令和6年度防草シートによる下刈省略化現地検討会の実施報告
主に夏季に行われる下刈作業は、労働負荷が大きく費用が掛かることから、その省力化が林業経営の持続や温室効果ガスの吸収源確保を図っていく上で、重要な課題となっております。
福島森林管理署では、下草の繁茂を抑える「防草シート」を苗木の周りに設置し、下刈を省略した場合の苗木の生存・成長状態や下草等の繁茂、防草シートの耐久性等を調査する試験地を令和2年度に設定しました。
今年度で設置から5年が経過したことから、この間の調査記録を共有するとともに、現地の状況を見ながら防草シートによる下刈省力化効果を検証することを目的として、現地検討会を開催しました。
1. 日時・場所
日時:令和6年11月12日(火曜日)10時00分~12時00分
場所:福島県安達郡大玉村玉井字前ヶ嶽外1国有林1や2林小班
2. テーマ
試験地の概要と観察結果の説明
意見交換・質疑応答
3. 参加者
福島県職員、市町村職員、森林組合、林業事業体、その他林業関係機関、国有林(東北局置賜森林管理署)計14名
4. 内容
はじめに、担当職員から資料に沿って試験地の概要と調査記録について説明を行い、その後、参加者に自由に試験地内を見学していただきました。
最後に防草シート設置に掛かるコストについて担当職員から説明を行った後、意見交換、質疑応答を行いました。
写真1 試験地概要説明 写真2 参加者による試験地見学
意見交換では参加者から「防草シートによる下刈省力化は、現状ではコスト面から導入は難しいが、労働負荷の軽減効果及びハチ刺されや熱中症のリスク軽減等の安全面から普及に期待する」等の意見がありました。
また、アンケートでは「防草シート設置から時間が経過した試験地を見学できて良かった」、「費用について検証されていて良かった」、「様々な条件の試験地があれば良かった」、「エリートツリーと組み合わせてはどうなのか」等の感想がありました。
5.今後の課題
今回、本試験地に下刈を一切しない対象区を設定しておらず、防草シートによる下草抑制効果を比較できなかったことは反省点ですが、下草の繁茂がシカ等の侵入を阻むことによって食害対策に資する可能性や、広葉樹が生き残ることによって多様な森林づくりに繋がる可能性等、様々な視点から引き続き推移を観察していきたいと考えております。
また、福島森林管理署では防草シート以外にも特定苗植栽箇所での下刈省略試験地等、下刈省力化に向けた取組を実施しており、今後も様々な取組を推進していきます。
6.配布資料
・当日配布資料(PDF : 7,336KB)
・アンケート結果(PDF : 192KB)
お問合せ先
福島森林管理署
ダイヤルイン:024-535-0121