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林野庁

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第1部 第3章 第2節 木材利用の動向(5)

(5)木材輸出の取組

(木材輸出の概況)

我が国の木材輸出は、中国等における木材需要の増加等を背景に増加傾向にある。令和4(2022)年の木材輸出量は、中国におけるロックダウンや米国における住宅金利の高騰などによる需要減少等の影響を受け、丸太が約132万m3(前年比9.2%減)、製材が約17万m3(前年比16.8%減)、合板等が約13万m3(前年比6.7%減)となった(*68)。一方、令和4(2022)年の木材輸出額は、世界的に木材価格が高い水準で推移していたことや円安等の影響を受け、前年比11.0%増の527億円となった。品目別にみると、丸太が206億円(前年比2.4%減)で全体の約4割と最も多く、製材が92億円(前年比5.8%減)、合板等が115億円(前年比47.1%増)となった(資料3-26)。

丸太については、その8割が中国へ輸出され、こん包材、土木用等に利用されている。また、製材については、米国向けのスギフェンス材の輸出が増加している。


(*68)財務省「令和4年分貿易統計」(確々報値)



(木材輸出拡大に向けた方針)

人口減少等により、国内の農林水産物・食品の市場規模の縮小が見込まれる中、海外市場を獲得していくことが重要である。令和2(2020)年に「農林水産物及び食品の輸出の促進に関する法律」が施行され、同法に基づき、農林水産物・食品輸出本部を農林水産省に設置し、輸出促進の取組を進めてきた。また、「食料・農業・農村基本計画」(令和2(2020)年3月閣議決定)等において、農林水産物及び食品の輸出額目標を設定した。木材、特用林産物を含む林産物の輸出額については、令和7(2025)年までに718億円、令和12(2030)年までに1,660億円を目指すこととしている。

令和4(2022)年12月に改訂された「農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略」において、木材については、付加価値の高い製材及び合板を輸出重点品目とし、中国、米国、韓国、台湾等をターゲットに輸出拡大を目指すこととしている。同戦略では、輸出先国・地域のニーズに応じて、業界一体となって、製材・合板の輸出促進に取り組むこととしている。また、木材製品を生産する木材加工施設を中心に、原料を供給する川上から販売を担う川下までの企業等が連携する輸出産地の育成・展開を図ることとしている。


(具体的な輸出の取組)

林野庁では、輸出拡大に向け、SNSなどを用いた日本産木材製品の認知度向上の取組、海外販路の開拓、輸出に取り組む産地の育成、相手国の建築士等を対象にした木造技術講習会の開催、輸出先国のニーズ・規格等に対応した性能検証等の取組を支援している。

さらに、独立行政法人日本貿易振興機構は、木製食器などのオンライン商談等の支援を実施している。

また、令和4(2022)年10月に、農林水産省は「農林水産物及び食品の輸出の促進に関する法律」に基づき、農林水産物・食品輸出促進団体(いわゆる認定品目団体)に一般社団法人日本木材輸出振興協会を認定した。同協会では、展示会等を通じた販売促進活動や、国内事業者向けの輸出促進セミナーの開催、ジャパンブランドとしてのロゴマークの策定、日本産製材等の輸出標準指針の策定等を行っている。今後は同協会を中心として、オールジャパンでの輸出促進に向け、業界共通の課題解決に向けた取組や海外における販路開拓等に取り組むことが期待される(資料3-27)。

資料3-27 日本木材輸出振興協会の取組
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