フォレスター研修日記タイトル

9月の日記

林業専用道技術者研修

准フォレスター研修

過去の日記

森林・林業再生プランを実行する人材の育成

森林・林業再生プランのポイントは、戦後造成し、現在充実しつつある森林資源を有効に活用するとともに、無秩序な伐採の抑制や適切な更新を確保し、持続可能な森林経営を実現していくため、新たな森林計画を実効あるものとすることです。

そのためには、市町村森林整備計画の策定や森林経営計画（仮称）の認定・実行監理など森林計画制度の運用を現場で担う市町村を技術面から支援する新たな人材として、高度な知識・技術と豊富な実務経験を有するフォレスターの育成と活用が不可欠なものとなっています。

また、対象区域内の森林所有者をまとめ森林経営計画（仮称）を作成するキーパーソンになる森林施業プランナーや森林作業道を地形、地質等の現地の条件に応じて開設したり高性能林業機械を操作したりするオペレーターなどの現場の技術者・技能者の育成が不可欠となっています。

このような中、平成23年度以降、北海道森林管理局は、森林・林業再生プランを踏まえ、国有林野の多様な立地を活かして、北海道における森林経営のニーズに最も適した研修フィールドや技術を提供することなど集合研修（准フォレスター研修、林業専用道技術者研修）等を実施し、人材を計画的に育成していく予定です。

フォレスターとは

「フォレスター」は、市町村森林整備計画の策定支援を通じて、地域の森林（もり）づくりの全体像を描くとともに、市町村が行う行政事務の実行支援を通じて、森林所有者等に対する指導等を行う人材です。

フォレスターの育成には一定の期間を要するため、平成25（2013）年度からの資格認定を目指し、それまでの間は、「准フォレスター研修」を受けた者が市町村森林整備計画への支援業務を行うこととしています。

准フォレスター研修

准フォレスターとは、フォレスターが認定され本格的に始動するまでの間、都道府県職員や国職員等のうち森林計画制度に関する研修（准フォレスター研修）を受けた者を認定するものであり、市町村森林整備計画の策定等の支援業務を行います。

研修では、市町村森林整備計画の概要、市町村森林整備計画演習、路網と作業システム、路網線形計画、森林施業の集約化、森林経営計画の概要、森林経営計画作成演習、森林整備企画演習（路網整備等効率的な施業構想の策定）、森林施業における労働安全、木材流通・販売等の多岐にわたるカリキュラムを受講し、准フォレスターとして必要な知識と技術を習得します。

林業専用道技術者研修

林業専用道とは、森林づくりを進めていく上で欠かす事のできない路網づくりにおいて、幹線となる林道を補完し、森林作業道と組み合わせて、森林施業の用に供する道路をいい、従来の林道と比較して、地形に沿った屈曲線形及び波形勾配を採用して土工量の軽減を図り、簡素な構造を目指す新たな林道です。

研修では、林業専用道を作設していくために必要な知識、技術を講義、演習及び現地での検討等を通じて習得します。

林業専用道技術者研修（第2コース）

2011年9月5日～7日

第2コースの受講生と講師のみなさん

林業専用道技術者研修の第2コースが始まりました～1日目（平成23年9月5日）

今回のコースは、林業専用道作設の調査・設計・施工の受注者側となる測量・建設コンサルタント及び建設事業体等の技術者を対象としたもので、道内各地から27名のみなさんが参加しています。

北海道森林管理局長の挨拶

開講式では、津元北海道森林管理局長から受講生のみなさんへ「低コストで作設し、壊れにくく、使いやすいことが求められる林業専用道の設計は、山へ何度も赴き、自分の足で現地を歩き、そしてよく見て考えることが大切です。ぜひ、この研修を通じてそういった見方や考え方を技術として身につけ、北海道の林業専用道作設の牽引役となっていただきたい。」との激励の挨拶がありました。

林業専用道作設指針等の概要（講義）

（講師：林野庁整備課）

1講目は、林業専用道作設指針等の概要についての講義が行われました。

林業専用道の概要講義

講義では、まず、この林業専用道が今までの林道とどのように違うのか等についての解説が行われました。

今までいくつもの林道を設計・施工してきた経験のある受講生のみなさんですが、「森林施業に使い勝手の良い道」、「トータルコストの低減（簡易な構造、路網密度を高める）」といった森林・林業再生プランを推進していく上での路網整備の課題は新鮮な内容だったようです。

また、設計上の留意点である、「適切なルート選定と地形に追従した線形を作るために踏査と予測を繰り返し検討を行う」、「土構造を原則とし擁壁などの構造物は極力抑制する」、「路面排水は側溝等を用いない分散排水を原則とする」といったことについて講師の解説に熱心にメモを取りながら耳を傾けていました。

林業専用道の調査設計（講義と演習）

（講師：北海道森林管理局販売第二課・森林整備第二課、林野庁整備課、（株）北海道森林土木コンサルタント）

2講目は、明日の現地実習を行う、恵庭国有林の「島松作業道」と「盤尻作業道」について、図上演習を行いました。

林業専用道の踏査設計についての講義風景

講師からは冒頭、「今まで発注者側からは、起点と終点を示した上で林道の調査設計をお願いしていましたが、今後は森林施業の構想を示した上で、これらを効率的に進められるルートを調査設計してほしい」というお願いの仕方に変わっていくと思われるので、この演習を通じて理解を深めて欲しいとの説明があり、早速作業に入りました。

まず、島松作業道については、設計図などを見ながら林業専用道として設計する上で見直すべき点などについて一人一人検討を行いました。その後、その内容についてグループで討論し、結果をとりまとめました。

熱心に検討するみなさん

設計図面を読み解きながら、見直すべき点を検討しました。

厳密に計算して検討

関数電卓を取り出して、厳密に計算しなおす受講生も。

講師からのアドバイス

講師からは随時、考え方などのアドバイスが行われました。

図面との突き合わせ

受講生からは、「盛り土の高さが大きすぎる」、「急傾斜部分は線形の変更で回避できる」、「道路の中心線の位置をずらし残土を減らすことができる」といった意見が出されていました。

明日は実際に現地を見ながらさらに検討を深める予定です。

つづいて盤尻作業道については白紙の状態からルート選定を行う演習を行いました。

受講生のみなさんは、起点のみが示された図面、衛星写真などの資料を見ながら、周囲の森林資源の状況、林業活動への使いやすさを考えた上で、林業専用道の課題である「低コスト、壊れにくい、使いやすい」ルートを実現すべく、一人一人が図上での検討を行い、それらの結果をグループでいくつかの案にまとめ、図面を作成しました。

図面の作成