小笠原諸島世界自然遺産
世界遺産とは
人類共通のかけがえのない財産として、将来の世代に引き継いでいくべき宝物、それが世界遺産です。世界遺産には文化遺産と自然遺産があり、日本では「小笠原諸島」のほか、「知床」「白神山地」「屋久島」「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」が自然遺産として登録されています。
世界自然遺産に登録されるためには
世界自然遺産に登録されるためには、世界的に見て類まれな価値があり、「世界自然遺産条約履行のための作業指針」で示されている以下の4つの登録基準のうち1つ以上に合致している必要があります。
登録基準
自然景観 | 類例を見ない自然美及び美的要素をもった優れた自然現象。あるいは地域を含むこと。 |
地形・地質 | 生命の進化の記録、地形形成において進行しつつある重要な地学的過程、あるいは重要な地学的、自然地理学的特徴を含む、地球の歴史上の主要な段階を代表する顕著な例であること。 |
生態系 | 陸上、淡水域、沿岸および海洋の生態系、動物群集の進化や発達において、進行しつつある重要な生態学的・生物学的過程を代表する顕著な例であること。 |
生物多様性 | 学術上、あるいは保全上の観点から見て、顕著で普遍的な価値をもつ、絶滅の恐れがある種を含む、生物の多様性の野生状態における保全にとって、もっとも重要な自然の生息・生育地を含むこと。 |
小笠原諸島は何が評価されたのか
小笠原諸島は、かつて一度も大陸と陸続きになったことがない海洋島であり、鳥や風、海流等に運ばれ偶然辿り着いた動植物のうち、環境に適応した種だけが生き残り、隔離された環境下で様々な進化をとげ、多くの固有種が誕生した。維管束植物全体の約40%、昆虫は全体の約25%、陸産貝類(カタツムリ)は約95%以上が固有種である。小笠原諸島の生物進化は現在も進行中であり、環境に合わせて形態を変化し種分化を繰り返す適応放散が確認されており、登録基準の「生態系」を満たしていると判断された。
※世界遺産区域は広範囲のため、父島列島及び母島列島のみ掲載
お問合せ先
小笠原諸島森林生態系保全センター
担当者:専門官
ダイヤルイン:04998-2-3403