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森林・林業再生プランを実行する人材の育成森林・林業再生プランのポイントは、戦後造成し、現在充実しつつある森林資源を有効に活用するとともに、無秩序な伐採の抑制や適切な更新を確保し、持続可能な森林経営を実現していくため、新たな森林計画を実効あるものとすることです。 そのためには、市町村森林整備計画の策定や森林経営計画(仮称)の認定・実行監理など森林計画制度の運用を現場で担う市町村を技術面から支援する新たな人材として、高度な知識・技術と豊富な実務経験を有するフォレスターの育成と活用が不可欠なものとなっています。 また、対象区域内の森林所有者をまとめ森林経営計画(仮称)を作成するキーパーソンになる森林施業プランナーや森林作業道を地形、地質等の現地の条件に応じて開設したり高性能林業機械を操作したりするオペレーターなどの現場の技術者・技能者の育成が不可欠となっています。 このような中、平成23年度以降、北海道森林管理局は、森林・林業再生プランを踏まえ、国有林野の多様な立地を活かして、北海道における森林経営のニーズに最も適した研修フィールドや技術を提供することなど集合研修(准フォレスター研修、林業専用道技術者研修)等を実施し、人材を計画的に育成していく予定です。
フォレスターとは「フォレスター」は、市町村森林整備計画の策定支援を通じて、地域の森林(もり)づくりの全体像を描くとともに、市町村が行う行政事務の実行支援を通じて、森林所有者等に対する指導等を行う人材です。 フォレスターの育成には一定の期間を要するため、平成25(2013)年度からの資格認定を目指し、それまでの間は、「准フォレスター研修」を受けた者が市町村森林整備計画への支援業務を行うこととしています。
准フォレスター研修准フォレスターとは、フォレスターが認定され本格的に始動するまでの間、都道府県職員や国職員等のうち森林計画制度に関する研修(准フォレスター研修)を受けた者を認定するものであり、市町村森林整備計画の策定等の支援業務を行います。 研修では、市町村森林整備計画の概要、市町村森林整備計画演習、路網と作業システム、路網線形計画、森林施業の集約化、森林経営計画の概要、森林経営計画作成演習、森林整備企画演習(路網整備等効率的な施業構想の策定)、森林施業における労働安全、木材流通・販売等の多岐にわたるカリキュラムを受講し、准フォレスターとして必要な知識と技術を習得します。
林業専用道技術者研修林業専用道とは、森林づくりを進めていく上で欠かす事のできない路網づくりにおいて、幹線となる林道を補完し、森林作業道と組み合わせて、森林施業の用に供する道路をいい、従来の林道と比較して、地形に沿った屈曲線形及び波形勾配を採用して土工量の軽減を図り、簡素な構造を目指す新たな林道です。 研修では、林業専用道を作設していくために必要な知識、技術を講義、演習及び現地での検討等を通じて習得します。
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林業専用道技術者研修(第1コース)平成23年8月8日~10日 林業専用道作設ルートの発表を行いました~3日目(平成23年8月10日)今後の活動に向けたディスカッション(講師:(株)北海道森林土木コンサルタント 帯広事務所長 徳地氏、北海道森林管理局販売第二課・森林整備第二課、林野庁整備課)
発表前の最終検討中。みなさん真剣です。
発表では各グループが何度もルートを練り直し作成した図面が大画面に投影される中、どのように検討しこのルートを選んだのか、工夫した点、悩んだ点などの説明が行われ、それに対しての他のグループからの意見や質問に答え、その後、講師陣から助言を受ける形で進められました。 各グループからは「尾根部に広い平坦地があることから土場に利用することにし、その尾根を目指し傾斜が緩やかなルートを考えた」、「集材区域を考えて、林業専用道(10t積み程度のトラックが走行できる規格の道)と森林作業道(前者より低規格で、フォワーダなどの林業機械が走行する道)の役割分担を考てルートを選んだ」、「大型車の走りやすさを考え、縦断勾配7%以下を目指して緩やかな場所を探し、山の地形なりにルートを選んだ」、「最初にアプローチする斜面をどこにするか相当悩んだ」といった発表がありました。
研修生は普段から森林土木技術者として活躍していますので、技術者としての鋭い質問が多く出され、発表者も真剣に回答していました。 講師からは、「地形のいいところをまず目指す」、「壊れにくい道とするためには、できるだけ地山を削らないことも念頭に」、「地形図では沢地であっても、現地に行ってみると水が流れた形跡のないところもある。沢を渡るときはこのようなところも検討を」、「道路を付けることが目的ではなく、土場の位置、集材距離、搬出方法なども総合的に検討しルートを選定する」ことなどについて、詳細な技術的解説が行われました。 続いて、林業専用道の設計上の留意点について、復習を含めた講義が行われました。
恒久的、長期的な使用に耐える林業専用道を作設するために留意しなければならない事項については、講師からルート選定の模範例や失敗例などをスライドで示しながらの解説が行われました。
講師からは「路線選定には踏査と予測の繰り返しが重要である」、「道路の作設単価が半分になれば、同じ予算で倍の距離の道が作れるということを念頭に」、「距離が短くすむルートを選んでも、排水処理など付帯工事の工費が高くなることもある、多角的にルートを考えてベストな選択を」、「わずかな地形の変化を見極め、ルートを数メートルずらすだけで、地質的により安定したルートとなる場合もある」、「地形図には現れない地形を現地をくまなく歩いて見つける事がさらに重要になってくる」 といった多くのアドバイスが行われました。 また、質疑応答の時間も取られ、研修生の皆さんは講師からの詳細な解説を受け、いろいろな知識・技術を共有し合い講義を終了しました。
研修生の皆さん、暑い中大変お疲れ様でした。
Posted by 指導普及課|2011.8.10|林業専用道技術者研修 |