第1部 特集 第4節 木材利用と再造林をつなぐ取組(1)
(1)持続性が確保された国産材への期待の高まり
TNFD提言などを受けて企業に持続可能性(サステナビリティ)に関する情報開示が求められる中、企業活動に必要な木材の調達や利用の際に、合法性とともに、森林の伐採後の更新が担保されることを確認できることや、森林認証制度(*50)に基づき認証・評価されていることなどが重要となっている。
企業の中には、木材調達のガイドラインを自ら策定し、持続可能な木材利用の推進に向けて、国産材等の活用を図る取組が広がりつつあるほか(*51)、建築物に木材を利用する企業が、木材の需要者としての立場にとどまらず、森林資源の循環利用に向けて、自ら森林の育成に取り組む例もみられる。また、気候変動や生物多様性の課題への対応として、建築物の木造化・木質化や国産材の活用に取り組んでいることを企業が情報開示する例もある。
林野庁においても、森林に関わる企業がTNFD情報開示を行う際の参考となるよう、令和7(2025)4月に、「森林の有する多面的機能に関する企業の自然関連財務情報開示に向けた手引き」を公表し、企業活動と森林の有する多面的機能との関わりを適切に分析・評価するための具体的な方法を例示している。あわせて、森林整備・保全や木材利用などに関する情報開示を行う先駆的な企業の取組事例を公表し、TNFD情報開示を行う企業の取組を促進している(資料 特-31)。

このように、木材利用に関して持続性の確保が重視され始めている中、木材の需給をめぐっては、令和3(2021)年に輸入木材の不足・価格高騰(いわゆるウッドショック)が発生するなど、輸入木材の供給リスクが顕在化しているほか、国内の利用可能な森林資源の充実や国産材利用に関する技術開発の進展等を背景として、国産材需要が高まっている。近年は円安の影響等もあり、建築用材等における国産材の割合が5割超まで上昇している中で、持続性を確保しつつ、国産材の供給を行う重要性は年々増している。
(*50)森林認証制度については、第1章第4節(1)92-93ページを参照。
(*51)具体例については、「令和6年森林及び林業の動向」特集第3節(3)の資料特-25(34ページ)を参照。
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