ホーム > 森林管理局の案内 > 森林管理署等の所在について > 津軽森林管理署 > わぃはぁ通信 > 平成27年度コンテナ苗現地検討会の開催について
津軽森林管理署では、青森県におけるコンテナ苗の普及促進を目的に、昨年度から引き続き2回目の「コンテナ苗現地検討会」を計画したところです。この取り組みは、津軽流域全体の取り組みとして、津軽流域林業活性化センターが主催、中南地域県民局地域農林水産部及び津軽森林管理署が共催となり開催する運びとなりましたので、当日の状況についてお知らせいたします。
当日は、好天にも恵まれ、国・青森県の機関、関係市町村、林業事業体、種苗事業体等から42名の参加者があり、午前は「津軽流域におけるコンテナ苗の普及について」と題して平成26年度からのコンテナ苗の普及促進に向けた取り組み状況の報告とコンテナ苗試験地の調査報告、午後は2箇所目の生育調査を行う試験地へのコンテナ苗と普通苗の植栽体験を行いました。
参加者の中には、コンテナ苗を初めて見たという方もいらっしゃいましたが、コンテナ苗を実際に見ていただき、また、植栽を行っていただくことで、コンテナ苗の特徴や今後の低コスト造林について理解を深めていただけたものと考えております。
西日本において人工造林伐採跡地の植栽が進まず、造林未済地から山地災害が頻発したことに端を発した再造林問題は、現在、全国的な課題となっており、森林資源の循環利用に向けた再造林を着実に推進することが求められている。
当流域においても、人工林の伐採に対し、再造林の実績が低位に留まっていることから「コンテナ苗現地検討会」を開催し、低コストでの再造林が可能なコンテナ苗の生育状況や植栽方法について理解を深め、その普及を図る。
平成27年10月16日(金曜日)
1.コンテナ苗の育成状況等の報告(津軽森林管理署)
2.コンテナ苗の植栽方法の指導及び普通苗とコンテナ苗の植栽体験
午前中は平川市碇ヶ関公民館に集合し、津軽森林管理署から2014年より取り組んでいるコンテナ苗普及促進に向けた取組状況や昨年度設置したコンテナ苗試験地の調査状況について報告があり、意見交換も合わせて行いました。
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はじめに、今回のコンテナ苗現地検討会の主催者からの挨拶ですが、津軽流域林業活性化センターの山田会長が都合により欠席となりましたので、津軽森林管理署長より、コンテナ苗現地検討会を開催した趣旨などについて、また、今後、当流域にとってもコンテナ苗による低コスト造林が必要であり、コンテナ苗の普及も急がなければならない、参加者の皆さんに是非コンテナ苗に触っていただき、身近なものにし、理解を深めて欲しいとの挨拶がありました。 |
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次に津軽森林管理署によるコンテナ苗の育成状況等の報告です。 報告は、「津軽流域におけるコンテナ苗の普及について」と題して、これまでの普及活動と今後の展望について説明しました。 内容については次のとおりです。 1.コンテナ苗の普及に向けた活動報告 2.コンテナ苗試験地調査結果 3.種澤種苗園によるコンテナ苗の育苗試験の状況
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始めに、コンテナ苗の普及に向けた様々な取組について報告がありました。 平成26年度の林業事業体等の岩手県のコンテナ苗の普及状況視察から始まり、現地検討会を開催しながら、弘前市の種澤種苗園において育苗試験が行われるようになったまでの、取組状況の報告です。 詳しい内容は画像をクリックしてください。 |
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続いてコンテナ苗試験地調査結果の説明です。 平成26年度の現地検討会において普通苗とコンテナ苗をコンテナ苗試験地に植付しましたが、その試験地の調査結果について説明しました。 詳しい内容は画像をクリックしてください。 |
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最後に、弘前市の種澤種苗園でのコンテナ苗育苗試験についての報告です。 今年度6月に岩手県の種苗事業体に視察した種澤種苗園が本格的な生産に向けて行っている育苗試験について説明しました、また、合わせて青森県立五所川原農林高等学校による現地実習についてもお知らせします。 詳しい内容は画像をクリックしてください。 |
午後は、あらかじめ設定した試験地に異動し参加者全員で植栽体験をしました。
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試験地の概要 場所:青森県平川市碇ヶ関西碇ヶ関国有林732林班へ4小班 プロット数:2箇所(1プロット縦20メートル横20メートル)で普通苗1カ所、コンテナ苗1カ所(コンテナ苗は岩手産100本) 植栽樹種:スギ 植栽本数:プロット1カ所あたり100本(ヘクタールあたり2千5百本)
