第1部 第3章 木材需給・利用と木材産業

禅坊 靖寧
（ウッドデザイン賞2022優秀賞
（林野庁長官賞））
（写真：平井広行氏）

我が国では古くから、木材を建築、生活用品、燃料等に多用してきた。我が国の木材需要は近年回復傾向にあり、合板等への国産材の利用が進んだことなどから、国産材供給量は増加傾向にある。

木材の利用は、地球温暖化の防止など、森林の有する多面的機能の持続的な発揮や地域経済の活性化にも貢献する。近年では、住宅分野に加え、公共建築物のほか、民間建築物も含めた非住宅分野における構造・内外装での木材利用や、木質バイオマスのエネルギー利用等の多様な木材利用の取組が進められている。このような中、木材産業の競争力の強化や新たなニーズを創出する製品・技術の開発・普及に取り組む必要がある。

本章では、木材需給の動向、木材利用の動向及び木材産業の動向等について記述する。