森林資源情報のデジタル化/スマート林業の推進
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1.森林資源情報のデジタル化
(1)森林クラウドの導入 森林を適切に管理するには、森林計画制度の運用、森林整備の促進、保安林の管理など様々な業務を行っていく必要があ
ります。このため、各都道府県では、その基礎となる森林簿や森林基本図等の情報をデジタル化して、一元的に管理してい
ます。
これらのデータ整備に当たっては、バラバラな形式ではなく、標準化とクラウド化を進め、自治体間の連携、林業経営体
へのデータ提供を効率的に出来るようにしておくことが有効です。林野庁では、ベースとなる「標準仕様書」を作成して、
標準仕様書に基づく「森林クラウド」の導入を促進しています。
・森林情報の共有・高度利用に向けた取組(森林クラウドの概要)(PDF : 3,521KB)
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・都道府県における森林情報のウェブ公開状況について(平成30年3月現在)(PDF : 243KB)
(2)レーザ計測の活用
森林の資源量は林木の成長に伴い、常に変化しています。また、伐採や造林、林地転用等が行われれば、属地的に大きな
変化が生じます。このため、林野庁では、森林の動向変化を全国統一的な標本調査の手法で把握しています。あわせて、都
道府県では、日々の業務を通じて把握した情報を森林簿や森林基本図等に反映しています。
他方、広大な森林を調査するには、多大な人員や時間がかかるため、「レーザ計測」に注目が集まっています。これは、
レーザ光を照射して高さなどを測るもので、データ解析により地形を詳細に把握することができます。さらには、樹高や森
林蓄積を正確に推計することが可能であり、森林管理や林業経営のために有効に活用できます。
このため、林野庁では、レーザ計測の実施を支援するほか、「森林資源データ解析・管理標準仕様書」を作成しています。
これにより、計測時点や計測者が異なるデータの統合や比較ができるようになり、森林・林業関連アプリの開発などの進展
も期待されます。これにあわせ、森林クラウドへのレーザ計測データの搭載、森林簿等への反映が可能となるよう、森林ク
ラウドの標準仕様書も見直しています。
【関係資料】
・航空レーザ測量について(外部リンク:国土地理院HP)
・高精度な森林情報の整備・活用のためのリモートセンシング技術やその利用方法等に関する手引き(平成30年3月)(PDF : 8,417KB)
・ 令和3年度レーザ計測による森林資源データの解析・管理の標準化事業報告書(外部リンク:日本森林技術協会HP内)(PDF:12,127KB)
・令和2年度レーザ計測による森林資源データの解析・管理の標準化事業報告書(外部リンク:日本森林技術協会HP内)(PDF:48,930KB)
・ 森林資源データ解析・管理標準仕様書案 Ver1.2(外部リンク:日本森林技術協会HP内)(PDF:4,081KB)
・航空レーザ測深機を用いた公共測量について(外部リンク:国土地理院HP)
・森林整備保全事業の調査、測量、設計及び計画業務に係る積算要領の制定について
(第3部測量業務積算基準/第2章測量業務標準歩掛/第9航空レーザ測量)
【関係予算】
・林業イノベーション推進総合対策のうち森林資源デジタル管理推進対策(令和4年度予算)(PDF : 501KB)
・森林整備事業(路網計画策定)(令和4年度予算)(PDF:545KB))
・治山事業(山地災害重点地域総合対策事業他)(令和4年度予算)(PDF:820KB)
2.スマート林業の推進
林業は、造林から収穫まで長期間を要し、厳しい自然条件下での人力作業が多いといった特性があり、このことが低い生
産性や安全性の一因となっています。
これを抜本的に改善するため、森林・林業基本計画では、新技術を活用し、伐採から再造林・保育に至る収支のプラス転
換を可能とする「新しい林業」を展開することとし、各般の施策を推進しています。ここでは、特に、地理空間情報やICT
等を駆使する「スマート林業」の取組を紹介します。
(1)スマート林業の実践
ICT等の先端技術を現場レベルで活用して、林業の効率化や省力化等を図る「スマート林業」を全国12地域で実践してい
ます。各地域においては、森林情報の高度化・共有化、原木の生産流通の効率化などのテーマを設定して技術実証を行い、
その成果を全国に普及する「横展開」を図っています。また、モデル事業の実施だけでなく、最新技術を取り入れた「スマ
