西表島森林生態系保護地域
1.概要
当保護林は、八重山群島最大の島で、島の周囲は130km、面積は28,400haあり、国有林は西表島の87%(24,700ha)を占め、亜熱帯林の自然がよく保たれている島である。また、日本列島の常緑広葉樹林帯に属し、地質は新第3紀に属する砂岩、頁岩からなる八重山夾単層群が分布する。林相としては、山地にスダジイ、タブノキ、オキナワウラジロガシ等の優先する照葉樹が広がっており、山頂部の風衝地には、リュウキュウ竹が密生している。低地にはガジュマル等が優先する群落がみられ、河口域には、海水の影響を受けマングローブ林が発達している。本地域には特別天然記念物イリオモテヤマネコが生息している。
シイラ川マングローブ
サキシマスオウノキ
森林生態系保護地域
2.目的
原生的な天然林を保存することにより、自然環境の維持、動植物の保護、遺伝資源の保存、学術研究などに役立てるとともに、これらの森林を後世に引き継ぐことにする。
3.所在地
沖縄県 八重山郡 竹富町
4.設定年月日
平成3年3月28日
5.面積
22,366.42ha
6.関係森林管理署等
沖縄森林管理署
西表森林生態系保全センター
7.現況
標高:0~400m
樹種:スダジイ、タブノキ、オキナワウラジロガシ等
林齢:120年生以上
8.法指定等
水源かん養保安林、土砂崩壊防備保安林、保健保安林、西表石垣国立公園、鳥獣保護区、天然記念物
9.取り扱い方針
管理に関する事項
保存地区
森林生態系の厳正な維持を図ることとし、原則として人手を加えずに自然の推移にゆだねることとする次に掲げる行為を除き保存地区の森林に原則として人手を加えずに自然の推移に委ねることとする。ただし、森林生態系を維持するために必要な次の行為については行うことができることとする。
ア.モニタリングをはじめとする調査・研究
イ.非常災害のため応急措置として行う次の行為
(ア)山火事の消火等
(イ)大規模な林地崩壊、地すべり等の災害の復旧措置
ウ.標識類の設置等
エ.科学的知見に基づく固有の生物多様性と森林生態系を保全・修復するために必要と認められる行為
オ.その他法令等の規定に基づき行うべき行為
保全利用地区
保全利用地区は保存地区の森林に外部の環境変化の影響が直接及ばないよう緩衝の役割を果たすこととする。保全利用地区の森林については木材生産を目的とする森林施業は行わないこととする。また、人工林については将来的には天然林への移行を図るよう取り扱うこととする。ただし、次の行為については行うことができることとする。
ア.保存地区と同様の管理行為
イ.枯損木及び被害木の伐倒、搬出
利用に関する事項
保存地区
保存地区の利用については、次の行為に限るものとする。
ア.学術研究のために行う生物遺伝資源の利用に関する行為等、公益上の理由により必要と認められる行為。
イ.既設の歩道等の利用及び維持修繕
ウ.ア及びイの行為に伴う標識類の設置等
保全利用地区
保全利用地区の利用については、次の行為に限るものとする。
ア.保存地区と同様の利用行為
イ.保全利用地区の設定趣旨等に反しない範囲で行う次の行為
(ア)森林環境教育及び森林レクリエーション
(イ)(ア)の行為のために必要な道路、建物等の設置
(ウ)地域住民によるイノシシ猟及び山菜等の採取
10.保全管理委員会について
九州森林管理局では、西表島森林生態系保護地域を保全・管理するための具体的な対応方針を検討するため、保全管理委員会を設置しております。
保全管理委員会での検討状況についてはコチラをご覧ください
11.特徴
植物・・・スダシイの優占する照葉樹林、ガジュマル等の群落、メヒルギ、オヒルギ等のマングローブ林
動物・・・イリオモテヤマネコ、リュウキュウイノシシ、ヤエヤマオオコウモリ等の哺乳類、カンムリワシ、リュウキュウキンバト等の鳥類
お問合せ先
計画保全部計画課
担当者:生態系保全係
ダイヤルイン:096-328-3612