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今後の路網整備のあり方検討会

現行の森林・林業基本計画が策定されてから4年が経過しようとしている中で、これまでの路網整備の取組の評価や、課題の整理を行うとともに、森林・林業をとりまく情勢の変化や豪雨等による災害の激甚化等を踏まえ、今後の路網整備のあり方について検討を行っています。

第1回今後の路網整備のあり方検討会

【日時及び場所】
令和2年3月25日(水曜日)15時00分~17時30分
農林水産省 北別館8階 林野庁AB会議室
東京都千代田区霞が関1-2-1

【主な意見等】
・幹線として、どこを重点的に整備するのか実のある市町村森林整備計画にするべきではないか。また、守るべき道をはっきりさせて改良・維持管理(選択と集中)を図るとともに、きちっとした林道をつくっていくべき。

・手前の市町村道や農道が狭く奥に行けないといった課題には、地方創生道整備推進交付金の活用が可能であるが、市町村の腰は重いのが現状。また、住民の減少により市町村道の維持管理さえ困難な状況であり、公道との連携により拡幅が実現しても、その後の維持管理が課題。

・木材の大量輸送への対応として、ドライバーファーストの林道のあり方を議論していくべき。また、作業余裕幅を土場代わりとして使う、ストックヤードにするなど、林業専用道の活用をもっと考えるべき。

・これからは主伐・再造林という中で、トータルコスト(全木集材・地拵えの省力化、シカ柵ネットの運搬など)を考えていけば良い。できるだけ大型の車両が架線現場まで行き、そこから大径材を出すことができるようにする、また、バイオマス利用であれば、チッパーもなるべく山に近いところまで持って行ければ良い。

・高規格な林道があるところは、林業活動も盛んである。木材の安定供給のために、尾根沿いの高規格な既存の林道の活用を進めるべき。

・集材路が災害に繋がっているケースもある。集材路は、補助対象となっていないので指導が難しく、今後皆伐が多くなってくると、事態は深刻になってくるかもしれない。

・尾根に集積場がある方が使いやすく、尾根道を推進するための考え方を示してはどうか。

・森林作業道で実施する波型排水は、作りが悪いと逆に水を集めてしまうため、きちんとした設計・監督が必要。また、最近の被災状況を見ると、舗装が流失するなど被災状況の質が変化している。盛土や構造物を入れた箇所の被災が多く、路盤工は、従来の降雨なら耐えられたものが、転圧不足で崩壊に繋がったものもある。施工監督管理が重要であり、林道設計基準の見直しも必要。

・迂回路、代替路となる林道について、林道台帳のデータ化を他部局との共有、そのためのデータの標準化が必要ではないか。

・大規模な山火事に備えて、消防車や救急車の通行できる林道や、防火機能のある林道を整備してはどうか。

・森林・林業土木技術者の育成が不足しており、国・都道府県が研修を強化して、育成していくべき。また、研修のための指導者を育てないと、技術者不足の解消に追いついていけない。技術者育成の基盤が揺らいでおり、基幹的に教えられる人が必要。技術者の充実については、林業大学校、大学の林学科、学会など業界全体で考えるべきでないか。

・路網設計支援ソフト(航空レーザデータを活用してパソコン上で線形を計画)の活用を進めるべきでないか。また、ドローンによる測量精度は高まっており、測量のための省力化には、ドローン計測も使える。ただし、必ず山を見て歩くのは前提で、レーザ計測はあくまで補助的に使うもの。

【配付資料】
第1回検討会資料1(一式)(PDF : 5,641KB)
第1回検討会資料1-1(PDF : 1,419KB)
第1回検討会資料1-2(PDF : 1,657KB)
第1回検討会資料1-3(PDF : 1,695KB)
第1回検討会資料1-4(PDF : 1,460KB)
第1回検討会資料1-5(PDF : 1,427KB)
第1回検討会資料1-6(PDF : 1,502KB)
第1回検討会資料1-7(PDF : 1,718KB)
第1回検討会資料2(PDF : 353KB)



第2回今後の路網整備のあり方検討会 

【日時】
令和2年5月29日(金曜日)
書面により開催

【主な意見等】
1. 民有林林道等整備計画について
・市町村森林整備計画を地域の森林のマスタープランとして、森林の経営方針や施業方法等を明らかにし、林道等の路網整備については民有林林道等整備計画で幹線、支線・分線を明確にして具体的な路線配置計画を作成する必要がある。その際には、森林総合監理士やプランナー等を積極的に活用し実のある計画とする。

