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林野庁

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第1部 第1章 第3節 林業従事者の動向(2)


(2)学生や林業就業者へのアンケート

(森林・林業・木材産業を学んでいる学生・研修生へのアンケート調査)

林野庁は、平成30(2018)年12月に、森林・林業・木材産業を学んでいる学生・研修生を対象として、就業等に関するwebアンケート(*26)を実施した。

この結果によれば、学生の就業希望先は公務員(森林・林業・木材産業に関わる部門)が36.9%と最も多く、以下、研究者(森林・林業・木材産業に関わる部門)11.9%、素材生産事業者10.8%、森林組合10.8%、造林事業者4.6%、木材加工業者4.6%、森林を所有し林業経営を行っている業者4.6%と続いた。就業希望先として、林業経営体への就業希望は約3割、木材産業への就業希望は約1割となっており、森林・林業・木材産業全体の志望者を合わせると公務員よりも多くなっている(資料1-10)。

資料1-10 森林・林業・木材産業に関わる就業先として、最も希望するもの

また、就業先を選ぶに当たって重視する企業情報(複数回答可)としては、「仕事内容・やりがい」が74.5%、以下、「給与・賞与の水準」69.2%、「就業時間・休暇制度」62.6%、「職場の雰囲気」60.7%、「福利厚生」42.4%と続いた。このように、「仕事内容・やりがい」を最も重視しつつも、労働条件も重視していることがうかがえる。この結果は、中小企業を対象として実施されたアンケート(*27)と比較すると、「仕事内容・やりがい」、「給与・賞与の水準」等の順番が入れ替わる結果となっている(資料1-11)。


就業先を選ぶに当たって重視する、より具体的な項目(複数回答可)としては、「自分のやりたいことができること」が69.0%と最も多く、続けて「自分が身につけた知識や技術が活かせること」52.1%、「自然相手の仕事」48.1%、「人の役に立つこと」46.3%、「地域とのつながり」31.6%の順となっている。このほか、勤務地域に関する希望を有している者も相当数存在した(資料1-12)。


仕事の知識・技術に関する回答では、「特に重要と思う点」(複数回答可)について、「持続的な森林経営、森林生態系の保全など森林の管理に関すること」が79.7%、「高性能林業機械の操作、安全対策など現場作業に関すること」44.3%、「森林境界の明確化、所有者の同意、地域の合意形成など森林の集積・集約化に関すること」39.2%の順となった。一方で、「自分に不足していると思うもの」(複数回答可)については、「航空レーザーやドローンを活用した測量、ICTを活用した林業機械等の新たな技術に関すること」と「高性能林業機械の操作、安全対策など現場作業に関すること」と答えた者が多く、「特に重要と思う点」と順位が入れ替わった(資料1-13)。


(*26)平成30(2018)年12月~平成31(2019)年1月にかけて実施。有効回答数は378件。

(*27)経済産業省「2017中小企業白書」427ページ。



(林業経営体の就業者に対するアンケート)

林野庁では、平成15(2003)年度から、林業への就業に意欲を有する者を対象に、林業に必要な基本的技術の習得を支援する「「緑の雇用」事業」を実施しており、これらの「緑の雇用」研修生を対象とした「緑の雇用」アンケート(*28)を実施した。回答者の所属先は森林組合と民間の素材生産会社が大部分を占めている。このうち、フォレストワーカー(以下「FW」という。)研修生の最終学歴は、高等学校卒業者がおよそ6割を占めているほか、大学(大学院)卒業者もおよそ2割となっている。また、前職時の居住地については、地元(現住所と同一市郡内)とした者がおよそ5割、都道府県内の他市町村が3割弱、都道府県外(Uターン)と都道府県外(Iターン)がそれぞれおよそ1割であった。前職については、新規学卒の者がおよそ2割、それ以外には、製造業などの従業員、土木・建設作業員、事務・営業系会社員、技術系会社員と続いており、様々な職業から転職してきた状況がうかがえる。

就業の決め手については、「仕事内容が自分の希望と一致した」と回答した者がおよそ4割と最も多く、学生を対象としたアンケートで最も回答の多かった「仕事内容・やりがい」、「自分のやりたいことができること」の項目と整合する結果となっている。一方で、就業に際しての障害については、「待遇の面で条件が合わない」と回答した者が4割弱と最も多く、この面でも、労働条件を重視している者が多かった学生アンケートの結果と整合している(資料1-14)。


(*28)平成29(2017)年度の林業作業士(フォレストワーカー)研修生、現場管理責任者(フォレストリーダー)研修生及び統括現場管理責任者(フォレストマネージャー)研修生並びに研修生を受け入れている林業経営体を対象に、全国森林組合連合会が実施したアンケート調査。


お問合せ先

林政部企画課

担当者:年次報告班
代表:03-3502-8111(内線6061)
ダイヤルイン:03-6744-2219

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