くろぞうだに
黒蔵谷生物群集保護林
1.概要
▶ 所在地和歌山県田辺市▶ 設定年 平成9年
▶ 面 積 515.87ha
2.設定目的・保護林の状況
温暖多雨の気候、複雑な地形等の条件に恵まれており、植物層は極めて豊富です。植物分類学的な意味では、「そはやき要素*」と言われる日本古来の植物(トガサワラ、シロモジ、ヒメシャラ等)が見られます。
植物相は、大部分が暖温帯照葉樹林域となっていますが、標高900m以上の山頂部には冷温帯落葉樹林も見られるなど連続
した群落として多様な植生を形成しており、日本の植物分布を考える上で非常に貴重なものとなっています。オオダイガハラ
サンショウウオや地域個体群として絶滅の恐れがあると危惧されている二ホンツキノワグマなど貴重な動物たちが生息してい
ます。また、特別天然記念物であるニホンカモシカは、他の地方に比べて生息標高が極めて低く、150m~970mの全域にわ
たっています。さらに、保護林内は暖温帯照葉樹林に覆われている渓谷であり、水源が極めて安定しているため、ムカシトン
ボやマメガムシなど水生昆虫の種類数は豊富で変化に富んでいます。
地域固有の生物群集を有する森林を保護・管理することにより、森林生態系からなる自然環境の維持、野生生物の保護、遺
伝資源の保護、森林施業・管理技術の発展、学術の研究等に資することを目的として設定しています。
*そはやき要素:襲速紀と書き、襲の国(九州)、速吸瀬戸(豊予海峡)、紀伊の国にわたって分布するという意味で名付けられたもので、九州中部山地から四国山地、紀伊山地を経て東
海・伊豆地方の山地に広がる種。
3.法指定等
水源かん養保安林、鳥獣保護区4.管轄森林管理署等
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お問合せ先
計画保全部計画課
担当者:森林施業調整官
代表:050-3160-6700(内線3557)
ダイヤルイン:050-3160-5696