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7~8月の日記 

林業専用道技術研修②

林業専用道技術研修①

准フォレスター研修I-②

 

准フォレスター研修I-①

 

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 森林・林業再生プランを実行する人材の育成

    森林・林業再生プランのポイントは、戦後造成し、現在充実しつつある森林資源を有効に活用するとともに、無秩序な伐採の抑制や適切な更新を確保し、持続可能な森林経営を実現していくため、新たな森林計画を実効あるものとすることです。

    そのためには、市町村森林整備計画の策定や森林経営計画の認定・実行監理など森林計画制度の運用を現場で担う市町村を技術面から支援する新たな人材として、高度な知識・技術と豊富な実務経験を有するフォレスターの育成と活用が不可欠なものとなっています。

    また、対象区域内の森林所有者をまとめ森林経営計画を作成するキーパーソンになる森林施業プランナーや森林作業道を地形、地質等の現地の条件に応じて開設したり高性能林業機械を操作したりするオペレーターなどの現場の技術者・技能者の育成が不可欠となっています。

     このような中、北海道森林管理局は平成23年度から、森林・林業再生プランを踏まえ、国有林野の多様な立地を活かして、北海道における森林経営のニーズに最も適した研修フィールドや技術を提供することなど集合研修(准フォレスター研修、林業専用道技術者研修)等を実施し、計画的な人材育成を進めています。

 

フォレスターとは

 「フォレスター」は、市町村森林整備計画の策定支援を通じて、地域の森林(もり)づくりの全体像を描くとともに、市町村が行う行政事務の実行支援を通じて、森林所有者等に対する指導等を行う人材です。

    フォレスターの育成には一定の期間を要するため、平成25(2013)年度からの資格認定を目指し、それまでの間は、「准フォレスター研修」を受けた者が市町村森林整備計画への支援業務を行うこととしています。

 

准フォレスター研修

    准フォレスターとは、フォレスターが認定され本格的に始動するまでの間、都道府県職員や国職員等のうち森林計画制度に関する研修(准フォレスター研修)を受けた者を認定するものであり、市町村森林整備計画の策定等の支援業務を行います。

    研修では、市町村森林整備計画の概要、市町村森林整備計画演習、路網と作業システム、路網線形計画、森林施業の集約化、森林経営計画の概要、森林経営計画作成演習、森林整備企画演習(路網整備等効率的な施業構想の策定)、森林施業における労働安全、木材流通・販売等の多岐にわたるカリキュラムを受講し、准フォレスターとして必要な知識と技術を習得します。

 

林業専用道技術者研修

    林業専用道とは、森林づくりを進めていく上で欠かす事のできない路網づくりにおいて、幹線となる林道を補完し、森林作業道と組み合わせて、森林施業の用に供する道路をいい、従来の林道と比較して、地形に沿った屈曲線形及び波形勾配を採用して土工量の軽減を図り、簡素な構造を目指す新たな林道です。

    研修では、林業専用道を作設していくために必要な知識、技術を講義、演習及び現地での検討等を通じて習得します。 

 

関連情報リンク

 

このブログでは、森林・林業再生プランを実行する人材を育成していくために実施している、「准フォレスター研修」及び「林業専用道技術者研修」の様子や関連情報を日記形式でお伝えしています。 

平成24年度 准フォレスター研修(第1週・第2グループ)~3日目

平成24年7月30日~8月3日     

第1週第2コースの研修生のみなさん

はりきって現地実習です~3日目(平成24年8月1日) 

3日目は小樽市の塩谷国有林で現地実習です。

小雨交じりの天候でしたが、研修生のみなさんは張り切って山へ向かいました。

 

森づくりの構想実習~「森林を科学的に評価する能力」を高める

 

午前中は、個々の森林について公益的機能と木材生産機能の発揮の可能性について評価するとともに、森林の最終的な目標林型、途中の目標林型を考え、そこに向けた森林施業が選択できる能力を高めていくことを目的に、「森づくりの構想実習」を行いました。 

塩谷国有林での実習風景1

現地実習の舞台は、昭和33年(1958年)にカラマツが植え付けられ50年あまりが経過した人工林です。

この森を、森林簿、施業履歴、地形図等の森林情報及び現地踏査から、将来の森林の姿(目標林型)、生産目標、これらの実現のために現状の森林に必要となる誘導方法(施業方法)等について討論、グループ毎に発表し、意見交換を行います。 

 

塩谷国有林での実習風景2

研修生は、林内をくまなく歩きながら、この森の現状を把握し、今後どのような施業方法をとっていけばよいかを真剣に検討しました。

 

塩谷国有林での実習風景5

気づいた事はどんどんメモしながら考えをまとめていきました。

 

塩谷国有林での実習風景6

グループで集めたデータを色々な角度から検証しながら、フリーハンドで発表用のフリップを作っていきました

 