新たな民有林林道等整備計画の作成にあたっては、地方自治体の技術者不足が課題。地元林業関係者や林道のユーザーの意見も反映させる仕組みも必要ではないか。

民有林林道等整備計画の見直しにあたっては、山地保全や開設コストに影響する地形・地質の安定性も踏まえることが必要。

長期的な路網整備計画にあたっては、地形的な林業適地をゾーニングする視点が必須。

民有林林道等整備計画の中にも、全体計画における施業計画に類するものを示すべき。

ある程度の規模以上の投資を行う以上、長期の利用・生産計画が重要ではないか。

尾根沿いの道の整備には、広域的・多面的な計画が必要。都道府県域を跨いで大局的に稜線林道を計画することも重要ではないか。

2. 林道と市町村道との連携について
ボトルネックとなる区間については、木材市場等の位置を勘案して、起点・終点や一部区間についてのルート変更を再検討することが必要。

山林域から高規格な道(一般道・大規模林道)が通じている地域を抽出し、その地域から優先的に林道を整備していく発想も必要。

3. 林道の維持管理について
林道の維持管理を継続的に行うためには、省力化が必要。例えば、路面や切土法面の画像を継続的に収集すれば、補修・点検すべき変化箇所を自動的に抽出することが可能。

林道の維持管理費が増大している現状にある。農業にある多面的機能支払交付金のような制度の導入を検討してはどうか。

林道の維持管理には、路網の規模や利用目的に応じた管理方法を示すことが必要。

マニュアル化に向けては、近年の被災地の特徴等を詳細に調査し、検証することが必要。林業専用道や森林作業道に至っては、維持管理の状況すらも把握できていないので、情報収集を進めるべき。

林道利用者が林道の損壊を発見する場合もあるので、林道情報の提供としてQRコードを活用してはどうか。

4. 林道規程の改正について
林道規程にトレーラが加わり、ドライバーファーストの視点で改正されたのは、時宜を得たもの。ただ、トレーラは上手に積まないと転倒の危険性もあり、注意標識などの安全対策もこれから求められる。

林道に必要とされる機能には木材の輸送に係るトラフィック機能と森林の施業に係るアクセス機能の両方があり、これら機能はトレードオフの関係にあるので両方のバランスを図った道づくりをすることが重要。

トレーラ道を整備するのであれば、現実的には既存路線の改築が中心になると思われるが、改築での対応についての情報がほとんどないため、情報収集したほうが良い。

基幹道(広域基幹)として開設された路線は、地域の森林・林業にとって重要な路線となっているので、第1種自動車道への改築・改良等を検討されたい。ただし、大型車両が通行する林道は、拡幅量の増大や緩和区間が長くなるなど、森林環境へのインパクト量も大きくなるので、本当に大量輸送を必要とする地域について地形・地質、森林の状況等に十分留意して計画・設計することが重要。

林業専用道の運用実態の把握や、さらなる規模拡大の可能性の検証、高規格道によるトレーラ輸送が効果的にできた事例の紹介・分析が必要。

【配付資料】
第2回検討会資料1(PDF : 699KB)
第2回検討会資料2(PDF : 1,821KB)
第2回検討会資料3(PDF : 424KB)


第3回今後の路網整備のあり方検討会

【日時及び場所】
令和2年8月4日(火曜日)15時00分~17時30分
農林水産省 北別館8階 林野庁AB会議室
東京都千代田区霞が関1-2-1

【主な意見等】
1. 作業システムの進展・普及への対応について
急傾斜地では、タワーヤーダのような大型の高性能林業機械に対応して林道を延伸することが難しく、集材機による集材を念頭においている。このように、どこまで林道を延伸するかは地域の作業システムによって異なるものと考える。

木材の大径化、林業機械の大型化に対応できる林道の幅員と作業ヤード、土場の確保が重要。一方で、林地保全とのバランスや投資の重点化の観点も重要であり、日本の林業にあった作業システムを開発・改良していくべき。

