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林野庁

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第1部 特集2 第4節 課題と対応(1)

(1)山の資源のフル活用

木材製品の安定供給に向け、原木を安定的に供給し、森林資源の循環利用を進めていくには、材の品質や特性に見合う価格での取引が成立することが重要であり、そのための需要先の開拓が極めて重要である。原木をくまなく利用し、その価値を高めていくことは、山の価値の最大化につながる。

枝打ちや択伐を続け100年生以上の樹木が林立するような一部の優良材生産林を除き、通常の主伐・間伐の際に山から搬出された多様な原木は、曲りや腐れの有無、色といった品質、太さ等によって、製材、合板、チップ等に仕分けられる。原木価格は一般に製材用が最も高く、合板用、チップ用の順に安くなることから(資料 特2-29)、全てをチップ用に仕向けると素材生産費を賄うのは困難となるため、価値の高い用途の比率を高めることは、森林所有者にとって、経営面から極めて重要であり、また、再造林につなげる原資を得るためにも重要となっている。


原木全体の利用率を上げるために有効な取組として、製材工場において、小径から大径まで幅広い径の原木を全量受け入れ、できるだけ製材し人工乾燥材や集成材等に加工した上で、低質材や端材等を製品乾燥やバイオマス発電の燃料用に利用する事例も見られる。また、原木市売市場等では、地域のニーズに合わせ、適切な仕分けを行うことにより、それぞれの用途に応じた多様な仕向先に出荷する取組も見られる。

製材需要を拡大する取組等とともに、このように原木をフル活用していく環境を整備していくことが重要である。

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