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2014年6月のミッション「特命森林調査隊」(愛称=モリサー)は、森林に係る専門的な知識と調査技術の一層の向上を図るため、北海道森林管理局が管理している技術開発試験地等を活用し、実際に森林内における各種調査を行いながら、職員自ら国民の森林である国有林をどのようにすべきかを考え、森林調査の技術向上を目指しています。 北海道内各森林管理署等から登録があった若手職員主体で構成され、独立行政法人森林総合研究所北海道支所、林木育種センター北海道育種場などの研究機関のご協力をいただきながら、自己研鑽のための汗を流しています。
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「採種園着果調査コンプリート^^v」(栗山町・由仁町)(6月30日)空知森林管理署管内の栗山町にある「築別採種園」及び由仁町にある「由仁採種園」において、着果調査を同署の若手隊員と森林総合研究所 林木育種センター 北海道育種場の職員とともに実施しました。
築別においてはトドマツ、由仁においてはアカエゾマツを対象に調査しました。 特に由仁採種園においては、広葉樹が侵入している林内での調査となり、その枝葉に視界が遮られ、樹木の先端部を捜すのも一苦労で、双眼鏡を覗きながら思いっきり見上げる形で調査しました。 首がヽ(+∇+)ノ イタイ
道路沿いの調査は見やすい(^.^)>
採種園には目的等を表示した看板が立っています。
今回参加した隊員は、全員、着果調査が初めての経験。 全員で目慣らしをして、しっかりと着果状況を判定。
「これからも着果状況を気にして見ていきます」 「今後の樹高計測の際には着果状況が自然と気になってしまいそうです」 「赤いアカエゾマツの雌花を見てみたいので、現場に行く機会があれば探してみようと思います」
などの感想が聞かれるなど、樹木に対する新たな視点が加わり、貴重な体験となったようでした。 これで今年の採種園着果調査のノルマは達成。 ミッション・コンプリート^^v
「発足採種園の着花(果)調査」(共和町)(6月26日)後志森林管理署 共和森林事務所部内(共和町)にある発足採種園において、トドマツの着花(果)調査を行いました。 これは種子の豊作・凶作のサイクル、着花(果)状況との関係などが解明されていないアカエゾマツ、トドマツ等を対象として、これらを明らかにし、安定した種子の供給ができる技術を開発することを目的として、毎年国有林の採種園で行っているものです。
まずは、調査方法の打ち合わせです。 森林総合研究所 林木育種センター北海道育種場職員3名の指導を受けながら、今回は観察木40本について5段階評価(※)で豊凶の判定を行いました (※評価5が「豊作」で、評価3が「並作」、評価1が「凶作」)
調査では双眼鏡でトドマツの枝の先についている花の状況を一本一本確認しました。
今年は去年よりも着花が多くみられ、「3」や「4」の判定が多く、中には「5」と評定できるほどたくさんの花がついている木もありました。
先端にたくさんついている白っぽいものがトドマツの花です
着花(果)成績には6月頃の気温と日照時間が大きく関係しており、高温で日照時間が長い日が多いと開花量が増えるそうです。 逆にそのような日が少ないと球果が実りにくくなるため、地域によっては「採種園」に適さない場所もあるようです。 私は去年調査に続き、2回目の参加だったこともあり、経験があったこと、また、今年は着花(果)数も多く判定もしやすかったこともあり、去年よりはスムーズに調査を進めることができました。 引き続き樹木の着花(果)状況に注目していきたいと思います。
「清川採種園(上川町)、雨紛採種園(旭川市)で着果調査(6月19日)北海道の主要樹種であるカラマツ類(カラマツ・グイマツ)・アカエゾマツ・トドマツの優良な育種種苗を早期に普及させるため、国有林内に造設された採種園で造林用種子の生産が行われています。 (国有林採種園は道内に23カ所設定) これらの樹種は種子の豊凶差が激しく安定的に種子を採種することが困難なうえ、効果的な着果促進技術も開発されていません。 よって毎年、国有林採種園の着果調査を行い、種苗生産者等に対して採種園の豊凶情報の提供を行うとともに、豊凶周期の解析等の試験研究データとしても活用されています。
調査木の着果状況を双眼鏡で確認中
今回の特命森林調査隊の活動では、森林総合研究所 林木育種センター 北海道育種場(以下=育種場)が行う国有林採種園の着果調査に参加させていただきました。 着果調査の方法は、1採種園あたり約30~40本程度設置されている固定調査木について、双眼鏡等で「雌花」の量を観察し、5段階評価で豊凶の判定を行うというものです。 (評価5が「豊作」で、評価3が「並作」、評価1が「凶作」)
枝についている白っぽい球体のようなものがグイマツの雌花です。 (茶色っぽいものは去年のもの) このくらいの花の密度が、全体に見られると「評価5」となります。
カラマツの雌花(去年はこのような大量の雌花は全く見られませんでした)
また、昨年凶作または並下だった雨紛採種園のカラマツ・グイマツは、今年はよく着果していたように思いました(昨年は判定1か2の調査木がほとんどだったのが、今年は4や5が見られました)。 なお、採種園全体の評価はとりまとめが終わり次第、育種場のホームページに掲載されるとのことです。 (参考)H25年度の結果→http://www.ffpri.affrc.go.jp/hokuiku/business/h25cyakka.html (育種場のページが開きます) 最後に、採種はどのようにするのか育種場職員に伺ったところ、採取を行っている事業者に委託し、その専門の技術者(道内や本州には技術者がおらず、唯一、沖縄県にいるそうです)が直接、木に登って採取作業を行うそうで、ぜひ、その様子も見てみたいと思いました。 Posted by 網走西部森林管理署 西紋別支署 総務グループ 事務管理官(管理) 今廣 |2014.7.1|
「人工林収穫試験地における林況調査」(苫小牧市ほか)(6月2・7・11日)収穫試験地とは、林分構造の推移を解明することを目的に設定された試験地です。 この試験地では、区画を50m×40mに設定した固定プロットにおいて、林齢50年生未満は5年(50年生以上は10年)毎、同時期に成長状況等に関する調査を行っています。 今月は苫小牧市、和寒町、南富良野町の試験地において次の4項目について測定機器を用いて調査を行いました。
6月2日:胆振東部森林管理署管内(苫小牧市) アカエゾマツ人工林
朝のミーティングでは調査方法を詳細に打ち合わせました。
電子輪尺(直径がデジタル表示される樹木用の大きなノギス)で胸高直径を計測。数値を調査野帳に記入します。
胸高直径を測定した位置にペンキで目印、そしてナンバーテープを取り付け、次回の調査につなげます。
レーザー式測高器(光波により樹高を測る器具)で樹高と枝下高を測定しています。
6月7日:上川北部森林管理署管内(和寒町) カラマツ人工林笹藪をかき分け調査中。
6月11日:上川南部森林管理署管内(南富良野町) カラマツ人工林「367番、○○センチ!!」大きな声が林内に響きます。
思いっきり上を見上げて樹高を測定中。
「あの木も調査対象木、測るぞ!」
電子測定器具を初めて使う職員もいましたが、調査を終える頃には技を習得。 すっかりベテラン調査員になりました。 Posted by 技術普及課 企画官(技術開発) 藤生 |2014.6.25| |
森林整備部技術普及課
担当者:技術開発主任官
ダイヤルイン:050-3160-6285
FAX:011-614-2654