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第1部 第3章 第3節 木材産業の動向(1)


我が国の木材産業では、製材生産の大規模工場への集中、合板生産に占める国産材の割合の上昇等の動きがみられる中で、需要者のニーズに応じた製品の安定供給や安定的かつ効率的な原木調達が課題となっている。

以下では、木材産業の概況とともに、製材、集成材、合板、木材チップ、木材流通等の各部門及び新たな製品・技術の開発・普及の動向について記述する(*136)。


(*136)以下のデータは、特記のある場合を除いては、林野庁「平成30年木材需給表」、農林水産省「平成30年木材需給報告書」、「平成30年木材流通構造調査」、財務省「貿易統計」等による。


(1)木材産業の概況

(木材産業の概要)

木材産業は、林業によって生産される原木を加工して様々な木材製品(製材、集成材、合板、木材チップ等)を製造・販売することで、消費者・実需者による木材利用を可能としている(資料3-35)。原木は、木材流通業者(木材市売市場、木材販売業者等)、又は木材流通業者を介さない直接取引を通じて、製材工場、合板工場、木材チップ工場で加工される。その中には集成材工場やプレカット工場等で二次加工されるものもある。これらにより加工された木材製品は、住宅メーカー、工務店、製紙工場、発電・熱利用施設等の実需者に供給され、最終的には住宅・公共建築物、紙・板紙、エネルギー等として消費者に利用される。

木材産業は、原木の供給元である森林所有者や素材生産業者等の供給者(川上)との関係では、原木の購入を通じて林業を支える役割を担っており、木材製品の販売先である工務店・住宅メーカー等の実需者(川下)との関係では、ニーズに応じて木材製品を供給しているほか、新たな木材製品の開発等によって社会における木材利用を推進する役割も担っている(*137)。

また、木材産業は、一般的に森林資源に近いところに立地し、その地域の雇用の創出と経済の活性化に貢献する。国産材を主原料とする場合には森林資源が豊富な山間部に、輸入材を原料とする場合には港湾のある臨海部に立地することが多い。

資料3-35 木材加工・流通の概観

(*137)木材産業の役割について詳しくは、「平成26年度森林及び林業の動向」第1章第1節(1)9-10ページを参照。



(木材産業の生産規模)

我が国の木材産業の生産規模を木材・木製品製造業の製造品出荷額等でみると(*138)、長期的な減少傾向にあったが、平成22(2010)年からは回復傾向で推移し、平成29(2017)年は前年比2.3%増の約2兆7,173億円であった(*139)(資料3-36)。

このうち、製材業の製造品出荷額等は6,245億円、集成材製造業は1,877億円、合板製造業は3,836億円、木材チップ製造業は998億円となっている(*140)。

また、木材・木製品製造業の付加価値額(*141)は8,214億円となった。また、平成30(2018)年6月1日現在の従業者数は90,819人となっている。


(*138)製造品出荷額等、付加価値額、従業者数について、経済産業省「平成30年工業統計表」(産業別統計表)における「木材・木製品製造業(家具を除く)」(従業者4人以上)の数値。

(*139)製造品出荷額等には、製造品出荷額のほか、加工賃収入額、くず廃物の出荷額、その他収入額が含まれる。

(*140)製材業、集成材製造業、合板製造業、木材チップ製造業の製造品出荷額等については、それぞれ経済産業省「平成30年工業統計表」(産業別統計表)における「一般製材業」、「集成材製造業」、「単板(ベニヤ)製造業と合板製造業の合計」、「木材チップ製造業」の数値である。

(*141)製造品出荷額等から原材料、燃料、電力の使用額等及び減価償却費を差し引き、年末と年初における在庫・半製品・仕掛品の変化額を加えたものである。



お問合せ先

林政部企画課

担当者:年次報告班
代表:03-3502-8111(内線6061)
ダイヤルイン:03-6744-2219

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