動させます。ここでは、エゾシカを仕切り部屋まで円滑に移動させるため、下の写真のように囲いワナの搬出側先端部を明るくします。これは、エゾシカに囲いワナから逃げられると錯覚させるためです。

なお、この作業はオスから優先的に行います。理由は、オスが捕獲時に興奮してメスを角で殺すことで生体捕獲に支障がでるからです。下の写真は、仕分け作業を行っている様子です。この後、無事にエゾシカを養鹿施設に搬出することができました。

本事業は、知床半島において高密度に生息するエゾシカの森林被害等の採食圧低減を目的として実施されました。今後も、囲いワナによるエゾシカ生体捕獲等を実施し、個体数調整を図るとともに、捕獲の効果やエゾシカの生息状況を把握することにより、次年度以降の捕獲計画に役立てればと考えております。
(正月公志)