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林野庁

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林業種苗生産

 森林整備における優良種苗の確保の必要性

森林の整備には数十年の長期間を要し、この間、林木は厳しい自然環境の下で生育するとともに、容易には植え替えができないことから、森林の整備の成否は苗木そのものの素質に委ねられる部分が大きくなっています。このため、その基礎資材である林業用種苗については、成長、通直性等の優良性はもとより、特に、外観からは判断できない産地、系統、耐寒性等の遺伝的優良性の確保が重要です。
多面的機能を有する森林を整備するためには、需要に見合う優良種苗の確保を図ることが重要であり、優良種苗の生産の安定を図るとともに、適正な流通を維持することが、ひいては森林の適正な整備の推進につながります。

 苗木生産の状況

苗木生産量は、平成元年度には215百万本でしたが、人工造林面積が全体的に減少傾向にあることを反映して大幅に減少し、平成27年度には61百万本となっています。

表1 苗木生産量の推移
(単位:百万本)  

年度 総数 スギ マツ類 その他
H元
215  63  145 
H5 159  43  112 
H10 126  33  90 
H15 80  20  57 
H19 74  18  54 
H20 70  18  50 
H21 65  17  46 
H22 63  17  44 
H23 61  15  44 
H24 57  17  38 
H25 56  16  38 
H26
56  17  37 
H27 61  19  40 

 ※国営分を除く

 

表2 人工造林面積の推移
(単位:ha)

年度 総数 スギ マツ類 その他
H元 76,757  23,076  984  47,707 
H5 58,947  17,322  271  41,354 
H10 44,818  12,587  239  31,992 
H15 28,898  6,370  286  22,242 
H19 33,784  7,509  265  26,010 
H20 31,917  6,950  218  24,749 
H21 30,054  6,388  177  23,489 
H22 24,128  5,691  252  18,185 
H23 23,536  6,081  178  17,277 
H24 25,360  6,590  294  18,476 
H25 27,342  7,292  478  19,572 
H26 24,753  6,645  579  17,529 
H27 25,173  8,031  362  16,780 

民有林・国有林の総数

 コンテナ苗 

コンテナ苗は、容器内面にリブ(縦筋状の突起)を設け、容器の底面を開けるなどによって根巻きを防止できる容器(林野庁が開発したマルチキャビティーコンテナ、宮崎県林業技術センターが開発したMスターコンテナなど)で育成した苗木で、根が培地に張り巡らされ、根鉢が容易に崩れない状態(成形性)が保たれ、根が垂直方向に発達して根巻きしないのが特徴です。その生産量は平成20年度の6千本から、平成27年度には約4,695千本と急速に拡大しています。
コンテナ苗は、活着率が良好で、植栽時期の幅が広いなどのメリットがあり、裸苗よりも短期間での生産が期待できることから、今後、再造林を低コストで実施する上で必要不可欠であり、コンテナ苗の生産拡大を進めていくこととしています。

    コンテナ苗の特徴及び現状(PDF:463KB) 

表3 コンテナ苗の生産状況
(単位:千本、都道府県数) 

年度 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27
生産量 89  272  424  758  1,142  2,568  4,695 
生産都道府県 10  15  21  25  32  34 
 注:マルチキャビティーコンテナ又はMスターコンテナ等による生産

 コンテナ苗基礎知識

低コスト造林に資するコンテナ苗については、林野庁として積極的に推進してきたところであり、徐々に生産量が増加しているところです。
コンテナ苗の育苗方法については、各方面で試験研究が進んでおり、全国各地で様々な手法によって育苗されています。また、コンテナ苗の特徴についても、各地における試験結果等から、様々な考察がなされてきました。しかし、コンテナ苗に関する多くの情報の中には、誤った知識も見受けられているところです。
このため 、国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所の協力のもと、コンテナ苗に関する最新の知見と技術を取りまとめ広く公表することによって、その普及を図ることを目的に「コンテナ苗基礎知識」を作成しました。

  コンテナ苗基礎知識(PDF : 8,098KB)

 花粉症対策等への対応

近年、社会的な問題となっている花粉症対策や、東日本大震災により被害を受けた海岸林の再生などへの対応のため、少花粉スギ等の花粉症対策スギやマツノザイセンチュウ抵抗性マツかつ広葉樹等の優良な苗木を計画的、安定的に生産供給するための体制整備が求められています。

 表4 花粉症対策スギ苗木及びマツノザイセンチュウ抵抗性マツ苗木の生産量
(単位:万本)

年度
H11
H15
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26
H27
花粉症対策スギ 74  94  118  142  160  201  258  426 
抵抗性マツ 54  64  83  86  86  86  102  120  125  194 

*花粉症対策スギ:下記の品種の採種園、採穂園から採種された種穂から生産された苗木
   無花粉スギ品種:花粉を全く生産しないもの
   少花粉スギ品種:花粉飛散量の多い年でもほとんど花粉を生産しないもの(「雄花着花性に関する特性調査要領(スギ)」の評点において総合評価が1.1以下)。
   低花粉スギ品種:雄花の着花性が相当程度低いもの(「雄花着花性に関する特性調査要領(スギ)」において総合評価が1.3以下)。

