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関東森林管理局

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    (群集13)八丁池(はっちょういけ)・皮子平(かわこだいら)生物群集保護林

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    1.森林管理署

    伊豆森林管理署

    2.森林計画区

    伊豆森林計画区

    3.所在地

    静岡県伊豆市

    4.林小班

    静岡県伊豆市桐山892の2国有林、筏場827の1国有林、天城山地蔵堂入847の1国有林、河津町梨本1460の1国有林、川津筏場1598の1国有林、東伊豆町天城山白田入1744の1国有林181い外

    5.面積

    716.03ha(保存地区:564.53ha 保全利用地区:151.50ha)

    6.設定年月日

    平成3年4月1日(1991年4月1日)平成30年4月1日に、旧八丁池ブナ群落林木遺伝資源保存林(ブナ、イヌシデ、ハリギリ、モミ、181い~は、638い、639い)と旧皮子平ブナ・ヒメシャラ植物群落保護林を統合。

    7.法的規制

    鳥獣保護区、水源かん養保安林、保健保安林、国立公園特別保護地区、国立公園第2種 特別地域

    8.設定目的

    八丁池周辺は、約15万年前に活動を終えた火山である天城山の西麓にあり、ヒメシャラを特徴とするブナを主体とした天然林である。
    一方で、皮小平は、約3千年前と地史 的に新しい時期に噴火した溶岩上に成立している、モミやブナを主体とする天然林である。
    この一帯は、火山地形上に成立した天然林であるといった共通性を有しながらも、 地史的には、新旧を対比できる特徴を有している。
    このため、火山地形の歴史を反映しているブナ・ヒメシャラ・モミを主体とした地域固有の生物群集を有する森林を保護・管理することにより、森林生態系からなる自然環境の維持、野生生物の保護、遺伝資源の保護、森林施業・管理技術の発展、学術の研究等に資するため設定する。

    9.特 徴

    標高950~1,230m。
    天城山地に分布するブナ群落は、「日本のブナ林の植物社会学的体系の再構築」(福嶋ほか、1992)によれば、ブナ-ヤマボウシ群集に位置付けられている。
    この群集は、より内陸部に分布するブナ-スズタケ群集と地形的に住み分け、その群集に対してはヒメシャラなどが識別種となっている。
    当該地域の八丁池周辺および皮子平周辺のブナ群落には多くのヒメシャラが含まれており、このタイプのブナ群落は、関東森林管理局が管理する地域では唯一の存在であり、他の局の管内にも全く見られない特殊なタイプのブナ群落である。
    八丁池周辺は、約70万年前から15万年前に噴火した天城火山本体溶岩により形成されて おり、地形的に緩やかな所が多いため、地質的な特性のほか地形的な特性も相まって、主に老齢木のブナや高齢木のヒメシャラを主体とした構成となっている。
    胸高直径30~1 00cm程度のブナの中齢木~老齢木が散在し、ホオノキ、ヒメシャラ、イヌシデなどの落葉高木が混生する林となっている。
    皮子平周辺は、カワゴ平火山噴出物により形成さ れた保護林外縁部から北側に延びる溶岩流(軽石質)上にあり、土壌化が進んだ立地に成立している八丁池周辺のブナ群落とは違い、近隣の皮子沢モミ希少個体群保護林に代表されるようにモミの生育に特徴が認められる。
    旧皮子平ブナ・ヒメシャラ植物群落保 護林の北側の国有地においても、モミを多くタイプのブナ群落が形成されており、この区域の地質的な特性が良く反映された群落が形成されている。
    一方で、約3,200年前に噴火した噴火口の窪地に位置している旧皮子平ブナ・ヒメシャラ植物群落保護林は、北側 の軽石質溶岩の堆積地とは違い、ガラス質溶岩の堆積地のため地形的には平坦であり、また、窪地といった地形的な特徴も相まって、カワゴ平火山噴出物のモミの優占した植生とは違い、八丁池周辺と同様に、老齢木のブナが優占しヒメシャラの混在するブナ- ヤマボウシ群集が形成されている。
    ただし、ここに生育しているヒメシャラは、極相のブナの下に途中相のヒメシャラが密生しているものである。
    ブナ林を上層木として林内に樹高の揃ったヒメシャラが密生している。
    群落の高さは25~32m程度、胸高直径40~75cm(最大はブナ)程度である。
    八丁池周辺と皮子平周辺を繋ぐ区域の地質は、約70万年前から15万年前に噴火した天城火山本体溶岩により形成されている。
    しかしながら、地形的には急峻なところも多いため、ブナ-ヤマボウシ群集に属しながらも、地形的な特徴から、急峻な場所には、イヌシデが優占または多く混在したブナ群落が広がり、また、土壌の薄い岩角地や風衝地には、コアジサイやツツジ類が多く混在したブナ群落が形成されており、八丁池周辺には分布していないタイプのブナ-ヤマボウシ群集が分布している。
    また、所々には、ブナ、モミ、ヤマグルマなどの大径木も生育し、本区域のブナ-ヤマボウシ群集の希少性を裏づけることとなっている。

    10.保護・管理及び利用に関する事項

    保存地区の森林は、原則として人手を加えずに自然の推移に委ねるものとする。
    保存利用地区の森林は、原則として、保存地区の森林に外部の環境の変化が直接及ばないよう緩衝の役割を果たすものとする。

    11.保護林モニタリング概要

    2020調査概要(PDF : 328KB)

    12.位置図

    八丁池・皮子平生物群集保護地域(PDF : 526KB)

    お問合せ先

    計画保全部 計画課

    担当者:生態系保全係
    ダイヤルイン:027-210-1265