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特命森林調査隊モリサー

 こちら特命森林調査隊「モリサー」                               

「特命森林調査隊」(愛称=モリサー)は、森林に係る専門的な知識と調査技術の一層の向上を図るため、北海道森林管理局が管理している技術開発試験地等を活用し、実際に森林内における各種調査を行いながら、職員自ら国民の森林である国有林をどのようにすべきかを考え、森林調査の技術向上を目指しています。

北海道内各森林管理署等から登録があった若手職員主体で構成され、国立研究開発法人森林総合研究所北海道支所、林木育種センター北海道育種場などの研究機関のご協力をいただきながら、自己研鑽のための汗を流しています。

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 「大型機械による地がき施業地での流量観測及び濁水調査」(南富良野町)
(7月23・30日、8月3・6日)

上川南部森林管理署の幾寅担当区内(南富良野町)において、地がき(じがき:ササなどをはぎ取り地表を露出させる作業)施業による地表面のかく乱と渓流への土砂流出量の関係を明らかにすることを目的に、流量観測及び濁水調査機器を設置しました。

当該地では今年度、幅約40メートルの伐採を行い、その伐採跡地に大型機械による地がきをして植付等を行っています。

このうち、大型機械による地がき施業によって露出した土壌が、その周辺の渓流環境に与える影響を調べます。

 

地がき後の施業地

地がき後の施業地全体の状況です。

 

 

【7月23日】


初日はコンテナボックス(貯水槽)設置と、土嚢(どのう)作りに終始しました。

土嚢作りは初めてだという職員もおり、苦戦しながらも30~40個ほどの土嚢を作りました。

土のう作り作業の様子

コンテナボックスと止水版

コンテナボックスの周囲を固定するための
土嚢(どのう)作り作業の様子です。

コンテナボックスと止水板を設置しました。

ニホンザリガニ

調査地にはニホンザリガニがいました。
沢が綺麗な状態だということがわかります。

 

 

【7月30日】

 

2日目は、前回のコンテナボックスに濁度計と流量計を取り付ける作業を行いました。

どんなデータがとれるか楽しみです。

流量計

濁度を記録する機器

画像の円筒状のものが流量計です。

濁度を記録する機器です。

機械とバッテリーの保護の様子

設置完了の様子

機械とその電源となるバッテリーは水に濡れないように
ケースと袋で何重にもして保護します。

設置完了です。

 

 

【8月3日】

 

3日目は、前回設置した濁度計と流量計のデータ回収と自動採水機の仮設置を行いました。

今回は雨量計が設置出来なかったため、自動採水機が本格的に稼働できるのは次回以降となりました。

自動採水機の設置場所を決定し、試運転を行ったところ、勢いよく採水されていく様子が見られました。

 

自動採水機

雨量計

自動採水機です。
雨量計で毎時5ミリメートル以上の雨が観測されたら、
1時間ごとに700ミリリットルを採水し、それを24回、
1日分の水を自動で採水します。

雨量計です。
雨が降ると、「ししおどし」のような部品が雨水に反応し、
雨量を測ることが出来ます。

採水機が水を吸い上げている様子

採水機が水を吸い上げ、水面を揺らしています。

 

 

次に濁度計と流量計のデータを採取しました。今後もデータ回収を行い、調査を続けます。

 

パソコンでデータ取り込む様子

パソコンでデータを取り込みます。

 

 

【8月6日】

 

これが最後の作業になります。

この日は雨量計の設置を行いました。

雨量計と採水機をコードで繋ぎます。コードをネズミ等の動物がかじってしまうことがあるため、地面を這わせない工夫が必要です。

雨量計を設置したので、採水機の稼働ができるようになりました。

 

雨量計を設置する様子

木の枝を使って、簡易的な土台を作り、 地面にコードがつかないようにします。
手前にある、黒い筒状の物と白い筒状の物が雨量計です。

 


次に土砂受け箱の設置を行いました。

地がき箇所の斜面下部に土砂受け箱を並べ、流れてくる土砂を受け止めることにより、移動する土砂量を測定します。

土砂受け箱

土砂受け箱です。
箱を杭で固定し、寒冷紗(かんれいしゃ…織り目の粗い薄地の布)を使って
土砂を 受け止めます。

 

