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林野庁

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第1部 第1章 第4節 行政機関、研究機関、教育機関等における人材の動向(2)


(2)研究機関の研究者等

国立研究開発法人森林研究・整備機構は、中長期的な視点に立ち森林の多面的機能の持続的な発揮による循環型社会の形成、新たな木材需要の創出や国産材の安定供給体制の構築による林業の成長産業化、中山間地域での雇用創出及び東日本大震災の被災地の復興支援に貢献する研究開発の中核的な役割を担っている。林業の成長産業化や森林の多面的機能の持続的発揮のためには、これを担う森林・林業分野の人材の育成や知の基盤強化による科学技術イノベーションの創出が不可欠である。

このため、国立研究開発法人森林研究・整備機構では、国内外における森林・林業・木材産業に対する社会ニーズ及び科学技術の動向を踏まえ、研究シーズの創出から事業ベースの実証研究に至る様々な研究成果が森林・林業・木材産業の担い手や関連企業等において活用されるよう、「橋渡し」機能を強化することとしている(資料1-23)。


具体的な研究としては、農林水産省の委託による「成長に優れた苗木を活用した施業モデルの開発」や、革新的技術開発・緊急展開事業による「ICT技術やロボット技術を活用した高度木材生産機械の開発」、「造林作業の負担軽減のための林業用アシストスーツの研究開発」等に取り組んでおり、今後の成果が期待されている。

さらに、これまでの森林・林業の枠を超える新たな価値を生み出すイノベーションといえる研究成果も現れてきている。国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所が中心となり、他分野の研究機関や工業系企業等と構成された研究コンソーシアムは、スギの木材に含まれるリグニンとポリエチレングリコールとの組合せにより、安定した工業材料である「改質リグニン」の製造技術や製品の開発を進めている。改質リグニンは、高い加工性と耐熱性を有しているため、強度を求められる繊維強化プラスチック用の樹脂として適しており、平成30(2018)年10月には、改質リグニンをボンネットや内装材に導入した世界初の実車搭載試験が開始(*46)されている。


(*46)本事例の詳細は、第4章(193ページ)参照。


お問合せ先

林政部企画課

担当者:年次報告班
代表:03-3502-8111(内線6061)
ダイヤルイン:03-6744-2219

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