塩谷国有林での実習風景9

検討結果がまとまるとグループ毎に発表です。

各グループからは「複層林化」、「長伐期施業」、「皆伐し再造林」といった施業の提案や、これらの提案を山主にどうやって説明し、理解を得るかなどについて、いろいろな角度から検討した発表がありました。

 

塩谷国有林での実習風景11

各班の発表が終わるとすぐに、林業技術者としての視点から、質問や意見がどんどん飛び出しました。

 

塩谷国有林での実習風景13

発表者も科学的な考え方をもって、熱心に回答にあたりました。

そして、さらに検討を深め、研修生全員で成果を共有しました。 

 

塩谷国有林での実習風景15 

発表後には、講師から検討結果へのアドバイスとして、「施業提案を行う際には、なぜこの施業が必要なのか、データ等をもって山主に説明できるよう準備が必要」、「人工林の伐採時期は、明確な生産目標を持って決定することが必要」、「地域の自然や社会的条件なども把握した上で、施業方法を検討する必要がある」、「生物多様性に配慮した施業の重要性」などについて解説をいただきました。

 

北海道大学 柿澤教授

北海道大学 柿澤教授

 

北海道大学 澁谷准教授

北海道大学 澁谷准教授 

 

お弁当タイム♪♪

 

さぁ、飯だ飯だ! 

現地実習はお腹が減ります^^

キツイ?実習の合間に山で食べるお弁当はサイコーです! 

 

間伐実行監理演習(森林作業道整備の検討) 

 

午後からは、間伐実行監理演習として森林作業道整備の検討を行いました。

 

実習風景38

フォレスターには、生産目標に向けて、効率的な路網計画・作業システムの選択・運用についての指導力が求められます。

この演習では、机上で検討した森林作業道の路線について、ポイントとなる箇所を踏査して机上演習の検討結果と照らし合わせることを通じて、地形・地質に応じた配置や実際に森林作業道を作設する際の隘路(あいろ)への対処法などを学びます。

 

塩谷国有林での実習風景21

研修生のみなさんは、昨日の演習で検討した森林作業道の配置図を持って、実際に現地を踏査し、森林作業道作設の是非等を判断します。

 

この方向で間違いなし!

まずは図面とオリエンテーリングコンパスで現在地と目的地をしっかり確認し、いざ森の中へ出発。 

 

 塩谷国有林での実習風景22

路網の予定ルートを検討する際には地山の傾斜を確認しながら進める必要があります。

クリノメータを活用した傾斜の測定方法の実習も行いました。

 

森林作業道”予定地”ですから、当然に、まだ道はありません!

森林作業道”予定地”ですから、当然に、まだ道はありません!

笹藪をかき分けて、図上で検討したルートの「現地」に向かって突き進みます。

 

塩谷国有林での実習風景25

深い笹藪の中ではありますが、図面に描かれた等高線などをたよりに、現在地を確認しながら進みました。

 

研修風景44

「ここが森林作業道の予定線だと思うけど」

「この傾斜なら十分道がつけられるぞ!」  

 

塩谷国有林での実習風景28

笹藪を突き進んでいくと、急に植生が笹からシダ類に変わって来ました。

「ここは周りより低くなっているから、雪解け水が流れて、道が壊れやすくなるかもしれないな」

「安全策をとって、もうちょっと高い場所にルートを変更したほうがいいかな?」

 

塩谷国有林での実習風景29

同行した講師からは、図面からは読み取ることのできない微少な地形の変化や植生の変化など、現地に来たからこそ得られた情報をルート選定に役立てることなどについてアドバイスがありました。

 

実習風景31

汗をかきかき笹藪の中での踏査で得られたデータを研修会場へ持ち帰り、早速、踏査結果のとりまとめに入りました。 

 

実習風景32

現地踏査で得られた情報を、図面上で再検証し、ルート案の修正などを行いました。

 

実習風景35

各グループ毎のとりまとめが終わると、検討結果の発表を行いました。

図面を見ただけではわからなかったこと、現地へ行ってみて初めてわかったこと等が沢山あり、発表にも熱が入ります。

 

実習風景33

発表が終わると、他のグループからの鋭い質問や意見がどんどん飛び出しました。

 

質問に答える研修生

発表者も踏査で得た情報などをフル活用し応戦です。

 

研修風景40

全グループの発表が終わると、講師から各検討結果への講評と、今回の教材となった森林施業プランナーが作成(想定)した森林作業道配置図のチェックすべき点の数々について詳細な解説が行われました。

研修生のみなさんは自分たちの検討結果と合わせて、理解を深め、一日の実習を終了しました。 

 

集合写真

雨と霧の中での実習、そして検討結果の発表と、みなさん大変お疲れ様でした。

 

明日、4日目は次の講義と演習が予定されています。

  • コミュニケーションとプレゼンテーション
  • 木材の流通・販売
  • 林業労働安全
  • 間伐実行監理演習(木材の流通・販売)(集約化施業と事業体の育成)   

 

 Posted by 指導普及課|2012.8.1|フォレスター研修日記
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