 

 

合わせて4日間、延べ12名の特命森林調査隊が参加し、作業しました。

初めて見る機械や道具に、「おおっ」と声があがることも多々ありました。

職員からは

  • 「こういった地道な調査が環境への負荷を軽減した施業へとつながる」
  • 「貴重な体験になった。今後もぜひ調査に参加したい」

といった感想がありました。

 

この経験を日頃の業務にも生かしていけるよう、努力していきます。

 

森林総合研究所北海道支所の方々

ご指導していただいた森林総合研究所北海道 支所の方々、ありがとうございました。

 

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  国有採種園における着果調査(由仁町・栗山町)(7月1日実施)

空知森林管理署管内の由仁採種園(由仁町)及び築別採種園(栗山町)において、
北海道森林管理局技術普及課2名、
留萌南部森林管理署4名
及び森林総合研究所 林木育種センター 北海道育種場4名で、採種園着果調査を実施しました。

 

この調査は、遺伝的に優れた種子を安定的に供給するため、種苗生産者等への豊凶情報の提供を行うことを目的として実施しています。

 

調査方法は、アカエゾマツ・トドマツの着果観察木各40本の状況を5段階評価(注)により判定します。
観察対象は、後に球果となる「雌花」であり、花粉の元となる「雄花」は対象外となります。
判定は双眼鏡・単眼鏡を用いて樹冠全体の、頭頂部(梢端)から1/2の範囲を観察します。

(注)「評価5」→「豊作」「評価4」→「並上」「評価3」→「並作」「評価2」→「並下」「評価1」→「凶作」

 

昨年度の平均評価値は、由仁採種園が1.55とギリギリ「並下」、築別採種園は3.25と「並」の判定で全道的にみても着花が良好な年であり、豊作の次年度は凶作の可能性が高いと事前に話がありましたが、現地の状況はどうでしょうか。

 

今回参加した留萌南部森林管理署の4名は全員着果調査未経験のため、目合わせが必要です。
「評価1」については「ひとつも着花がみられない状態」なので判断しやすいですが、「評価2」及び「評価3」については個人差が出やすいので、判定がばらつかないために事前の目合わせを行ってから着果調査を開始しました。

 

 

事前の打合せの様子 目合わせの様子

事前の打合せの様子です。

目合わせが一番大切です。

 

由仁採種園は広葉樹の侵入が多く、枝葉に視界が遮られ、樹冠の頭頂部(梢端)がみえるポイントを探すのに苦戦しました。

 

雌花を探し見上げている様子

広葉樹の枝葉が調査の支障になっています。「雌花はどこだ~。」

 

築別採種園は道路沿いのため、気持ちよく作業できました。しかし見上げる姿勢が長かったため終わった頃には首が…

 

調査の様子

さえぎる枝葉もなく、視界良好です。

 

参加者からは、

  • 「由仁採種園では観察木の周囲に広葉樹が多く、非常に判定しづらい状況だったので、一方向からだけではなく、いろんな角度から見て判定するように心がけました。今後もホームページ等で調査結果を確認していきたいと思います。」
  • 「今までは、樹木の樹皮や胸高直径、樹下の天然更新等、足元ばかりみていましたが、今後は樹木全体をみて森林踏査していきたいと思います。」
  • 「しっかりと着果状況を判定できるよう、現場に出た際に目慣らしをしたいと思いました。」

等の感想が述べられました。

 

調査結果をみてみると、由仁採種園は1.88と昨年度とほとんど変化がありませんでしたが、築別採種園は1.78と昨年度よりも大幅に減少し予想通りの結果となりました。

「評価5」がみたかったぁ…。

トドマツ・カラマツの豊凶周期については、まだ解明されておりません。
豊凶周期が明らかになれば、種子を安定的に供給することができるほか、間伐後等の天然更新の技術向上に繋がっていくと思われます。
森林育成の幅が膨らんでいくよう調査を継続していきたいと思います。


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森林整備部技術普及課
担当者:企画官(技術開発)
ダイヤルイン:050-3160-6285
FAX:011-614-2654

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