第1部 特集 第1節 持続可能な社会の実現に向けた世界的潮流と我が国の森林資源の充実(3)
(3)我が国の森林資源の充実と利用の現状
我が国は、国土面積3,780万ha(*12)のうち森林面積が2,502万ha(*13)となっており、森林が国土の約3分の2を占める世界有数の森林国である。世界全体では森林減少が続いている中、我が国の森林面積は70年以上にわたって維持されている。
他方で、これまでの我が国の歴史においては、戦中・戦後に大量の伐採が行われた一方で、造林が追い付かずに森林の荒廃が生じ、各地で大規模な災害が発生したことから、復旧造林が推進されるとともに、戦後の経済復興を背景とする旺盛な木材需要に対応するため、拡大造林が進められてきた経緯がある(*14)。
これらの取組により造成されてきた人工林は約1,000万haに及び、森林面積の約4割を占めるが、長らく下刈りや除伐、間伐等が必要な育成段階にあったことから、旺盛な木材需要の多くは輸入材により賄われることとなり、木材自給率は平成10年代前半から半ばにかけては一時20%未満まで低下した。
現在は、長い育成段階を経て人工林の約6割が51年生以上となり、ようやく本格的な利用期を迎えるに至っている(資料 特-3)。また、この人工林を中心とした森林資源の充実や、技術革新による合板原料への用途拡大、燃料材需要の増加等を背景に、国産材供給量は着実に増加し、10年前と比べて主伐材は2倍近くまで増加している(資料 特-4)。木材自給率も近年は40%を超え、令和6(2024)年には42.5%となっている。
気候変動対策や生物多様性の保全への関心が高まる中、林業適地の人工林においては、生物多様性の保全等にも配慮しながら適正な主伐・再造林を行うことで、成長の旺盛な若い森林を造成するとともに、木材を利用することを通じて、森林資源の循環利用を図ることが重要となっている。くわえて、林業を継続するための条件が厳しい人工林における針広混交林化や、天然林のうち里山林等における継続的な利活用を図ることも重要である。
このように、持続可能な社会の実現に向けた世界的な潮流の中で、充実してきた我が国の森林資源を活用し、建築物等への木材利用の拡大を図るとともに、木材利用の持続性や公益的機能の確保に必要な再造林を推進することで、森林資源の循環利用を確立することが求められている。
(*12)国土交通省「令和8年全国都道府県市区町村別面積調(1月1日時点)」
(*13)林野庁「森林資源の現況(令和4年3月31日現在)」
(*14)我が国の森林整備を巡る歴史については、「平成25年度森林及び林業の動向」第1章第2節24-35ページを参照。
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