「四国山地緑の回廊」について紹介します。
四国山地緑の回廊は、人間の活動によって分断された野生生物の生息地間をつなぎ、主に動物の移動を可能とすることで生物多様性を確保するため平成15年3月に設定されました。四国森林管理局では、原生的な天然林や貴重な野生動植物の生息・生育地等を保全・管理するため、国有林内に保護林を設定しており、それらを連結できるように設定されています。 |
設定箇所及び概要
四国最高峰の石鎚山地区と剣山地区の2箇所の国有林に設定しています。
四国山地緑の回廊は、下図のように四国の背骨を縦断する延長約128km の回廊です。設定面積は17,054haで隣接する保護林も合わせると22,884haにもなります。
各箇所の詳細図及び概要
石鎚山地区
四国の脊梁に位置する石鎚山から白髪山につなぐ延長約70km、幅約2kmの回廊です。
石鎚山系森林生態系保護地域をはじめとする2箇所の保護林を結ぶもので、そのほか、笹ヶ峰自然環境保全地域等を含みます。
石鎚山系の獣類
- 国設石鎚山系鳥獣保護区特別地区設定に係る調査 平成9年実施
- 主な動物:サル、リス、モモンガ、ムササビ、ヤマネ、タヌキ、キツネ、テン、イタチ、ハクビシン、 イノシシ、ニホンジカ等
- 設定面積は、約7,863haで、結ばれる保護林(約4,454ha)を合わせると、約12,317haになります。
- 管轄森林管理署: 愛媛森林管理署、嶺北森林管理署
- 所在地: 四国中央市、西条市、久万高原町 、大川村、大豊町、土佐町、本山町、いの町
- 連結する保護林:石鎚山系生態系保護地域 、白髪山天然ヒノキ(遺伝資源)希少個体群保護林
剣山地区
剣山を中心にして東西、南方面にのびる国有林野をつなぐ延長約58km、幅約2kmの回廊です。
西熊山生物群集保護林をはじめとする8箇所の保護林を結びます。
剣山系の獣類
- 国設鳥獣保護区の設定に伴う調査 平成元年
- 獣類 :サル、ノウサギ、リス、ムササビ、ヤマネ、 ツキノワグマ、タヌキ、テン、イタチ、ハクビシン、アナグマ、イノシシ、ニホンジカ、カモシカ等
- 設定面積は、約9,191haで、結ばれる保護林(約1,376ha)を合わせると、約10,567haになります。
- 管轄森林管理署:徳島森林管理署、嶺北森林管理署 、高知中部森林管理署、安芸森林管理署
- 所在地:三好市東祖谷、那賀町、大豊町、香美市物部町、馬路村、安芸市
- 連結する保護林:剣山生物群集保護林 、鎗戸シコクシラベ(遺伝資源)希少個体群保護林 、西熊山生物群集保護林 、石立山生物群集保護林 、千本山天然ヤナセスギ(遺伝資源)希少個体群保護林 、千本山人工ヤナセスギ・ヒノキ希少個体群保護林 、魚梁瀬トガサワラ(遺伝資源)希少個体群保護林 、横荒山モミ・ツガ(遺伝資源)希少個体群保護林

「緑の回廊」に関する協定
- ニッポン高度紙工業株式会社、特定非営利活動法人四国自然史科学研究センター(令和元年12月23日)
- 三菱商事株式会社、安芸市、高知東部森林組合(令和2年3月31日)
「緑の回廊」の設定方針
緑の回廊フォトアルバム
写真をクリックすると各ページが見られます。
モニタリング調査
緑の回廊においては、野生動植物の移動実態や森林施業との因果関係等を把握するため、モニタリングに努め、その結果を緑の回廊の設定及び取扱いに適切に反映させることとしています。
調査結果
令和3年度 調査結果概要(石鎚山地区・剣山地区)(PDF : 585KB)
お問合せ先
計画保全部計画課
担当者:生態系保全係
ダイヤルイン:088-821-2100