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当日、植付けした普通苗とコンテナ苗です。 |
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植付け作業の前に普通苗とコンテナ苗を見ていただき、コンテナ苗の根鉢に触っていただきました。 「思っていたよりもコンテナ苗の根鉢がしっかりしている」との感想でした。 |
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次に津軽森林管理署によるコンテナ苗の植栽方法について説明をしました。 コンテナ苗は専用器具(ディブル)を植付箇所に刺し、植付穴をあけます。 次に、植付穴にコンテナ苗を入れて根鉢部分を押し込みます。 普通苗と違い、根踏みをする必要もありません、根鉢と土が密着する程度に押さえるだけで結構です。 |
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先に普通苗の植付けをしていただきました。普通苗は唐鍬で植え付ける穴を掘ります。 |
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植付け穴に苗の根を広げながら置き、土をかぶせていきます。 |
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最後に、苗の周りを足でしっかり踏み固め、根と土を密着させます。 これで普通苗の植付けは終了となります。 穴掘りから植付けまで、腰を曲げた中腰での作業になります。 |
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一方、コンテナ苗は専用の器具(ディブル)を土に刺し、植付け穴をあけます。 土に刺したら、少しハンドルを円を書くように回し、穴を広げます。 写真のようにコンテナ苗の根鉢がディブルよりも少し太いようですので、穴を広げ根鉢を入れやすいようにします。あまり広げすぎると根と土が密着しないので、その辺は少し慣れも必要かと思います。
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穴をあけたら、コンテナ苗の根鉢を穴に入れ、根鉢と土が密着するように根鉢を押し込みます。ここで一度中腰での作業となります。 これで、植付けが終了となります。
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当日、現地検討会を取材に訪れた地元紙の記者の方にもコンテナ苗を植付けしていただきました。 作業の簡単さに驚いていました。 |
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参加者の皆さんの中には、昨年も参加された方もおり、コンテナ苗の植付けも手慣れたような方もいらっしゃいました。 昨年度に比べると、コンテナ苗もだいぶ認知されてきたように感じられました。 参加者からは、いつ頃からコンテナ苗を使用できるのか、値段はいくらぐらいか、などかなり具体的な質問もありました。 最後に中南地域県民局地域農林水産部の林務調整官より、青森県の「青い森再造林推進プラン」や低コスト造林の必要性についての説明があり、早い時期にコンテナ苗を利用した一貫作業について、具体的な取組を進めてまいりたい、今後も皆様の協力を賜りたいと挨拶がありました。 これで、現地検討会のスケジュールは全て終了となりました。
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今回2回目の、「コンテナ苗現地検討会」を開催しましたが、初めてとなった昨年度に比べると、コンテナ苗について知っている方が多くなっていること、導入に向けて具体的な意見をもっている方もおり、コンテナ苗の認知度もかなり上がったのではないかと感じられました。
今後は、コンテナ苗の利用にシフトしていかなければなりません。いかにコンテナ苗を有効に活用し、低コスト造林を確立させるかが課題となってきます。
来年度、津軽森林管理署では、コンテナ苗を利用した低コスト作業の現地検討会を計画し、津軽流域における低コスト造林の普及をはかり、再造林率の向上に努力してまいりたいと考えております。
皆様のご理解とご協力、また、応援を宜しくお願いします。
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津軽森林管理署
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