2日目の朝は、プロセスマネージャーから「体を動かして頭脳を活性化させましょう！」のかけ声で、思いっきりウォーミングアップ！

 

この講義は、地域の森林・林業のビジョン（構想）の要素を学んだ上で、これらを市町村森林整備計画に反映させる視点を養うことが目的です。 

 

このため講義では、「地域の森林・林業のビジョン（構想）」について、その構想の意味、要素、基本原則について下記のような、内容を掘り下げた説明を行いました。

 

• 構想の意味（目指すべき方向、一定時点での到達点）
• 構想の要素（基本方針、森林の取り扱い、実現のための取組）
• 基本原則（木材生産機能と公益的機能の調和を図る森林の多面的機能の持続的発揮）
• 留意事項（多面的機能の発揮、コスト縮減、木材のサプライチェーン（供給連鎖管理））

 

また、「新たな市町村森林整備計画の概要」についても、下記のような内容について説明を行いました。

 

• 市町村森林整備計画制度の見直しの背景とその概要（森林のゾーニング、路網の整備、図示化の方法）
• 同計画の原案の作成と主な計画事項毎の要点（ゾーニング作業における木材生産機能維持増進森林の見極め方。 収穫予想表や天然更新完了基準に留意した標準的な施業方法。路網の密度や林業専用道の解説など。）

 

講義の中では、昨日同様にグループ討議が行われ、講義を受けて考えたこと、気づいたこと、疑問に思ったことなどを研修生同士で出し合い、共有していきました。

  

グループ討議を通じて整理され、明らかになってきた疑問点などについて、講師と研修生との間で熱心な質疑応答が行われました。 

 

講師は研修生から出された疑問点などをホワイトボードに書きながら、研修生がさらに理解を深められるよう詳細な説明を行いました。

 

 

2講目は、森林・林業を地域の振興につなげるビジョンを構築していける能力が持てるよう、森づくりと森林経営計画についての講義が行われました。

将来ビジョンに向かっていくためには、森林計画制度、森林整備事業等を的確に運営していくことが必要です。

そのため、この講義では、森林経営計画の趣旨を理解するとともに、この計画に盛り込んでいかなければならない内容についての解説を行いました。

 

講義はグループ討議、講師との質疑応答の時間をたっぷり取りながら進め、研修生のみなさんは

• 森林経営計画の認定基準の考え方、間伐に関する要件の趣旨と対応、複層林化の考え方
• 路網計画と林業機械、原木の安定供給への貢献

などについて理解を深めていきました。 

 

各グループから発表された議論の結果などに、講師からは新たな着眼点などについて熱心なアドバイスがありました。 

 

   

 

フォレスターには循環的な木材生産の戦略を描ける能力が求められます。

高い労働生産性を実現し、生産コストを低減して循環的な木材生産の基礎を築くためには、森林作業のための路網、木材の伐採・搬出に使用する林業機械、そして人員配置を一体として捉え、より良い組み合わせを選択していく必要があります。

このため、ここでは林内路網の体系や作業システムの構築の基礎的な考え方を学ぶとともに、それらの改善に向けたフォレスターの役割について理解を深めるための講義が行われました。

 

路網と作業システムの講義を経て、いよいよ実際の路網整備を進めるための演習が始まりました。

ここでは、森林作業道の基本的な考え方を学び、その考え方を踏まえて、間伐予定箇所における森林作業道の配置計画の検討を行います。

 

林内路網は、作業システムと密接・不可分であり、間伐の収益性を高め、長期にわたって森林経営に活用される重要なインフラとなるものです。

森林作業道は、森林施業プランナーが施業提案をする際に細部路網として計画するもので、森林経営計画の構成要素となり、フォレスターはこうした重要な路網計画がより良いものとなるよう指導、助言を行います。 

このため、講義では森林作業道の規格・構造の特徴や路線選定の要点を理解するとともに、演習を通じて森林作業道を配置する際のポイントを検討し、3日目に行う現地踏査の準備を行いました。

 

講師の解説が終わったところで、プロセスマネージャーから「演習でやるべきこと」の再確認！

 

研修生には、「森林施業プランナーが作成した」と想定した森林作業道の配置図が配られ、グループ毎にルート選定の問題点、改善点などについて議論しながら洗い出しを行いました。

最初は慣れない作業に戸惑っていましたが、講師からのアドバイスを受けながら検討を行いました。

 

 

三角スケールで図面上で距離や傾斜を確認していきました。

 

時折、検討の進み具合を見計らって、ホワイトボードを使った補足説明を行いました。

 

図面上で確認することでいろいろなことが分かってきました。

 

「ここは傾斜がきつそうだけど、路網を作設できるだろうか？」

「この路線は、こっちを回した方が効率的に作業ができるのではないだろうか？」

そんな検討作業が時間いっぱい続きました。

 

明日は、検討成果を持って、その適否等について小樽市の塩谷国有林で現地演習を行います。