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特命森林調査隊モリサー

 こちら特命森林調査隊「モリサー」                               

「特命森林調査隊」(愛称=モリサー)は、森林に係る専門的な知識と調査技術の一層の向上を図るため、北海道森林管理局が管理している技術開発試験地等を活用し、実際に森林内における各種調査を行いながら、職員自ら国民の森林である国有林をどのようにすべきかを考え、森林調査の技術向上を目指しています。

北海道内各森林管理署等から登録があった若手職員主体で構成され、国立研究開発法人森林総合研究所北海道支所、林木育種センター北海道育種場などの研究機関のご協力をいただきながら、自己研鑽のための汗を流しています。

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 「シードトラップの設置」 (8月25日)

8月25日、上川南部森林管理署幾寅国有林(南富良野町)の生産と造林の一貫作業地の伐採跡地にて、
シードトラップの設置を実施しました。

調査地は、誘導伐(帯状の皆伐)跡地で、その後に天然更新を期待して大型機械による地がきを行った箇所があり、現時点で植生はほぼありません。
周囲にはトドマツやカラマツといった針葉樹、カンバ類などの広葉樹が生育しているので、それらの樹木(母樹)から飛来する種子を捕捉し、その種子の量を調べることが今回の調査の目的です。

母樹となりうる樹木の位置は、樹種、樹高や胸高といった情報ともに、森林総合研究所北海道支所によって事前にGPSで地図上に標示されていました。

調査で使用するシードトラップは、種子が地面に落ちてくるところを捕らえる網のようなものです。

これを3本の支柱でなるべく水平になるよう設置します。
作業場所は歩きやすいところで、3~4人で進めることが出来たので作業は思っていたよりも楽でしたが、見ただけでは何もないところでも地面の下にはまだ木や笹の根が残っているところもあり、そこに支柱を立てようとするとなかなか刺さらず苦労しました。

 

支柱を立てる様子

支柱を立てます。

 

網を取り付ける様子

網を取り付けます。

 

設置完了の様子

設置完了!

 

シードトラップは、試験地に格子状にプロットされた2×2メートルの更新調査地の下方に、全部で18個を設置しました。

トラップを設置した場所

赤い線が横列、○がトラップです

 

 

今回は、調査の準備ということで、シードトラップの設置まででした。

種子がどれだけ飛んで来るかが分かれば、天然更新施業の目安のための基礎資料になることが期待されます。

 

 

 

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 「大型機械による地がき作業地での土壌断面調査」 (8月25~27日)

上川南部森林管理署の幾寅担当区内(南富良野町)において、
大型機械による地がき施業後の土壌断面形態の変化を明らかにするため、
森林総合研究所北海道支所による土壌断面調査が実施されました。


現地は伐開幅40メートルの誘導伐(帯状の皆伐)を実施した後、刈幅5メートル・残幅5メートルの筋状の地がきを実施したところで、刈幅と残幅の境界部分に、幅2メートル、その直角方向に約50センチメートル、深さ約60センチメートルの穴を掘って土壌断面を作成し、断面の観察と試料採取が行われました。

 

 

1日目はまず現地をくまなく歩き、土壌断面を作成する箇所を選定。
その後は鍬とスコップを使って、ただ黙々と粗堀りをしました。

スコップで粗掘りをしている様子

スコップで粗掘りしている様子

 

森林総合研究所北海道支所の方3名と、森林調査隊4名により、合計5箇所の土壌断面を作成しましたが、日差しの強い日中の作業で大変でした。
「腰が痛い・・・」「そろそろ交代しましょうか」と、お互い気遣いながら作業を進めました。
それでも想定していたよりも時間を要しなかったようです。

土壌断面の作成方法は、森林総合研究所のホームページにも掲載されています。

 

粗堀りが終わった土壌断面です。
ポールの中心から右側が地がきをした刈幅、左側が地がきをしていない残幅になります。

粗掘りした土壌断面

粗掘りした土壌断面

 

 

2日目は、粗堀りした土壌断面をスコップで丁寧に整形しました。
根などは場合によっては剪定ばさみで切り取ります。

整形した土壌断面

整形した土壌断面

 

完成した観察面の写真を撮影し、その後、土壌の各層を詳しく観察します。
山中式土壌硬度計により、各層の堅密度を測定しています。

堅密度の測定の様子

堅密度の測定

 

山中式土壌硬度計

山中式土壌硬度計

 

各層位の中で最も代表的な色調の部分を、土色帖の色片と対比させて調べます。

土色の調査の様子

土色の調査

土色帖

土色帖

 

この他、石礫の状態や量、水質状態や根の分布状況などを細かく調査します。

 

土壌の一部も試料として採取し、研究室においてさらに細かい分析を行うとのことです。
どのような結果が出るのか、興味深いところです。

 

森林調査隊としては最終日の調査まで同行することができず残念でしたが、通常の業務ではこのように穴を掘って、土壌の断面を詳しく観察することはありませんので、大変貴重な経験をさせて頂きました。

調査中、私たち森林調査隊に観察方法やその時点での考察をわかりやすくご説明頂き、森林総合研究所北海道支所の皆様には大変お世話になりました。
ありがとうございました。

 

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森林整備部技術普及課
担当者:企画官(技術開発)
ダイヤルイン:050-3160-6285
FAX:011-614-2654

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