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北海道森林管理局

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    令和5年度 森林総合監理士育成研修日記1日目

       
       令和5年度の森林総合監理士育成(後期)1研修を9月12日から15日までの4日間、北海道森林管理局と小樽市にある塩谷国有林において実施しました。コロナ禍の影響もあり、令和元年度以来、4年ぶりの開催となりましたが、北海道をはじめ、遠くは関西から、都道府県職員7名、市町村職員3名、国立研究開発法人職員1名、民間企業職員1名、国有林職員5名の合計17名の研修生が集まりました。

       本研修は、平成23年度から准フォレスター研修の名称で始まり、カリキュラムの前期は林野庁森林技術総合研修所(八王子)において、森づくりの理念や循環的な木材生産に関する基礎的な知識、考え方を学び、それらを踏まえて、後期は北海道・関東・九州の3ブロックで「現地演習」を中心に実施しています。
     
       森林総合監理士とは、広域的・長期的な視点に立って、林業の成長産業化や地域の活性化を構想し、実現に向けて中立的な立場で地域の森林・林業関係者の合意形成を図りつつ、制度や予算を活用しながら具体的な取り組みを進めていく中心的な役割を担う人材であり、林業普及指導員資格試験「地域森林総合監理区分」に合格した者に与えられる国家資格です。
     
       森林総合監理士には森林づくりに関する科学的な知見や、木材の生産から利用までの基本的な知識に加えて、これらを地域の振興に結び付けていく構想力や合意形成に必要なプレゼンテーション能力が求められます。本研修では、この「技術力・構想力・合意形成能力」等を、「森づくり構想演習」、「資源循環利用構想演習」2つの演習を通じて養うとともに、森林総合監理士としての役割の理解と意欲の醸成につなげていくことを目的に実施しています。

    1日目

       まず初めに、森林技術総合研修所 松浦首席教務指導官より、「本研修を通じて現場での対応に必要な知識を身に着けていただき、それぞれの地域においてご活躍を期待しています。」と開講のご挨拶をいただきました。

    松浦首席教務指導官より開講のご挨拶
    (松浦首席教務指導官より開講のご挨拶)

       次に北海道森林管理局 次長より、「本研修は4年ぶりの開催となり、この4年間で森林・林業政策や地域を取り巻く情勢は、森林環境譲与税の導入やウッドショックの発生など大きく変化しており、地域には様々な課題が山積していることと思う。それらの課題に対応していくため、本研修を通じて、林業知識や技術の研鑽に努めていただき、戻られてから、本研修の内容を地域に還元できるよう、頑張っていただきたい」と激励の言葉をいただきました。

    北海道森林管理局 次長よりご挨拶
    (北海道森林管理局 次長よりご挨拶)

       その後、KP(紙芝居プレゼンテーション)法を用いて本研修の目標と流れを確認し、いよいよ研修の中身に入っていきます。

    KP法で本研修の目標と流れを説明
    (KP法で本研修の目標と流れを説明)

    【森づくりの構想演習】
       この演習は、「個別の森林」において、科学的かつ技術的な見地から、最終的にどのような森林を作るのかという「目標林型」の検討を行います。そこに向けた施業方法の習得と、検討内容のプレゼンテーションやディスカッションを通じて、森づくり構想の構築を実践的に学んでいくことを目的としています。
       森林総合監理士には、森林所有者が森林に求めている機能と、森林の現況や地域の公益的機能の発揮に対するニーズのすり合わせを行い、望ましい森林の姿を描くなど、森づくりの構想を構築するため、森林を科学的に評価する能力が必要です。
     
       演習に先立ち、北海道大学大学院 渋谷特任教授より、森林づくりの基本的な考え方、北海道における目標林型と施業方法の選択の考え方について、ご講義をいただきました。

    北海道大学大学院 渋谷特任教授によるご講義
    (北海道大学大学院 渋谷特任教授によるご講義)

       北海道のカラマツ人工林の収益性や、カラマツ収穫予測ソフトによるシミュレーション結果など様々な事例の紹介と、人工林施業における留意事項などをご講義いただきました。

       つづいて、2日目の現地実習の進め方や現地の概要について、北海道森林管理局職員よりパワーポイントやKP法を用いて説明を行いました。

    2日目の現地実習の流れを説明

    2日目の現地実習の流れを説明
    (2日目の現地実習の流れを説明)

       この日は各班において、現地の概況等をもとに目標林型や森林施業の案を机上で作成しました。翌日は現地実習において対象となる森林を調査し、検討内容の修正や取りまとめを行い、検討結果の発表・質疑を行います。


    【資源循環利用構想演習】
       この演習は、「面的な人工林(約1,000ha)を有する森林」において、地域振興も視野に入れた循環的な木材生産の戦略を構想し、森林・林業の将来ビジョンを描くことを目的としています。将来ビジョンとは、地域振興や地域の林業を活性化するために森林資源をどのように活用していくか、そこに至るための方向性や、具体的方策などの森林経営の構想です。
       地域の森林・林業の牽引者として期待される森林総合監理士には、広域的・長期的な視点に立って地域の森林・林業の構想を作成し、実現していく能力が求められます。
     
       まずは、北海道森林管理局職員より、構想作成の基礎となる事業計画の作成に必要な知識及び現地の情報について、説明を行いました。
       説明が終わったら、早速グループワークに入ります。
     
       今回は小樽市の国有林を民有林に見立てて検討を進めます。小樽市の産業、周辺の木材加工工場や需要先となる木質バイオマス発電施設の稼働状況、気候や地形などの情報をもとに、机上で仮のビジョンを検討し、間伐箇所や林業専用道の配置を考えます。

    机上で事業計画案の作成を進めます
    (机上で事業計画案の作成を進めます)

       翌日の現地演習では、机上の事業計画の適否や傾斜地形などの自然的制約について確認します。効率的に現地確認を行うため、事前に確認したいポイントを決めておくことも重要です。
       翌日の現地演習に向けた準備が終わり、研修初日が終了しました。

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    お問合せ先

    森林整備部 技術普及課
    民有林連携・人材育成担当
    ダイヤルイン:011-622-5245