主伐時における伐採搬出指針(案)については、位置付けを明らかにし、実効性を持たせることが重要。しっかり運用できるチェックリストや事業体・市町村の人材育成も重要。

土場は、一時的な集積以外にも荷下ろしや造材などの作業場所としての要素もきちんと定義して欲しい。集材路は道ではなく一時的な搬出施設として整理し、森林作業道とは違うということを明確にすべき。

主伐時における伐採搬出指針(案)について、事業実施後の枝条等の整理にあたっては、廃棄物担当部局との連携も有効。

主伐時における伐採搬出にあたって、優良事例を表彰することも検討してはどうか。指針は、林業経営体だけではなく、林業従事者の労働安全の観点からも重要。

伐採旗制度は、周囲から見られることで、法令遵守の意識向上が図られるといった効果がある。

2. 災害に強い路網整備への対応について
使いながら堅固な林道にしていくためには、こまめに点検やパトロールを行い、被害が小さいうちに補強修復改良を行っていくことが重要。

災害に強い林道のためには、水の処理が重要。排水が必要な箇所には、暗渠工、開渠工等を適切に設置するとともに、呑み口保護工、落差工、流末処理工など附帯する施設も開設の段階でしっかり作ることが重要。

開設しやすくて条件の良いところには既に道があるので、それを有効に使っていくことも重要。このための既設林道の改良が重要。

新しい林道規程では最大縦断勾配が緩くなっており、到達できない箇所も増えてくるので、それを前提とした作業システムや収穫範囲をよく認識すべき。

林道台帳の電子化にあたっては、独立したデータでは意味がなく、他部局との連携が図れるように、公道等との連続的ネットワークが判る形とすることが重要。

3. その他
民有林林道等路網整備計画で新たに設けようとしている「路線の優先度」については、国に判断基準を示して頂きたい。

民有林林道等路網整備計画の策定の際、民有林と国有林が隣接する箇所では、連携して計画して頂きたい。

市町村としては林道の適正な維持管理の財源確保が課題。林道維持管理マニュアルの周知とともに、森林環境譲与税を活用した維持管理の優良事例の紹介もお願いしたい。

【配付資料】
第3回検討会資料1-1(PDF : 696KB)
第3回検討会資料1-2(PDF : 595KB)
第3回検討会資料2-1(PDF : 1,275KB)
第3回検討会資料2-2(PDF : 1,642KB)
第3回検討会資料2-3(PDF : 1,470KB)
第3回検討会資料2-4(PDF : 1,499KB)
第3回検討会資料2-5(PDF : 359KB)
第3回検討会資料2(一式)(PDF : 3,440KB)



第4回今後の路網整備のあり方検討会 

【日時及び場所】
令和2年10月27日(火曜日)15時00分~17時00分
農林水産省 北別館8階 林野庁AB会議室
東京都千代田区霞が関1-2-1

【主な意見等】
1. 森林・林業土木技術者の人材不足への対応について
森林施業と連携した林道の全体計画が最も重要で、土木技術に加えて、林道を通す目的・意義を説明できる人材が重要。

全体像を描くことが重要で、フォレスター研修をもっと充実させることが必要。測量機器等の研修よりも、現場で地形・地質を見て歩くことが重要。

市町村では、公共土木、農業土木等を経験すれば技術的なことは習得できるが、森林資源をどれだけ活用できるのか、地元にどれだけ還元できるのかなど、林道を開設した際の全体像を描く力が足りていない。

・ICTの活用にあたって、データは完璧ではなく、最終的には現場を見る力や判断力が必要。実務的に必要なレベルはどこまでで、どこまでICTに任せるのかの議論が必要。

・ICTを活用しても、必ず現場を歩くことが必要。路網設計支援ソフトにより現場に行く回数は減らせるかもしれないが、現場を見る目の重要性は変わらない。

学生に森林土木技術の重要性を理解してもらうためにも、彼らの興味だけに任せるのではなく、採用側からも、森林・土木技術の必要性をアピールして欲しい。

発注者の意図を的確に汲んで、監督・指導が出来る人材の育成も重要。

架線集材には技術が必要なので、専門業者として、全木集材から地拵え、再造林まで出来る事業体の育成が重要。

・都道府県、市町村ともに、技術者や経験が不足。現場実習も交えた自治体の研修は有効。

路網の研修については、これまでの研修で「評価する部分」と「足りない部分」をしっかりと検証し、人材育成のターゲットを明確にすべき。

2. 路網整備水準の適切な指標・目標のあり方について
質の評価は非常に大事。既にある道をどうグレードアップさせていくか、路網密度の数字だけではなく、基幹的な林道の提示の方法を考えていくことも重要。

