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特命森林調査隊モリサー

 こちら特命森林調査隊「モリサー」                               

「特命森林調査隊」(愛称=モリサー)は、森林に係る専門的な知識と調査技術の一層の向上を図るため、北海道森林管理局が管理している技術開発試験地等を活用し、実際に森林内における各種調査を行いながら、職員自ら国民の森林である国有林をどのようにすべきかを考え、森林調査の技術向上を目指しています。

北海道内各森林管理署等から登録があった若手職員主体で構成され、独立行政法人森林総合研究所北海道支所、林木育種センター北海道育種場などの研究機関のご協力をいただきながら、自己研鑽のための汗を流しています。

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 「天塩アカエゾマツ人工林収穫試験地」調査へ(12月8日掲載)

みなさんこんにちは。

留萌北部森林管理署 業務グループから特命森林調査隊に参加している森林整備官の的場です。

特命森林調査隊では10月下旬に4カ所(天塩・朝日・神居山・日高)のアカエゾマツ人工林試験地の調査を実施しましたが、私は10月15日に行った「天塩アカエゾマツ人工林収穫試験地」の調査に参加しましたので、その内容をレポートします。

 収穫試験地とは?

この「収穫試験地」とは、現行あるいは将来予想される施業法(※1)によって施業した場合の、成長量・収穫量及びその他の統計資料を収集するとともに、林分(※2)構造の推移を解明する目的をもって設定された固定試験地です。

その試験成果は林分密度管理図や収穫予想表への利用が期待されています。 

※1 目的とする森林を育成するために行う造林、保育、伐採等の一連の森林に対する人為的行為

※2 林相が一様で、となり合う森林と区別できるひとまとまりの森林

調査内容

この調査は、林齢50年未満は5年毎、林齢50年以上は10年毎に行ってきており、前回の調査同様に試験木として設定されているアカエゾマツ245本について次の調査を行います。

  • 「胸高直径」(※3)の測定
  • 「寺崎式樹型級区分」(下図参照)による判定
  • 「樹高、枝下高」の測定  

※3 成人の胸の高さの位置における立木の直径。材積(木材の体積)測定に用い、北海道では地面から1.3mメートルが採用されている。 

レーザー測高器で樹高測定

レーザー測高器「樹高、枝下高測定」については、レーザー測高器(右写真)を使用し、作業は次のように行いました。 

  1. 測定対象木にレーザー光線の反射板を設置
  2. 木の梢頭(※4)が見える位置から「レーザー測高器」の照準窓を覗き、照準を1の反射板に合わせて測定ボタンを押す(測定地点から反射板(樹木の位置)までの水平距離を計測) 
  3. 続いて、照準を木の根元合わせて測定ボタンを押す(測定位置からの俯角と斜距離を計測)
  4. 最後に、木の梢頭に照準を合わせて測定ボタンを押す(測定位置からの仰角と斜距離を計測)

このような手順で測定された数値から、三角関数方式で自動的に「樹高」を算出し、ディスプレーに数値が表示されます。

調査方法

同様に、最後の手順で木の梢頭ではなく、樹冠(※5)を構成している主要な枝の中で最低のものと幹との交点に照準を合わせて測定ボタンを押すことで、枝下高も測ることができます。

実際やってみると、最初のうちは測高器の操作ミスでエラーをたびたび出しましたが、操作に慣れるとエラーも少なくなり、どんどん測定を進めることができました。

測高器と反射板の間に笹等の障害物があると、レーザー光線が遮られ、測定が上手くいかないことも分かり、笹を払いのけたり、笹が無い位置から覗いたり工夫することでクリアできました。

※4 こずえの先。木のてっぺん。

※5 樹木が太陽光を受けるために、樹幹の上に形成する枝と葉の層 

今回は精力的に調査を進めたものの、まだ作業に慣れていなかったため、試験木245本分の樹高と枝下高を測定した時点で下山しなければならない時間となってしまいましたので、残った胸高直径の測定と寺沢式樹型級区分の判定は後日に持ち越しとなりました。

電子輪尺で胸高直径を測定 

電子輪尺なお、今回は調査ができませんでしたが、胸高直径の測定には「電子輪尺」(右写真)を用います。

輪尺は樹木用の大きなノギスで、数値は小窓にデジタル表示されます。

試験地調査は2mm単位で測定する必要があるのでこのデジタル表示は重宝します。 

寺崎式樹型級区分とは? 

樹型級判定には「寺崎式樹型級区分」(下図)を用います。

これは、樹木の外観上の形態から、次のように1級木~5級木の5区分するもので、この区分は将来の伐採順を5級、4級…と級位が低い順に決めていく指標として使われます。

寺崎式樹型級区分

寺沢式樹型区分表

1級木:上層林冠を占める木でクローネや幹に欠陥のない木

2級木:上層林冠を占めているがクローネや幹に何等かの欠陥がある木

a.暴れ木

b.クローネが貧弱で直経が1級木に比べ細い木

c.クローネが片側に偏った木

d.幹曲がり若しくは2又木

e.傷や腐れ、キノコの発生等の不健全木

3級木:上長成長が遅れて下層林冠を占めるがクローネも幹もまだ比較的健全な木

4級木:被圧され元気がないがまだ枯れる程ではない木

5級木:ほとんど枯れかかっているか、枯死したり倒れてしまった木  

紅葉の下、楽しい調査でした

お弁当

今回の調査はとても勉強になり、天候に恵まれ、美しい紅葉の下、秋が深まる気配を感じながらとても楽しい作業となりました。

この経験は今後の業務に生かしたいと思います。

また、調査データは有意義に活用される事を願っています。  

 

<<紅葉の森でお弁当  

 

 


Posted by 留萌北部森林管理署 業務グループ 森林整備官(資源活用担当) 的場|2014.10.30|

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