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林野庁

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第1部 第3章 第2節 木材利用の動向(4)

(4)消費者等に対する木材利用の普及

(「木づかい運動」を展開)

木づかい運動でウッド・チェンジ!

林野庁は、平成17(2005)年度から一般消費者を対象に木材利用の意義を普及啓発する「木づかい運動」の展開を図ってきた。都市(まち)の木造化推進法で、10月が「木材利用促進月間」として位置付けられたことから、10月を中心に木材利用促進本部の関係省庁、地方公共団体及び企業や団体と連携して、木の良さを体感するイベントや、木材利用の意義に関する情報発信等を行っている。企業やNPO等においても、林野庁の補助事業を活用し、「木づかいシンポジウム2022」(事例3-3)が開催されたほか、地域材を用いた玩具、食器、家具等木製品の選択的消費を促すオンライン上のショッピングサイトが開設されるなど、木の良さや木材利用の意義を消費者に発信する動きがみられる。また、インフルエンサーによる森林体験ツアーの動画配信、「木づかいセミナー」のウェブ開催など様々な媒体を活用し、国民各層への発信が行われている。

事例3-3 木づかいシンポジウム2022

中高層建築物等の木造化・木質化における国産材利用の動きを更に拡大することを目的として、令和4(2022)年10月7日に室町三井ホール(東京都中央区)において「木づかいシンポジウム2022」が開催された。

中高層建築物の木造化・木質化に取り組んでいるディベロッパーやゼネコン、建築家、木材関連事業者、法律の専門家など多様な登壇者により、林業振興から木材利用、まちづくり、投資、新規ビジネスモデルまで幅広くカバーする7つのパネルディスカッションが行われた。主催者によれば、開催後、大手企業やスタートアップ企業を中心とした参加者からは、新たな木造化・木質化の取組に向けて登壇企業等との協業を希望する声が多数寄せられているとのことである。


また、「ウッド・チェンジ」を合言葉として、身の回りのものを木に変える、建築物を木造化・木質化するなどの具体的な行動の促進を図っている。この趣旨に賛同し木材利用の取組をPRする企業や団体等は、「ウッド・チェンジロゴマーク」(資料3-23)を使用できることとしており、これにより「ウッド・チェンジ」の露出を増やすことで、その認知向上や行動促進を図っている。令和5(2023)年3月末時点で250の企業や団体等でロゴマークが使用されている。

また、「木づかいサイクルマーク」(資料3-23)は、パンフレット等による広報活動や国産材を使用した製品への添付等により木材利用をPRするもので、令和5(2023)年3月末現在、383の企業や団体で使用されている。

資料3-23 ウッド・チェンジロゴマーク 木づかいサイクルマーク

(表彰に係る取組の展開)

都市(まち)の木造化推進法において、国及び地方公共団体は表彰を行うよう努めることとされている。

このような中、一般社団法人日本ウッドデザイン協会が主催する「ウッドデザイン賞」は、木の良さや価値を再発見させる建築物や木製品、木材を利用して地域の活性化につなげている取組等について、特に優れたものを表彰している。8回目となる令和4(2022)年度は、188点が入賞するとともに、最優秀賞において、これまでの農林水産大臣賞に加え、新たに経済産業大臣賞、国土交通大臣賞及び環境大臣賞が創設され、これに優秀賞等を合わせた28点が上位賞を受賞した(資料3-24)。

資料3-24 ウッドデザイン賞の受賞作品の例
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また、木材利用推進中央協議会が主催する「木材利用優良施設等コンクール」では、特に優れた木造施設や内装を木質化した建築物等を対象にその整備主体等(施主、設計者、施工者)を表彰している。令和4(2022)年度は、これまでの内閣総理大臣賞、3大臣賞等に加え、新たに文部科学大臣賞が創設されるとともに、国産材利用の拡大に資する取組を行った事業者を表彰する国産材利用推進部門が新設された。

これらの表彰により木の良さに対する理解が進み、建築物等における木材の利用や調達の新たな手法等がモデルとなって全国各地で木材利用の機運が高まることが期待される。


(「木育(もくいく)」の取組の広がり)

「木育(もくいく)(*67)」の取組は全国で広がっており、行政、木材関連団体、NPO、企業等の幅広い連携により様々な活動が実施されている。木のおもちゃに触れる体験や木工ワークショップ等を通じた木育活動、それらを支える指導者の養成のほか、関係者間の情報共有やネットワーク構築等を促す取組として、令和4(2022)年12月に「木育サミット」が、令和5(2023)年2月に「木育(もくいく)・森育楽会(もくいくがっかい)」が開催された。

また、林野庁の開発支援による「木育プログラム」を用いた小中学生向けの木育活動が、平成24(2012)年度から令和3(2021)年度までに、延べ337校で実施されている。


(*67)子供から大人までが木の良さや利用の意義を学ぶこと。木育に関する情報は「木育ラボ」ホームページ、「木育.jp」ホームページを参照。



(木材利用における林福連携の取組)

林福連携として、福祉関係者、林業・木材産業者、デザイナー、地域関係者等が協力し、福祉施設の利用者の作業性に配慮し、高いデザイン性も備えた製品開発の取組がみられる(資料3-25)。障害者等のやりがいと収入の向上等に資するとともに、地域ブランドの創出や地域材の魅力のPRにつながることが期待される。

資料3-25 林福連携による木工製品の例
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お問合せ先

林政部企画課

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代表:03-3502-8111(内線6061)
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