宮里林道
1.宮里林道の概要
名称:宮里林道(みやさとりんどう)運用者:山口営林署
延長:6,820m
幅員1.8m
森林鉄道としての存続期間:昭和14~17年度、昭和21~33年度
所在市町村:舘岩村(現在の南会津町)
2.宮里林道の年表
宮里林道は、舘岩村(現在の南会津町)内の西根川と黒石川の合流地点の両川に挟まれた区域を起点として、昭和13年度に、西根川を4,070m遡る形で開設。
また、同年、宮里林道の起点に木賊貯木場を開設。面積は2.2haで、内訳は、国有林:0.38ha、民有林:1.82haでした。
昭和14年度には、宮里林道の4,000mに軌条を布設し、起点付近に宮里官行事業所が整備されます。
昭和15年度には、木賊貯木場内に、木炭倉庫(木造平屋鉄板葺50坪)及び製品倉庫(木造平屋亜鉛板葺100坪)が整備されます。
なお、木賊貯木場に隣接する形で、安宅産業の関連会社である安宅航空宮里工場が整備され、木賊貯木場から直接木材が運搬されていました。同工場は、水中貯木場や薪ボイラーを擁しており、ブナ材から航空機用の単板(ベニア)を生産しており、地元や大阪からの工員が生産等に従事していました。同工場は、後に、ブナ材やトチノキ材等を利用したサラダボウルなどの会津漆器等を生産する工場として引き継がれます。
昭和17年度には、宮里林道の軌条4,000mは、白河営林署の河内川林道に布設するために一旦撤去され、12月12日に白河営林署に送られ、昭和21年度には、4,070mの軌条が再敷設されます。
昭和22年度には2,000m、23年度には750m、軌道が延長され、その後、昭和27年度から33年度にかけて軌条が撤去された後は、車道に改修され運用されています。
宮里林道(軌道)では、台車(トロッコ)は、上流側から下流側へ木材を載せて重力を利用し運搬されますが、下流側から上流側へは人力で回送されていました。
年度 | 森林鉄道としての整備状況 | 森林鉄道としての延長(m) |
昭和13年 | 舘岩村大字宮里字黒石から帝釈山国有林23林班までの4,070m(土工3,963m、橋梁107m)を開設し、軌条4,000mを購入、枕木7,000を製作 (平均勾配42.3‰、最急勾配58.8‰、最小半径20m) 宮里林道の起点に、木賊澤貯木場を整備 |
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昭和14年 | 軌条4,000m敷設 | 4,000 |
昭和17年 | 軌条4,000mを撤去 撤去軌条は昭和17年12月12日に白河営林署 河内川林道に転送 |
0 |
昭和21年 | 軌条4,070m敷設 | 4,070 |
昭和22年 | 2,000m(土工1,910m、橋梁5箇所90m)を開設し、軌条2,000mを敷設 | 6,070 |
昭和23年 | 750m(土工695m、橋梁4箇所75m)を開設し、軌条750mを敷設 | 6,820 |
昭和27年 | 3,000mを自動車道に格上げ | 3,820 |
昭和31年 | 1,400mを自動車道に格上げ | 2,420 |
昭和32年 | 1,167mを自動車道に格上げ | 1,253 |
昭和33年 | 残区間を自動車道に格上げ | 0 |
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![]() 昭和14年 宮里官公事業所
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![]() 昭和16年 宮里官行事業所倉庫前、後は木炭倉庫 |
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![]() 昭和19年 単板を橇で運ぶ婦人会の人たち |
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令和3年 写真中央軌道跡 |
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添付資料
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前橋営林局管内図(昭和25年)より | 改良工事位置図より |

軌道推定位置図
お問合せ先
福島森林管理署
ダイヤルイン:024-535-0121