 指定採取源の整備状況等

優良な種苗の確保のための指定採取源については、林業種苗法に基づき農林水産大臣が指定する特別母樹(林)と都道府県知事が指定する普通母樹(林)及び育種母樹(林)があり、平成27年度末現在、全国で、5,752箇所、16,008ヘクタールとなっています。

 表5 指定採取源指定箇所数及び面積(平成27年度末現在)
(単位:箇所、ha)
 

特別母樹林 普通母樹林 育種母樹林
箇所数 面積 箇所数 面積 箇所数 面積 箇所数 面積
117  1,115  5,064  13,771  571  1,122  5,752  16,008 

特別母樹(林):育種素材としての特に優良な種穂の供給源
育種母樹(林):優良な実用種穂の供給源のうち育種により育成されたもの
普通母樹(林):育種母樹(林)以外の優良な実用種穂の供給源

 苗木生産事業者の現状

民間の苗木生産事業者数は減少傾向ですが、大規模な生産事業者の減少度合いは少なく、中小規模の生産事業者の落ち込みが大きくなっています。

表6 事業体別規模別の苗木生産事業者数の推移
(単位:事業者数)

年度 H10 H15 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27
大規模生産事業
(経営規模3ha以上)
(100) 
75 
(59) 
44 
(75) 
56 
(75) 
56 
(77) 
58 
(75) 
56 
(80) 
60 
(80) 
60 
(79) 
59 
(77) 
58 
中規模生産事業者
(経営規模0.5以上~3ha未満)
(100) 
543 
(76) 
412 
(51) 
279 
(48) 
263 
(44) 
237 
(42) 
226 
(40) 
219 
(38) 
208 
(38) 
207 
(35) 
192 
小規模生産事業者
(経営規模0.5ha未満)
(100) 
2,423 
(71) 
1,725 
(38) 
912 
(36) 
878 
(32) 
776 
(30) 
724 
(28) 
681 
(26) 
636 
(27) 
652 
(26) 
632 
(100) 
3,041 
(72) 
2,181 
(41) 
1,247 
(39) 
1,201 
(35) 
1,071 
(33) 
1,006 
(32) 
960 
(30) 
904 
(30) 
918 
(29) 
  882 

*( )はH10年度を100としたときの指数

 苗木生産の工程

 種苗関連補助事業

 平成29年度花粉症対策苗木等コンテナ苗の技術習得研修会

主伐後の再造林の増加が想定される中、森林の有する多面的機能を発揮させるためには、再造林を確実に実施する必要があります。再造林にあたっては、花粉発生源対策や地球温暖化の防止等の社会的ニーズに対応した苗木について、低コスト造林に不可欠なコンテナ苗を安定供給していくことが重要です。
このため、花粉症対策苗木等コンテナ苗の技術習得研修において、コンテナ苗による花粉症対策苗木等の供給拡大のため、全国各地で苗木生産者を対象としてコンテナ苗生産の技術研修及び巡回指導を実施します。

    平成29年度花粉症対策苗木等の技術習修得研修会等(PDF : 145KB)

参考資料

全国低コスト造林シンポジウム(平成26年1月22日開催)

プログラム(PDF:127KB)

 

1. 基調講演        「低コスト再造林技術の開発」(PDF:2,777KB)

日本森林技術協会 主任研究員  中村 松三 氏

2. 実践者報告1  「関東森林管理局における低コスト造林へのチャレンジ」(PDF:1,810KB)

関東森林管理局森林技術・支援センター 所長  屋代 忠幸 氏

3. 実践者報告2  「重機による地拵、低密度植栽による低コスト再造林の実証とコンテナ苗の植栽」(PDF:429KB)

ノースジャパン素材流通協同組合 経営企画部長  外舘 聖八朗 氏

4. 基調講演        「造林資材としてみたコンテナ苗の特質」(PDF:691KB)

東京大学大学院造林学研究室 教授  丹下 健 氏

5. 実践者報告3 「実生コンテナ苗の育苗」(PDF:1,517KB)

岩手県山林種苗協同組合 副理事長  吉田 正平 氏

6. 実践者報告4 「挿し木(スギ)によるコンテナ苗の生産について」(PDF:1,088KB)

長倉樹苗園  長倉 良守 氏

7. 実践者報告5「コンテナ苗による造林コストの低減に向けた熊本県の取組」(PDF:238KB)

熊本県 農林水産部 森林局 森林整備部長  長崎屋 圭太 氏

8. 研究報告1    「森林総合研究所における低コスト再造林のためのコンテナ苗生産・植栽研究」(PDF:3,044KB)

森林総合研究所 研究コーディネータ 田中 浩 氏

9. 研究報告2    「エリートツリーの特性とコンテナ苗による普及への期待」(PDF:618KB)

林木育種センター 育種部長  星 比呂志 氏

コンテナ苗育苗・植栽マニュアル

平成20年度低コスト新育苗・造林技術開発事業報告書

 

お問合せ先

森林整備部整備課造林間伐対策室

担当者:造林資材班
ダイヤルイン:03-3502-8065
FAX番号:03-3502-6329

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