森林施業プランナーのみなさんが加わり、本研修のプロセスマネージャーの山口氏のかけ声で、改めて研修生全員が年齢順に輪になって自己紹介。今日のお題は「年齢と私！？」です。

「山を歩くとき若手の歩く速さについていけなくて…」、「最近、図面が見えにくくて…」などと、みなさん「老化現象」自慢？を笑い合いながら、楽しく自己紹介が進み、一周するころには緊張感もほぐれてきました。

和気あいあいとしたところで、早速、講義に入りました。 

（講師：林業・木材製造業労働災害防止協会 北海道地域・林材業労災防止専門調査員 渡辺 正昭氏）

 

1講目は、林材業労災防止専門調査員の渡部氏を講師に「林業労働災害の現状と安全の確保」についての講義が行われました。

林業の労働災害は近年やや増加傾向にあり、また、他の産業と比べて極めて高い発生率となっており、その防止対策が急務となっています。

 

その中で、危険をよみ、災害の芽を摘み、”災害ゼロ”から”危険ゼロ”を目標に「リスクアセスメント」という手法が効果的であることなどについての説明がありました。

リスクアセスメントのねらいは、作業現場で労働災害の発生しそうな危険なところを前もって全般的に洗い出し、事前にどれくらい危ないかを体系的に評価し、その評価に従ってきちんと対策を実施することです。

いろいろな業種ではすでにこの方法が導入され、労働災害防止に効果を上げており、林業においてもこの導入が課題となっていることから、ぜひ現場で取り入れてほしいとのお話がありました。

 

（講師：物林株式会社 北海道建設資材部 部長 金川 晃氏）

 

 

2講目は、フォレスターとして森づくりの戦略を練っていく上で必要となる木材の流通・販売の現状を把握し、木材の売買に係る感覚、情報収集、分析ができるスキルを養うことと、地域での流通・販売情勢についてリアルな動きについて学びました。

 

講師の金川氏は、ハウスメーカー向け木材建材販売、国産材原木・製材品の流通、外国産材の輸入販売などに長年携わっており、講義では木材産業の現状、北海道産木材の用途、木材価格の考察、木材流通の実態、地産地消木材の実態と安定供給などについて豊富な知識と情報をユーモアを交えながら研修生に教えていただきました。 

 

 

森林経営計画とは、持続的な森林経営を図るために森林所有者等が向こう5年間の自らの森林施業についてたてるものです。

計画事項には、集約化された面的な森林のまとまりの下で、森林施業や森林作業道の作設、森林の保護などがあり、森林所有者または所有者から委託を受けた森林施業プランナーなどが策定を行います。

この演習では、森林施業プランナーとその指導的立場となる准フォレスター（研修生）が一緒に計画を作成しました。

演習に先立って、この森林経営計画の概要や実施に関する基準の構造などについての詳細な解説が行われました。

 

休憩時間にもかかわらず、研修生からはこの制度の取り扱いについて熱心な質問があり、講師はホワイトボードを使ってわかりやすく解説していました。 

 

この演習は、森林経営計画における間伐と森林作業道整備に対象を絞り、森林管理・環境保全直接支払制度（※）との関連を意識しながら計画作成の演習を行い、

1. 必要な情報は何か
2. 准フォレスターとしての指導のポイント
3. 森林施業プランナーとしての計画作成のポイント

を把握することが目的です。

 

まずは対象森林の概況と全体の間伐計画の必要面積を把握することからスタート。
森林調査簿等を調べながら、間伐の必要箇所をチェックしていきます。

 

森林管理・環境保全直接支払制度を活用するイメージをもって間伐対象箇所の検討を進めます。

 

講師のアドバイスを受けながら、パソコンを使って間伐の計画量などを集計していきました。 

 

間伐に必要となる森林作業道の予定線の検討も行いました。

 

どのような議論をおこない、計画ができあがったのか、しっかりまとめて発表するために、最後の詰めも重要です。

研修生のみなさんは、時間いっぱいまで真剣な検討と発表の準備を続けていました。

 

明日はいよいよ研修の最終日、その中で各班の力作が発表されます。