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 10月の日記

准フォレスター研修

林業専用道技術者研修

 

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 森林・林業再生プランを実行する人材の育成

    森林・林業再生プランのポイントは、戦後造成し、現在充実しつつある森林資源を有効に活用するとともに、無秩序な伐採の抑制や適切な更新を確保し、持続可能な森林経営を実現していくため、新たな森林計画を実効あるものとすることです。

    そのためには、市町村森林整備計画の策定や森林経営計画の認定・実行監理など森林計画制度の運用を現場で担う市町村を技術面から支援する新たな人材として、高度な知識・技術と豊富な実務経験を有するフォレスターの育成と活用が不可欠なものとなっています。

    また、対象区域内の森林所有者をまとめ森林経営計画を作成するキーパーソンになる森林施業プランナーや森林作業道を地形、地質等の現地の条件に応じて開設したり高性能林業機械を操作したりするオペレーターなどの現場の技術者・技能者の育成が不可欠となっています。

     このような中、平成23年度以降、北海道森林管理局は、森林・林業再生プランを踏まえ、国有林野の多様な立地を活かして、北海道における森林経営のニーズに最も適した研修フィールドや技術を提供することなど集合研修(准フォレスター研修、林業専用道技術者研修)等を実施し、人材を計画的に育成していく予定です。

 

フォレスターとは

 「フォレスター」は、市町村森林整備計画の策定支援を通じて、地域の森林(もり)づくりの全体像を描くとともに、市町村が行う行政事務の実行支援を通じて、森林所有者等に対する指導等を行う人材です。

    フォレスターの育成には一定の期間を要するため、平成25(2013)年度からの資格認定を目指し、それまでの間は、「准フォレスター研修」を受けた者が市町村森林整備計画への支援業務を行うこととしています。

 

准フォレスター研修

    准フォレスターとは、フォレスターが認定され本格的に始動するまでの間、都道府県職員や国職員等のうち森林計画制度に関する研修(准フォレスター研修)を受けた者を認定するものであり、市町村森林整備計画の策定等の支援業務を行います。

    研修では、市町村森林整備計画の概要、市町村森林整備計画演習、路網と作業システム、路網線形計画、森林施業の集約化、森林経営計画の概要、森林経営計画作成演習、森林整備企画演習(路網整備等効率的な施業構想の策定)、森林施業における労働安全、木材流通・販売等の多岐にわたるカリキュラムを受講し、准フォレスターとして必要な知識と技術を習得します。

 

林業専用道技術者研修

    林業専用道とは、森林づくりを進めていく上で欠かす事のできない路網づくりにおいて、幹線となる林道を補完し、森林作業道と組み合わせて、森林施業の用に供する道路をいい、従来の林道と比較して、地形に沿った屈曲線形及び波形勾配を採用して土工量の軽減を図り、簡素な構造を目指す新たな林道です。

    研修では、林業専用道を作設していくために必要な知識、技術を講義、演習及び現地での検討等を通じて習得します。 

 

関連情報リンク

このブログでは、森林・林業再生プランを実行する人材を育成していくために実施している、「准フォレスター研修」及び「林業専用道技術者研修」の様子を日記形式でお伝えしていきます。 

准フォレスター研修(第2コース)第2週        

准フォレスター研修第2コースのみなさん

2011年10月24日~28日

晩秋の森で現地実習~2日目(平成23年10月25日) 

2日目は、昨日、検討を行った「路網整備等効率的な施業構想」の結果をもって、小樽市の塩谷国有林での現地実習を行いました。

 森林整備企画演習~現地実習へ

 

実習風景1

8月の第1週の研修で現地を訪れた際は、木々は大きく葉を広げ、羽虫が飛び交う盛夏でしたが、それから2ヶ月が経ち、木立の装いも紅葉を通り過ぎ、森の中はもう初雪を待つばかりの装いです。

そのような中、熱心な現地実習が行われました。

 

実習1

「今みなさんはここにいます!」

ここから、昨日検討した林業専用道のルート案を現地に本当につけることができるのかを、講師と歩きながら、地形などを一つ一つ検証します。

 

実習6

研修生は、ここの斜面を登るルートを考えたのですが、現地は地形図からイメージしたより傾斜がきついようです。

「このような場所ではどのような線形をとれば、林業専用道として適したルートになるでしょうか?」、研修生の熱心な質問に、講師から実際の地形を前に詳細な解説とアドバイスが行われました。

 

実習3

林業専用道は路面の侵食等を防止するためできる限りゆるい勾配としなければなりません。

「みなさん、この下り坂の縦断勾配はどのくらいだと思いますか?」

一見、緩やかに見えますが、林業専用道作設指針で勾配の上限と定められている9%です。

林業専用道は原則としてこの勾配以下で設計しなければなりません。

 

実習2

研修生のみなさんは、早速、クリノメータで勾配を測定、確認していました。 

 

実習4

「この坂道の勾配が”やむを得ない場合”に許される14%の勾配です!」

林業専用道のルートの選定にあたっては、これらの勾配の感覚を身につけておくことが大切です。 

 

実習9

研修生がルートを選定したポイントなどでは、みんなで立ち止まって林地傾斜を測定し、林業専用道が作れる場所なのかどうかの確認を行うとともに、地形の見方や線形の描き方などについてさらに理解を深めていきました。 

 

実習7

 「あと30m上がったあたりに良い地形の箇所があるので、ここから道を付けた方がいいですね」


実習10

各検証ポイントにおいては、講師から昨日検討したルート案等と現地の様子を比較しながら、詳細な解説がありました。

研修生のみなさんは真剣にメモを取りながら聞き入り、また活発な質疑応答が行われました。

 

実習11

林内では、林業専用道のルート案を実際に現地で再現するために、コンパスを使って位置と方向を確認しながら歩きました。 
 

実習12

林業専用道のルート案は、コンパスで測ると・・・「この方向だ!」

 

自習13

「よし!、この方向で間違いない!」 

 

実習8

地形図からのイメージと現地との差など、現地を実際に歩いてみて分かったことをまとめ、ルート案を再検討するために議論を重ねました。

 

実習17

実習を行った区域には、(林業専用道として設計されたわけではないが)林業専用道のイメージに近い作業道があります。

林業専用道は原則的に側溝を設けないことから、雨水などによる路面の浸食を防ぐために、路面を波形の勾配になるように作設し、波形の低くなった部分から谷側に排水を分散処理する方法がとられます。

現地は最近、大雨が降りましたが、その狙い通りに路面水が排水されており路面の浸食は見られませんでした。

研修生のみなさんは、教室での講義ではこの簡易な排水方法の効果に半信半疑だったようでしたが、現地を見て、その大きな効果に驚いていました。 

 

 再検討1

さて、一通り現地実習を終えたみなさんが戻った教室では、休憩もそこそこに早速、路網の再検討が始まりました。

 

 再検討2

パソコンで林業専用道の作設経費の再計算や周囲の森林の資源量、間伐予定などのデータも調べ直しながら熱心な検討が続き、現地実習での成果をどんどん取り入れ、より良い検討案が作られていきました。 

明日は、この再検討案をもとに10カ年にわたる間伐と路網作設の計画や、その全体計画のビジョンなどをとりまとめてグループ毎に発表し、質疑応答を行います。

どのようなビジョンが発表されるのか、楽しみですね。 

実習16

研修生のみなさん、現地実習お疲れ様でした。

 

 Posted by 指導普及課|2011.10.25|准フォレスター研修
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