採算性の観点から、森林面積や資源量を指標に入れることは重要。

質の評価としては、運送車両の最大積載量や速度など、木材の大量輸送の観点が重要。

・路網の延長、密度については、最新の架線集材機など新たな機械やシステムを考慮した最適な数字を導き出して欲しい。

3. その他
皆伐地を調査しているが、実態としてほとんど集材路のみで作業しており、その後の造林・保育に利用できるのか疑問。必要最低限の森林作業道を作設するように促せないか。

集材路と森林作業道の考え方を整理・周知して、継続的に用いるものは、しっかり残すことが重要。

災害リスクを避けて、本当に必要なところに必要な道を開けていくことが重要。

架線集材では木材が集中して搬出されるので、セミトレーラが通行できる林道の整備と併せて、作業土場と丸太等をはい積・ストックする土場の二段式土場も有用と考える。

森林環境譲与税を活用した林道の維持管理については、森林施業と一体的なものなどの優良事例を紹介していくべき。

【配付資料】
第4回検討会資料1(PDF : 695KB)
第4回検討会資料2(PDF : 1,601KB)


第5回今後の路網整備のあり方検討会

【日時及び場所】
令和2年12月16日(水曜日)15時00分~17時00分
農林水産省 北別館8階 林野庁AB会議室
東京都千代田区霞が関1-2-1
【主な意見等】
幹線林道の整備は、これまで取り組んできた林業専用道の成果をベースとして考えるととともに、優先順位を検討することが必要。

セミトレーラ等の大型車両が通行可能な林道の開設・改良を進めるべきだが、その際は林地保全にも配慮すべき。

民有林林道整備計画の策定にあたっては、都道府県が優先順位・必要性を判断するために、森林施業等の情報の洗い出しが重要。

「作業システムの変化」では、緩傾斜地におけるシステムも記載すべき。また、現在の技術と将来の技術が混在した記述となっており整理すべき。

林道の長寿命化を考えると、林道の維持管理コストやその財源が大きな課題。維持管理を含めたトータルコストの低減について合理的に説明し、開設時にしっかりした道を作設すべき。

林道の維持管理にあたっては、地域ボランティアの取組が重要であり、その活動のPRや表彰制度があればいい。

森林作業道については、必要な箇所に道を付ける判断やアドバイス・評価できる技術者が必要。

災害時に備えて、代替路における重機の格納庫や燃料の備蓄庫などロジスティックの面についても考慮すべき。

雨の降り方が変化しており、これに対応して林道技術基準の見直しが急務。現行の林道技術基準において、降雨確率年は10年を標準としているが、林道技術基準の見直しにあたっては、降雨確率年の考え方も柔軟にすべき。

沢や河川の横断部では林道事業のみでは対応できない場合があり、治山技術との連携ももっと図るべき。

林道台帳の電子データ化・共有化にあたっては、急には難しいので順次移行することも考慮すべき。また、災害時に活用するため、将来的にはオープン化することも視野に入れるべき。

・GISに搭載する林道の路線データのうち、防災上重要なものとして、例えば、人家の有無、アクセス道の有無などが挙げられる。

人材育成にあたっては、長期的視点に立った育成・研修が必要。

・ICTの導入については、導入自体が目的ではないので、ICT技術で具体的に何をしようとしているのか書き込むべきではないか。

・ICT等新技術の導入を進めるためにも、若手人材の確保が重要。

林業に精通した市町村職員も人事異動で部署が換わる。このため、こういう職員に対して、国、都道府県が長期的に技術的なサポートをして欲しい。

森林空間に対するニーズの多様化では、国際森林年のテーマであった「森を歩く」(森に親しむ)という思いも重要。路網は、森と人との接点としてこれにも貢献するもの。


【配付資料】
第5回検討会資料(PDF : 597KB)

今後の路網整備のあり方検討会報告書 NEWアイコン

今後の路網整備のあり方検討会報告書(PDF : 295KB)


お問合せ先

森林整備部整備課

担当者:企画班
代表:03-3502-8111(内線6172)
ダイヤルイン:03-6744-2303

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