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林野庁

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第1部 第3章 第2節 木材利用の動向(3)

(3)消費者等に対する木材利用の普及

(「木づかい運動」を展開)

林野庁は、平成17(2005)年度から一般消費者を対象に木材利用の意義を普及啓発するため、「木づかい運動」の展開を図ってきた。木材利用促進法で、10月が「木材利用促進月間」として位置付けられたことから、林野庁では、「木づかい運動」を更に盛り上げていくため、「ウッド・チェンジ(*76)」を合言葉として、身の回りのものを木に変える、建築物を木造化・木質化する等の具体的な行動の促進を図っている。この趣旨に賛同し木材利用の取組の推進をPRする企業や団体等が、「ウッド・チェンジロゴマーク」(資料3-16)を使用できることとし(*77)、令和4(2022)年3月末時点で136の企業や団体等で使用されている。

また、「木づかいサイクルマーク」(資料3-16)は、パンフレット等による広報活動や国産材を使用した製品への添付等により木材利用をPRするもので、令和3(2021)年3月末現在、402の企業や団体で使用されている。

資料3-16 ウッド・チェンジロゴマーク木づかいサイクルマーク

(*76)ウッド・チェンジについては、トピックス2(4ページ)を参照。

(*77)ウッド・チェンジロゴマークの使用申請については、林野庁ホームページ「ウッド・チェンジロゴマークの使用について」を参照。



(顕彰に係る取組の展開)

木材利用促進法において、国及び地方公共団体は表彰を行うよう努めるとされている(*78)。

平成27(2015)年度から実施されている「ウッドデザイン賞」は、木の良さや価値を再発見させる建築物や木製品、木材を利用して地域の活性化につなげている取組等について、特に優れたものを表彰するもので、7回目となる令和3(2021)年度は、191点が同賞を受賞した。同賞をきっかけとして異業種の事業者の間で新たな連携も見られる中で、令和3(2021)年11月、川上から川下までの企業、団体、地方公共団体等を会員とする一般社団法人日本ウッドデザイン協会が設立された。同協会は顕彰事業、調査、研究や異業種間連携等による木材利用を通じた持続可能な社会の実現を図り、社会に貢献することを目指しており、このような動きが、木材利用拡大につながることが期待される。

また、木材利用推進中央協議会が主催する「木材利用優良施設コンクール」では、特に優れた木造施設や内装を木質化した建築物等を対象にその整備主体等(施主、設計者、施工者)に内閣総理大臣賞等を授与している。

各種顕彰の実施により木の良さに対する理解を促し、建築物等における木材の利用や調達の新たな手法等がモデルとなって全国各地で木材利用の機運が高まることが期待される。


(*78)木材利用促進法第31条



(「木育(もくいく)」の取組の広がり)

「木育(もくいく)(*79)」の取組は全国で広がっており、木のおもちゃに触れる体験や木工ワークショップ等を通じた木育活動や、それらを支える指導者の養成のほか、関係者間の情報共有やネットワーク構築等を促す取組として、令和4(2022)年1月に「木育(もくいく)・森育楽会(もりいくがっかい)」が、令和4(2022)年2月に「木育サミット」が開催される等、様々な活動が行政、木材関連団体、NPO、企業等の幅広い連携により実施されている(事例3-2)。

また、林野庁の開発支援による「木育プログラム」を用いた小中学生向けの木育活動が、平成24(2012)年度から令和2(2020)年度までに、延べ329校で実施されている。

事例3-2 おもちゃ美術館、全国に続々オープン

NPO法人芸術と遊び創造協会は、同協会監修の下、木の玩具を触って遊べる体験型木育施設である「姉妹おもちゃ美術館」の設立を進めている。

令和3(2021)年には、焼津(やいづ)おもちゃ美術館、徳島木のおもちゃ美術館、檜原(ひのはら)森のおもちゃ美術館がオープンした。内装木質化された空間で、全身で木の感触を感じながら、幅広いラインナップのおもちゃに触って遊ぶことや、糸ノコを使った木工体験もでき、様々な方法で楽しめる木育体験施設になっている。更に0歳から100歳までが交流できる「多世代交流」をコンセプトに掲げ、幅広い世代の方々が参加する「おもちゃ学芸員」が、「遊びの案内人」として来館者をもてなしている。また、赤ちゃん専用の遊び場である「赤ちゃん木育ひろば」も整備されており、老若男女問わず、おもちゃや遊びを楽しめることも大きな魅力である。

さらに、令和4(2022)年には、3施設がオープン予定であり、同協会の監修によるおもちゃ美術館は、全国で計10館となる。



(*79)「木育」については、多様な主体が様々な目的を持ち、活動を行っている。木育に関する情報は「木育ラボ」ホームページ、「木育.jp」ホームページを参照。



(「林福連携」の取組)

林野庁では、令和3(2021)年度から、福祉関係者、林業・木材産業者、デザイナー、地域関係者等が連携し、優れたデザインやストーリーを持つ付加価値の高い地域材製品開発等の取組を支援している。地域材の魅力向上、障害者等の新たな活躍の場の創出とともに地域振興に資するモデル的な取組が実施されており、今後、このような取組が全国各地へ広がっていくことが期待される。


お問合せ先

林政部企画課

担当者:年次報告班
代表:03-3502-8111(内線6061)
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