本宮林道

昭和27年背景は安達太良山
1.本宮林道の概要
名称:本宮林道(もとみやりんどう)運用者:福島営林署
延長:10,785m(うち木橋5(43.8m))
幅員:1.8m
軌条:6kg軌条
森林鉄道としての存続期間:大正15年~昭和31年度
所在市町村:本宮町(現在の本宮市)、玉井村(現在の大玉村)
2.本宮林道の歴史
大正時代以前、玉井村周辺国有林から大々的に林産物を輸送する手段がなく、小規模な荷馬車輸送では時間と労費がかかることから、大正15年度に、東北本線本宮駅から玉の井土場(玉井村字竹ノ内)を結ぶ軌道9,445mを開設。開設経費は、66,285.76円。起点は、本宮駅に隣接する本宮貯木場で、大正9年に新設。面積は0.5ha。
終点の玉ノ井貯木場は、大正8年に新設された面積1.78ha、廃場は昭和32年度(昭和33年2月11日)です。
当時の資料には、「本軌道に依り一般産物の輸可能なるにより荷馬車営業者には相当の影響あるものと思料せらる。」とあります。なお、本軌道では機関車は運用されておらず、トロッコは木材を乗せて重力により玉ノ井貯木場から本宮貯木場に下り、トロッコの引き上げには、馬や牛ではなく、人力により行われていました。
昭和20年には、終点の玉ノ井貯木場から80林班まで、既存の玉ノ井林道東支線(大正8年開設の車道)1,290mに軌条を敷設。この1,290mは、玉ノ井林道東支線から本宮林道に変更となり、本宮林道(軌道)は、総延長10,785mとなります。この軌条1,290mは、本宮林道延長のために、茂庭林道から昭和18年に撤去されたものを流用しています。
その後トラック輸送の発達により、本宮林道は昭和31年度廃道(昭和32年2月8日廃道承認)となりました。
年度 | 森林鉄道としての整備状況 | 森林鉄道としての延長(m) |
大正15年 | 本宮貯木場から玉の井貯木場に至る軌道9,445mを新設 | 9,445 |
昭和20 | 終点の玉の井貯木場から軌道1,290mを延長 | 10,785 |
昭和31年 | 廃止 | 0 |
3.本宮貯木場(本宮林道の起点)
住所(当時):福島県安達郡本宮町万世1番地本宮林道の起点である本宮貯木場は、大正9年に東北本線本宮駅に隣接する形で新設され、東北本線に接続する専用側線113.5mを擁していました。
同じ大正9年、本宮貯木場から、現在の県道26号と国道4号バイパスの交差点付近を繋ぐ、車道の本宮林道連絡線(延長754m幅員3.7m)が整備されます。
また、大正15年には、本宮貯木場と玉ノ井貯木場を繋ぐ、軌道の本宮林道9,445mが整備されます。
昭和初期より昭和20年前後まで安達太良山麓の間伐材を中心に、それ以降は主伐に移行したアカマツを主とする材を、昭和26~27年までは馬車及びトロリーで搬入し、以後は官有トラック搬入に移行しました。
昭和36年度には、本宮貯木場内専用側線が廃止されます。(昭和36年2月17日廃止上申、昭和36年4月24日認可)
廃止理由は、「大正9年専用側線新設以来使用してきたが、近年自動車輸送の発達に伴い、専用側線の利用は年々減少、年間処分量の一割程度にして本施設を必要性なく廃止する。」とあります。
そして、本宮貯木場自体も、昭和40年度に廃場となります。(昭和40年4月1日廃場上申、昭和40年5月7日廃場認可)
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昭和31年8月25日 | 昭和31年5月12日 | 昭和30年9月 |

本宮貯木場平面図

本宮駅接続 福島営林署専用側線
本宮林道位置図

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福島森林管理署
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