ート機器」の導入に対しても支援を行っています。
【関係資料】
・林業イノベーションの推進(令和2年11月16日林政審議会資料)(PDF:2,686KB)
・林業イノベーション現場実装推進プログラムの公表について(令和元年12月10日)
・つながる林業技術サイト
・ 令和3年度スマート林業実践対策の実施状況等について(PDF : 2,673KB)
・スマート林業実践マニュアル導入編(令和3年度スマート林業構築普及展開事業)(PDF : 3,671KB)
・スマート林業実践マニュアル準備編(令和2年度スマート林業構築普及展開事業)(PDF : 3,592KB)
・令和元年度スマート林業構築普及展開事業事例集(PDF : 4,201KB)
・平成30年度スマート林業構築普及展開事業事例集(PDF : 2,832KB)
・令和3年度スマート林業構築普及展開事業報告書(本体)(PDF : 26,829KB)
・令和3年度スマート林業構築普及展開事業報告書(地域協議会 資料)(PDF : 27,218KB)
・令和2年度スマート林業構築普及展開事業報告書(PDF : 17,338KB)
・令和元年度スマート林業構築普及展開事業報告書(PDF : 15,601KB)
・平成30年度スマート林業構築普及展開事業報告書(PDF : 9,020KB)
・ 令和3年度スマート林業構築普及展開事業【報告会(外部リンク:日本森林技術協会HP内)・マッチングミーティング(外部リンク:日本森林技術協会HP内)】
【関係予算】
・林業イノベーション推進総合対策のうちスマート林業構築推進事業(令和4年度予算)(PDF : 1,006KB)
・スマート農林水産業の全国展開に向けた導入支援事業のうちスマート林業の全国展開に向けた導入支援事業(令和3年度補正予算)(PDF:386KB)
(2)ICTによる生産管理に向けて
我が国の林業は、路網整備や機械化等により生産性が徐々に向上していますが、その取組は途上にあります。また、原木の
供給は小規模・多段階の構造を脱しておらず、生産流通コストが高く、川中に対する価格交渉力も弱い状況にあります。これ
を解決するには、施業集約化等を通じて、原木供給ロットの拡大と価格交渉力の向上を図るとともに、商物分離やトラック輸
送の合理化等により、生産流通コストを削減することが重要です。このため、レーザ計測により取得した森林資源データを活
用し、供給能力の裏付けとなるストック(資源量)を把握した上で、生産見込み材積、山土場ごとの丸太材積をデータで管理
し、直送トラックの配送計画を組むといった「生産管理」を視野に入れた条件整備を進めています。具体的には、都道府県が
取得し、1(2)の標準形式で森林クラウド上に管理されたレーザ計測データを二次利用することを想定し、このデータ形式に
合わせた「ICT林業生産管理システム標準仕様書」を作成しています。これにより、データ形式をそろえた生産管理に関する
様々なアプリやシステム開発が進展することが期待されるところであり、標準仕様に即したシステム導入等も支援することと
しています。
【関係資料】
・ ICT生産管理システムの標準化事業報告書 (令和3年度)(外部リンク:日本森林技術協会HP内)(PDF:6,349KB)
・ICT生産管理システムの標準化事業報告書(令和2年度)(外部リンク:日本森林技術協会HP内)(PDF:8,244KB)
・ ICT林業生産管理システム標準仕様書案 Ver1.0(アプリ編)(外部リンク:日本森林技術協会HP内)(PDF:1,637KB)
・ ICT林業生産管理システム標準仕様書案 Ver1.0(機械管理編)(外部リンク:日本森林技術協会HP内)(PDF:1,789KB)
【関係予算】
・「新しい林業」に向けた林業経営育成対策のうちICT技術活用促進事業(PDF : 407KB)
3.関係事業等
林業の生産性向上等を図る、その他技術面での取組については、以下の林野庁HPをご覧下さい。
・林業イノベーションハブセンター(森ハブ)
・林業成長産業化地域事例集2021(PDF:3,189KB)
・林業成長産業化地域事例集2020(PDF:6,063KB)
・林業成長産業化地域事例集2019(PDF:4,324KB)
・林業成長産業化地域事例集2018(PDF:5,506KB)
・林業を支える高性能林業機械
・森林づくりの新たな技術
お問合せ先
森林整備部計画課
担当者:全国森林計画班
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