第1部 第3章 第2節 木材利用の動向(5)
(5)木材輸出の取組
(木材輸出の概況)

我が国の木材輸出は、中国等における日本産木材の需要の高まりや円安の影響などを背景に増加傾向にある。令和7(2025)年の木材輸出量は、丸太が191万m3(前年比5.1%増)、 製材品が20万m3(前年比29.8%増)、合板等が15万m3(前年比35.0%増)となった(*67)。また、令和7(2025)年の木材輸出額は、前年比10.8%増の596億円となり、品目別にみると、丸太が298億円(前年比5.7%増)で全体の50.1%と最も多く、製材品が102億円(前年比38.5%増)、合板等が86億円(前年比16.5%増)となった(資料3-28)。
丸太については、その約9割が中国へ輸出され、こん包材、土木用等に利用されている。また、米国へ輸出されている製材品については、主にフェンス材に利用されている。
(*67)財務省「令和7年分貿易統計」(確々報値)
(木材輸出拡大に向けた方針)
人口減少等により、国内の農林水産物・食品の市場規模の縮小が見込まれる中、海外市場を獲得していくことが重要である。農林水産省では、「農林水産物及び食品の輸出の促進に関する法律」に基づき、農林水産物・食品輸出本部を設置し、輸出促進の取組を進めてきた。また、食料・農業・農村基本計画(令和7(2025)年4月閣議決定)において、農林水産物及び食品の輸出額目標を設定している。木材、特用林産物、木製家具を合わせた林産物の輸出額については、令和12(2030)年までに1,660億円を目指すこととしており、輸出重点品目ごとの目標として、製材850億円、合板115億円と設定している。
「農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略」(令和7(2025)年5月改訂)においては、輸出重点品目である製材及び合板について、米国、中国、台湾、韓国等をターゲットに輸出拡大を目指すこととしている。同戦略では、輸出先国・地域のニーズに応じて、業界一体となって輸出促進に取り組むこととしている。また、林産物について、原材料となる原木の生産基盤を強化するとともに、輸出先の規格・基準に対応した製品、高耐久製品等の生産体制の整備を推進することとしている。
(木材輸出拡大に向けた具体的な取組)
林野庁では、付加価値の高い木材製品の輸出拡大に向け、CLT等の輸出基盤の構築に向けたテストマーケティングの取組、木製食器や木製家具などの身近な日本産木材製品の認知度向上を図る取組(事例3-5)、輸出先国・地域のニーズ・規格等に対応した製品の技術開発や性能検証の取組を支援するとともに、海外市場へのツーバイフォー構造材の早期展開を想定し、ターゲット国の市場実態等の調査・分析を実施している。
また、農林水産省が製材と合板の認定農林水産物・食品輸出促進団体に認定した一般社団法人日本木材輸出振興協会では、海外展示会への出展や現地関係者向けのセミナーなどを通じた販売促進活動、米国への構造用製材の輸出に向けた米国検査機関での性能検証等を実施している。同協会の取組により、令和6(2024)年4月にヒノキが、令和7(2025)年4月にスギが米国のツーバイフォー構造材としての設計強度の認可を取得した。令和7(2025)年9月には、日本の民間企業が米国へ輸出したスギ製材が、米国の工場で構造材として格付された。
今後も同協会を中心に、オールジャパンでの輸出促進に向け、業界共通の課題解決に向けた取組や輸出環境の整備、新規輸出先国・地域の市場開拓が期待される。
事例3-5 海外における日本産木材製品のプロモーション活動
日本産の木製家具、木製食器、伝統工芸品等の木材製品は、高い加工技術やデザイン性の良さから、近年、輸出額が増加傾向にある。更なる輸出拡大に向けて、株式会社ぐるなび(東京都千代田区)は、海外の消費者、企業等に向けた日本産木材製品のプロモーション活動を実施し、日本産木材製品の認知度向上に取り組んでいる。
同社は、2025年9月に、シンガポールの複合施設DUO Galleriaにおいて日本産木材製品の展示イベントを開催した。イベントでは木製食器や小物入れといった日本産木材製品のほか、日本のウッドデザイン賞受賞作品も展示され、受賞作品を製作した事業者も当イベントに参加した。
イベントを訪れた現地の消費者からは、日本の木材加工技術の高さを評価する声が聞かれるなど、参加した事業者が現地の消費者の反応を直接肌で感じられる機会となった。参加した事業者からは、「日本の木材製品について消費者が好印象を抱いていることが分かった」「日本ほど木工文化が浸透していないことから、質の高い木材製品の魅力や価値を消費者に伝えるためには、情報を発信し、理解の醸成を促す必要がある」といった声が聞かれた。
今後も、このような取組が広がることにより、海外における日本産木材製品の認知度向上や国内事業者の輸出に向けた機運醸成につながることが期待される。
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