一夜明けて、研修生同士のコミュニケーションも進み、2日目の朝はすっかり打ち解けた雰囲気に。

昨夜語り合った「森づくりへの熱い想い！」を演習にぶつけます。

 

この講義は森林を整備していくための路網及び作業システムに関する基礎的な知識を得るとともに、それらの改善に向けたフォレスターの役割について理解を深めることが目的です。

 

林野庁業務課の田口企画官が講師を担当し、「高い労働生産性を実現し、コストを低減して循環的な木材生産の基礎を築くためには、路網、林業機械、人員配置を一体として捉え、より良い組み合わせを選択していく必要がある」ことから林内路網の体系や作業システム構築の基礎的な考え方を学びました。

 

研修生との熱心な質疑応答も行われ、講師は質問に一つ一つていねいに解説し、研修のみなさんもさらに理解を深めていました。 

 

この演習では、森林作業道の基本的な考え方を学び、その考え方を踏まえ、間伐予定箇所における森林作業道の配置計画を検討します。 

 
林内路網は、作業システムと密接・不可分であり、間伐の収益性を高め、長期にわたって森林経営に活用される重要なインフラとなるものです。

森林作業道は、森林施業プランナーが施業提案をする際に細部路網として計画するもので、森林経営計画の構成要素となり、フォレスターはこうした重要な路網計画がより良いものとなるよう指導、助言を行います。

このため、講義では森林作業道の規格・構造の特徴や路線選定の要点を理解するとともに、演習を通じて森林作業道を配置する際のポイントを検討し、3日目に行う現地踏査の準備を行いました。 

 

研修生には、「森林施業プランナーが作成した」と想定した森林作業道の配置図が配られ、グループ毎にフォレスターとしての立場での、ルート選定の問題点、改善点などについて議論しながら洗い出しを行いました。 

 

講師からのアドバイスを受け、ときには講師とも討論しながら、選定ルートの是非を判断していきました。

 

「ここは傾斜がきつそうだけど、森林作業道を作設できるだろうか？」

「効率的な作業を考えると、ルートはこっち側にした方がいいんじゃないだろうか？」

そんな検討風景が続きました。

一生懸命、図上で検討した森林作業道のルート。

明日は、現地に乗り込んでその適否を検討します。

この講義では、森林の公益的機能と木材生産機能の調和のとれた持続的な森林経営を進める上での最も基礎的な知識である、森づくりの基本的な考え方と森林施業を選択する上での視点・留意点を理解するのが目的です。

 

北海道大学大学院の澁谷准教授が講師を担当し、

①森づくりの構想に関する基礎的知識として

•  森づくりの基本的な考え方と目標林型
• 施業方法の選択の考え方

②森づくりの構想を考える上での科学的・技術的知見と留意事項

• 間伐に関する科学的知見
• 風害に対する備え
• 育林コストと今後の考え方

などについて講義が行われました。 

 

研修生との活発な意見交換も行われ、大変有意義な時間となりました。

 

1日の講義終了後、希望者を対象としたオリエンテーリングコンパスの使い方についての課外授業を行いました。

 

明日の現地実習では、今日、図面上で検討した「その場所」に到達することが必要になります。

そのためには、このコンパスが必需品となります。

これで、オリエンテーリングコンパスの準備も万全。

明日は、「間伐実行監理演習」での検討成果を持って、小樽市の塩谷国有林で現地実習を行います。